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健康診査・美容院・マクドナルド・大阪王将。

 行政がおこなっている健康診断があって、それは大きい緑の封筒で知らせてくれるが、よく見ると「健康診査」という名称だと気がつく。

 毎年のように、その確認をしているのに、その正式名称のことを忘れてしまう。


ぎりぎり

 その「健康診査」は、6月くらいから始まっていて、3月末が期限になっている。それなのに、封筒は部屋の中の、見えるところに置いてあるのは分かっていても、開封自体をしないまま時間が過ぎる。

 3月に入ったあたりで、封筒を開ける。

 その中にさまざまな説明が書いてある文書も入っていて、そこには、この機会を無駄にしないでください、といったことも書いてある。

 確かにそうかも、と思うが、どこかで、健康診断をすると自分では気がつかない病気になってしまっていて、それで手術などになったら、今の経済状態では難しいから、そのままにするしかなくなるのだろうか。といったネガティブな想像が走ると、健康診断そのものをやめようか、と思う瞬間がある。

 そんなことを繰り返しているから、また時間が過ぎて、そして、やっぱりいつもギリギリになってから、隣町にある病院へ出かけることになる。

朝の支度

 注意書きの中には、原則10時間前から水やお茶以外の飲食物はとらないでください、といった言葉が書いてあって、それは、かなりいろいろな要素がたくさん入っている中では、それほど目立たないから、うっかりすると忘れそうになる。

 ただ、確か去年も同じように夕食を食べてから、夜中になってからは水以外は飲まないようにして、もちろん朝食も食べずに病院へ出かけたはずなのに、そのことも忘れてしまっていて、記憶に頼りながら、また書類の中にその注意書きを見つけて、朝起きてからも、同じように水以外は飲まないようにして、準備をする。

 その途中でトイレに行って、いつものように用を足してから、は、っと気づく。

 健康診断では、尿検査があって、これから病院へ行くまでに30分ほどだから、今、トイレに行ってはいけなかったのではないか、といったことを思ったが、もう遅かった。

 だから、もう一度、水を飲んで、それに自分は頻尿だから、と言い聞かせるようにして、出かけた。

病院

 隣町まで、歩いて約15分。

 病院に着いたら、待合室には誰もいない。

 健康診断の書類を提出したら、尿検査のことを伝えられ、もう少し待ってもらえますか、と答え、それから何分か経って、そろそろ大丈夫そうになったと思って、そのことを、また受付の人に伝えたら、トイレに行くことを促される。

 それで個室に入り、小さなドアの中にある紙コップを取り出し、尿を入れる。

 さっきトイレに行ったばかりだったから、苦戦して、思ったよりも量が少なく、そのコップに書いてある2〜3センチという基準が気になって、しばらくトレイにいた。

 それで、そのコップを、また小さなドアの中に戻し、待合室に行き、尿検査の量について、告げたら、すぐに名前を呼ばれる。

健康診査

 この地域では、個人的にはとても名医だと思っている医師に、あいさつをして、尿検査のことを伝えたら、大丈夫ですよ、と穏やかにいわれる。

 それから、健康診査の書類を見ながら、さまざまな質問をされた。

 その後、血圧を測定するので、かなり着込んだ洋服を脱いで、腕にテープのようなものを巻いてもらい、測り始める。

 上が106くらい。下が、70台。

 自分にとっては、最大が100を超えたら、調子がいい方なので、こんなものかと思うが、前年と比べると、下の方が、もっと値が小さかったので、その差が大きい方がいいのかどうかが、わからないので、何かが良くなったのかどうかも、はっきりしなかった。

 ただ、高血圧にはほど遠く低血圧なのだろうし、確かに早起きは苦手だった。

 そのあとには、横になり、腹部の触診がある。

 この病院の医師は胃腸科が専門のはずで、いつも、その腹部への圧迫が強過ぎはしないのだけど、必要なだけきちんと圧力を加えながら、見落としがないように繊細に手が動いている感じがして、これだったら、何かあったら見つけてくれるのではないか、という安心感は確かにある。

 それから心電図を測定する。

 約20年前に心房細動の発作を起こし、左心房肥大になった頃は、ひんぱんに計っていたけれど、今は年に一度になり、それでも、足首や手首を出すことは自分でも忘れていなかった。胸部に電極をつけ、測定する。

