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小説

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自作した小説をまとめています。基本的にはさらっと読める短編です。後味の悪いものもあります。
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#毎日note

【小説】ポイ捨て

【小説】ポイ捨て

 「あ、こっちのお湯の方が温かいですよ」
コンビニ店員は優しく教えてくれた。
目の前にあるポットは2つ。俺はカレー味のカップ麺を食べようとしていた。
 「あ、っす」
咄嗟に声を掛けられたのが予想外で、相手が喜んでくれるような言葉の塊にはならなかった。
 自分が使ったポットの温度を見ると70度を指していて、コンビニ店員が温かいと教えてくれた方は100度を指している。
慌ててそっちのお湯を入れるも、カ

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【小説】続・ポイ捨て

【小説】続・ポイ捨て

 ドッ…ドッ…ドッ…ドッ!
薄暗く、空気の悪い空間でやたらと低音だけが目立つ曲が流れている。
ギラギラしたピンク色のライトがいかにも安っぽくて猥雑さを感じた。

 少しでも気分を入れ替えようと友達を飲みに誘ったけれど、片っ端からフラれた。
 昨日見たカマキリの映像が頭に残っていて気分が悪い。カマキリは頭部が切り落とされても動くらしい。頭のない状態でも、いじめてくる子どもたちに向かって歯向かっていた

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【小説】 2025年の乾杯

【小説】 2025年の乾杯

「8月4日休みの人いる?」
7月中旬、雨ばかり続いている。今年の梅雨は長いと天気予報士がテレビで言っていた。

曇天の隙間から光が差すように、日々に希望を与えたのは久しぶりに動いたグループLINEだった。投稿したのは友人の拓哉だ。
今まで止まっていた時間が嘘のように歯切れ良いペースで動き出していく。
“T高校男子テニス部”と名付けられたグループには高校時代、同じ部活に所属していた同級生が8人入って

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【小説】 6日目の蝉と缶ビール

【小説】 6日目の蝉と缶ビール

蝉は気温が35度を超えると熱中症のような症状に陥り、寿命を全う出来ずに死んでしまうらしい。
本来の寿命が7日間だとして、与えられた本来の命を全う出来ず、6日目に死んでしまった蝉は不幸なのだろうか。

私の祖父は78歳で亡くなった。癌だった。
入退院を繰り返し、元気になって農作業をしたり、気持ちが負けて「もう死にたい」と洩らす日もあった。不安的な日々を過ごしていくうちに、いつの間に亡くなった。
人生

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