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テレビについて(60)「ナスカの地上絵について、わかったこと」------「NHKアカデミア」。

 行ったことがある人もいるから、ただテレビなどで見ているだけの人間が、あまり言う資格はないのは分かっているのだけど、ナスカの地上絵について、思っていたことがあった。

 あの地上絵は、どうやって描いたのか?

 極端な場合には、あんな巨大な絵を人間が描けるわけはないから、宇宙人が描いたのではないか。そんなことまで言われていたらしいのだけど、個人的には、「それは、人が感覚で描いたのではないか」と思っていた。



サッカーのライン

 それは、個人的な感覚だけれど、サッカーの試合のとき、ラインを土のグランドに石灰で引く時、最初は長いメジャーを使っていたのだけど、そのうちに、自分の感覚で描いても、結構まっすぐに引けるようになったからだ。

 この記事の中でも書いたのだけど、自分よりももっと感覚が優れていれば、ナスカの地上絵に近いものは描けるように思っていた。

 とても小さい話だけど、サッカーのセンターサークルは、10ヤードの直径があって、メジャーを使って、一人が中心部にいて、コンパスのように描いていたのだけど、そのうちに時間がないときなどは、一人で引くようになった。

 センタースポットから両側に、10ヤードのマークを1つずつつける。さらに、円を描くために、両方のゴールに向かって、10ヤードのところに、1つずつの印を土の上につければ、その4か所を通るように、あとは、自分の目分量、つまりはフリーハンドで円も描けるようになった。

 練習試合だったら、なんの問題もなく利用できたし、それで苦情が出たこともなかったと思う。全体のラインは縦100メートル、横50メートルくらいだけど、それも目測でほぼまっすぐに引けた。

 今は石灰自体が使われなくなっているらしいが、それでも、全国のサッカー部には、何も使わずに目測でラインを引ける人間は、意外と多いのではないかと思っていた。

ナスカの地上絵

 この番組は、自分が知らない世界の専門家も登場して、意外なことも伝えてくれるので、時々見ている。

 そして、この時は、文化人類学者・坂井正人氏が「ナスカの地上絵」のことを教えてくれた。

「ナスカの地上絵」研究の世界的権威、山形大学の坂井正人が登壇。巨大な地上絵は何のために、どうやって描かれたのか?30年近い研究で得られた最新の知見を徹底解説。

(NHK」より)

 ややぼんやりと見ていたら、最新の研究として、ナスカの地上絵をどうやって描いたのか?という話題になった。

 それによると、2000年代になっても、現地の人に、地上絵を今も描ける人がいて、それは目測で足を使って地上に描く、という方法をとっていた、ということだった。

 しかも、その技法を守り続けている一族のような方々もいるらしい、ということも知り、さらには、坂井教授は、実際に検証したところ、日本の学生でもある程度は可能で、いわゆる「絵心」のある人の方がうまくいきやすい、という話までしてくれた。

(視聴した記憶を元に書いているので、もし、もっと詳細に検討したい方は、放送を見ていただけるとありがたいです)。

仮説の実証

 とても個人的に、秘かに思い続けた「仮説」が実証されたようでうれしかった。

 だけど、そんなことをどこかに発表したわけでもなければ、これまで、ナスカの地上絵の話題が出るたびに、チャンスがあれば、知っている人の間でとても小規模に「目測で描いていたのでは」という「仮説」を語ったこともあったのだけど、一度として支持された記憶もなかった。

 個人的には、自分が、というよりは、人間のそうした能力は意外と高く、地上にいながらも、上空からの視線はイメージできると思っていたので、そんなことができるわけがない、といった見方に対しては、人間の力をみくびっているのではないか、といった気持ちになっていた。

 ただ、こうした研究をしている人が、山形大学にいらっしゃったことも、今回初めて知ったのだから、私自身が、興味を持ちながらも勉強不足ではあったし、もっと学ぶ気持ちがあれば、この「目測で地上絵を描いていた」という実証の一つも、より早く知ることもできたのだから、それほど胸を張れることでもない。

 だけど、長年、自分で「仮説」を持っていて、それが実証されたという気持ちは、どこか、ほらみろ、という思いになったし、それが具体的な誰かに向けられているわけでもないのだけど、何か少し解放されたような感覚にもなった。

 ただ、それは自分以外には意味がないことだろうし、おそらく、これを読んでくれた人も、それほどの共感を得られない可能性が高い。

 それでも、こうしたことがあると、どこかへ伝えたくはなるし、思っていたことが実は正解に近かった、という気持ちよさのようなものは、確かにあるのだと改めて知った。

 でも、このテレビ番組を見なかったら、基本的にそれほど勉強熱心ではないから、ずっと知らないままだったかもしれないと思うと、ちょっと不思議な気持ちにもなる。




他にも、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。




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