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「イチョウの葉っぱ」の「クリスマスツリー」。

 家の前の、それほど広くない道路は、近くの高校の通学路でもあって、学生の人通りが多いし、河川敷のそばでもあるので、そこに向かうスポーティーな格好をした人たちや、休日は、子供づれも目立つ。

 そして、その道路には、昔、川のそばにあった工場との関係もあったせいか、イチョウ並木まであって、秋から冬になると、たくさんのイチョウの葉っぱが落ちてきて、掃除するのも大変なことになっている。

イチョウの葉っぱ

 私にとっては、寒い季節になって、道路いっぱいを埋め尽くすように散ることもあるイチョウの葉っぱは、ただ黄色い塊にしか見えないのだけれど、普段から、「植物活動」をしている妻にとっては、かなり違って見えているようだ。

 道路のイチョウの葉っぱを、あちこちで妻が拾っている。

 それは、丸まっていたり、切れ目が入っていたり入っていなかったり、同じ黄色のようで、その濃度が違っていたり、さらには、少し緑色が混じっていたり、それぞれが違っている、といって、きれいで、気に入ったものを集めたりもしている。

 妻にとっては、イチョウの木は、落葉してしまうと、ただの枯れ木になってしまっていて、あれだけ、いろいろときれいなイチョウの葉っぱを、形にできないかと、思っていたようだった。

 そして、去年は、そのイチョウの葉っぱを使って、雪だるまのような形にして、イチョウの木の下に置いた。それは、違和感のある姿でもあったのだけど、道を歩く人に、カワイイ、と言われて、妻はうれしそうだった。

イチョウのクリスマスツリー

 今年も、イチョウの葉っぱをどうしようかと妻は、考えて、最初は、きれいだと思った葉っぱを選んで、それをつなげて、並木のところに飾ったら、それも、とてもほめてくれる人がいて、やっぱり、うれしそうだった。

 葉っぱのバリエーションを見せたくて、ネックレスのようにして飾り、時々、その葉っぱを入れ替えていた、というから、大げさに言えば、美術館の「展示替え」のようなことをしていたと聞いたのだけど、そのことは、その並木の前を毎日のように通り過ぎていても、気がつかなかった。

 さらに、今年は、一時期に大量にイチョウの落ち葉を落とした時があったので、これを、有効活用しよう、と妻は思ったらしい。

 それで、イメージしたのは、クリスマスツリーだった。

 その時、頭の中では、100%の完成度だったのだけど、実際に制作していくと、ちっちゃいイチョウの木のように見えてしまって、そこで、どうしよう、という時間があった後に、「メリークリスマス」の飾りをつけようと思った、という。

 それで、イメージとしては完成度70%になって、並木の下のスペースにクリスマスツリーとして飾って、製作者としては、そこで満足だったらしい。

 なんだか、その過程も含めて、良かったし、外を歩く人が、一人でも気がついてくれればいいな、と私も、思った。

剪定

 年末に、イチョウ並木の剪定があるらしく、その日程まで妻は把握していた。

 雨が降ったら、その「クリスマスツリー」は、うちの中に取り組むけれど、その剪定の前に取り込もうかな、と話をしていて、私は、せっかくきれいに出来ているのに、もったいないと思い、家の塀のところにあるプランターに移すことを提案し、それも考えてくれたのだけど、どちらにもしても、イチョウの葉っぱの黄色の新鮮さは保てないので、クリスマスまで持ってくれたらいいな、という微妙な感じらしい。

 完成度にこだわるというか、色が変わって、きれいでなくなったものを、当たり前だけど、ずっと飾っておくのは、良しとしないようだけど、おそらく、私が見たら、その微妙な色の衰えはわからないのだろうな、とも同時に思った。

 それでも、家から出かけるたびに、家に帰ってくる時に、しばらく「イチョウのクリスマスツリー」が目に入るのは、実は、かなりぜいたくなことかもしれない、とも思う。



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