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秋の虫が、突然鳴き始める夏の夜。

 毎日のように暑いと、そんなことはないとわかっていても、これからもずっと暑く、年末にかけて、さらに暑くなるのではないかと思うこともあるけれど、それは、やっぱり暑い時の思考だと思う。


季節の変わり目

 暑い季節には、寒いときの感覚を忘れていて、寒いときには暖かくなることが想像しにくくなる。それは個人的なことに過ぎないのかもしれないけれど、体感については、現在のことにすごく影響される。

 だから、季節が変わっていくのは、とてもゆっくりで微妙なのだけど、時々、その変わり目がわかるような気がする時は、不思議だし、それは、単純に気のせいかもしれないと思うこともある。

 それでも、ずっと同じ季節よりは、変わっていった方が、なんだかちょっとうれしいのかもしれない。

秋の虫

 何度か書いたと思うけれど、いわゆる秋の虫が鳴き始めるときは、急にやってくる。

 毎日暑くて、暑いということを言うのも飽きてくる頃、それこそ、最近は地球全体の温度が上がってきているし、9月になっても10月になっても暑い日があったりするから、そのうちに秋がなくなるのではないか、というのは個人的にとどまらず、もっと広く言われるようになってきていることだから、ずっと暑いのだろうなどと思っていて、秋のことを忘れている頃、夜になって、急に秋の虫が鳴き始める。

 それは、自分の住んでいるごく狭い地域に限られることかもしれないけれど、8月下旬くらいのある日の夜から、その前日までは何の気配もないのに、急に秋の虫が鳴き始める。

 スズムシやコオロギといった、私でもすぐに名前が出てくるような鳴き声だけではないけれど、でも昼間のせみの声とは違って、確実に「秋の虫」だとはわかる。

 そして、その声を聞くと、今年も秋がやってくるのだということを思い出させてくれて、翌日の夜も、その次も、それからもずっと、昼間がどれだけ暑くても鳴き続けて、その継続に引きずられるように、昼間の気温も下がり始め、そのうちに本当に季節が変わっていく。

 それが、ここ何年も続いている。

今年も秋の虫が鳴き始めた

 夜の11時を過ぎて、雨が降り始めた。

 洗濯物とかを出していないかが気になって、2階でテレビを見ていたのだけど、一階に降りて、物干場がある縁側のような場所に行く。自宅は古い木造の建物で、そこは引き戸のガラス窓になっている。

 暑い季節の雨は激しく降ることが多くなった。

 この日も、夕方に強い雨が降って、そのあと、その雨は上がったが、また、パラパラではなく、バラバラ、という大きい音がし始めていて、窓の外には、洗濯物はなかったから、ちょっと安心もした。

 雨の音に混じって、違う音がした。

 それは、名前はわからないけれど、間違いなく「秋の虫」の声だった。

 なにも雨が降っているときに鳴き出さなくても、と思ったけれど、雨の音と虫の声が両方とも聞こえてくる。

 虫の声は、それほど弱くもないから、ずっと響いていて、その声はそんなに大勢の響きではないと思ったけれど、その場所から移動し、2階の部屋へ戻ると聞こえなくなって、しばらく経って雨が止んで、また庭の方に近づいたら、まだ秋の虫は鳴き続けていた。

 今日は8月19日の夜。

 たぶん、この日からずっと、少なくとも家の近所では秋の虫が鳴き続けるはずだ。

 個人的には秋のはじまりになるが、雨の夜だったことはあまり記憶にない。

 鳴き始めるタイミングに天気は関係ないのかと思うと、なんだかすごいとも思った。





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