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「桜と弛緩」。2021.3.27.

 緊急事態宣言は、日曜日に解除された。
 とはいっても、ひきつづきの注意を呼びかけられたが、それがなくても、個人的には、どうあっても自衛しないと、という緊張感は、特に少しでも外出する時は、抜けないまま続いている。

 今週は聖火リレーも始まった。
 だけど、覚えているのは、辞退した「有名人」が次々と出てきたことだった。

活気の増大

 朝の9時前に、家を出る。

 向こうから2台のママチャリに乗った二人の女性が向かってきて、その軌道が少しふくらんで、私は真ん中ではさまれるようにして、すれ違った。
 コンビニの前に、中年男性が2人立って、銀色に光る缶のアルコールを飲んでいる。

 日差しはまぶしい。

 美容院の入り口付近の床をスタッフがふいて、開店に備えている。
 1000円カットの店の前には、マスクをあごに下ろした中年男性が座って、店が開くのを待っている。
 そこから3軒ほど離れた、最近まで花屋だった、カット&カラーの店の前には、若い男性と女性が並んでいる。
 その向かいの中華料理店は、店の前に置く大きい看板を出すために、スタッフがしゃがんで作業を続けている。

 先週と比べると、明らかに活気が増したように思った。


 駅のホームには、30人くらい待っている。
 ここ何ヶ月かで、土曜日のこの時間帯では、最も多くの人を見たような気もする。

ピンクのマスク

 私鉄に乗る。
 車両の窓は少し開いている。

 温度も少し高めで、空気はゆるんでいるように思う。
 もわっとした感じがする。

 車内で立っていたら、座っている女性2人。立っている女性1人。自分の周りの3人が、素材も色も微妙に違うけれど、ピンクのマスクをつけている。
 さらに、もう一人の女性もそうかと思ったが、それは紫だった。

 終点の一つ前の駅で、人が大勢乗ってきて、完全にくっつきそうな距離になってしまい、そういえばマスクは残っているが、「ソーシャルディスタンス」は、飲食店や、映画館のロビーには存在しても、電車の中にはなくなっているようだった。

解除の勢い

 この路線の終着駅に着き、次の電車に乗り換える。
 人の流れは、先週よりも、強く、多くなっている。

 次の改札に入ったところのアルコール除菌を使うために、人の流れから少し外れるのが、少し難しくなるくらいだった。今日も他の誰も使っていない。

 これが、緊急事態宣言解除の勢いだと思った。

 次の電車に乗る。
 人も多めで、この車両の窓はほぼ開いていない。
 
 電車の窓から外を見ていると、思った以上に、桜の花が、あちこちに見える。
 こんなにあったんだ、というのと、普段は本当にちゃんと見ていないことに、改めて気づく。

 静かだけど、気温も高めになってきて、その上、桜も咲いてきたら、車内にも弛緩の空気が漂っているように思える。

 くしゃみが聞こえる。
 大きめだから、ちょっと怖いけれど、それでも、活気みたいなものは、電車に乗っている間は、ずっと感じていた。

夕方の桜

 夕方になって、電車に乗って、家に戻る途中も、あちこちに桜が見えた。
 家の最寄りの駅で降りると、河川敷への道は、いつもよりも人が多いように感じた。

 そこには、満開の桜があるはずだった。
 家のそばからでも、力一杯咲いている桜の木が見えた。






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