 記憶違いかもしれないけれど、以前よりも、何かベタベタするものを塗らなくなったような気がする。

 そのあとにレントゲンを撮る。

 毎回、被曝、という言葉が浮かぶ。

 指定された場所に立って、指示通りの姿勢をとってから、医師は外へ出る。

 息を吸って、止めて、という言葉を受けて、その通りにする。

 レントゲンは、すぐに終わり、そのあとは、身長と体重を測る。

 正確には覚えていないが、身長は少し縮んだようで、ちょっと悲しくなり、体重も少し減ったのは、このところ意識して減量をしているので、それは悲しくならなかった。

 そのあとに腹囲を測る。この値でメタボリックシンドロームかどうかを判断する、といったことに関わり、男性は86だそうだけど、現在は、そこまではかなり余裕ができたのは、心臓の発作を起こしてから、20キロ減量してからだった。

 それから、血液をとる。

 注射針を刺されたが、痛みはほぼ感じずに、吸い取られていく自分の血液を見て、いつもなんだか濁っているような気がする。

 それで、健康診査は終わりだった。

 結果が分かる日を伝えられ、お礼を言って、診察室を出た。

美容院

 その近くの美容院に寄る。

 私は、ずっとセルフカットだったし、美容院にも行ったこともなかったから、そこに行くこと自体に少しちゅうちょする気持ちもあったのだけど、今日は、妻がそこでカット&カラーをしているので、立ち寄って、その後のことを決めようとしていた。

 前日、私は健康診断で、妻は美容院に行くことになっていて、両方が近いところにあるので、そのあとに合流する約束をしていた。もし、時間がかかるときは私が先に、その近くのマクドナルドで待つことを決めていた。

 美容院に寄って、店内を見渡して、いないと思ったら、声をかけられる。すぐそばで髪を染めているのが妻だった。鏡越しで会話をする。

 まだ1時間くらいかかるらしいので、マクドナルドで待てるかちょっと不安になって、そのそばの区の施設のことも提案したが、そこは工事中らしいということにもなって、やはり最初の予定通り、マクドナルドで待っていると伝えた。

 美容院のスタッフの方には、邪魔をして、すみません。よろしくお願いします、と頭を下げて、店を出た。

マクドナルド

 久しぶりにマクドナルドに来た。

 午前11時過ぎ。

 コーヒーとデザート的なものを食べて、時間を過ごそうと思う。

 チョコパイを食べたかったが、もう季節的にメニューになかった。和風のデザートが主流になっていた。

 抹茶はいいけれど、抹茶味はそれほど好きではない。だけど、期間限定という言葉にもつられて、「抹茶黒蜜わらびもちパイ」と、コーヒーを注文した。

 2階に上がる。

 見回すと、あちこちに人がいて、角を押さえたオセロみたいな感じに見える。

 どこに座っても、微妙に距離をとれない、と思ったけれど、これから妻を待つのだから、カウンターの一番すみで、登ってくる階段に近い場所に座った。

 このパイは初めて食べたけど、おいしかった。

 待っている間に、今日の分の文章を書き、そのあとは本を読んでいた。

 私が入店する頃には、奥のテーブル席には男子高校生が何人かいて、くつろいでいた。他には、ビジネスパーソン。高齢者。色々な年齢層や、その仕事もバリエーションがありそうだった。

 ほとんどが一人で来て、黙々と食べて、帰っていく。

 私のカウンター席は、仕切りがあって、向こう側にも席が並んでいる。ほぼ正面に座った高齢男性は、ハンバーガーを食べて、大きなくしゃみをして、あとは黙々と食べて、短い時間で立ち上がった。

 それとは逆に、私のようにかなり長くいる客もいる。

 小学生が4人で一緒に来て、なんだか店内の空気が明るくなった。そのそばで感心するほど床を一生懸命磨いていたスタッフの女性が、その子供たちに向けて「4人で、並んじゃえば」と、テーブル席がうまっていたので、そんな提案も軽やかにしていたので、さらに、その対応もさらにすごいと思った。

 そうしたら、その4人の少年は、先に2人いた少年たちの知り合いで、さらに笑顔が増えていた。

 そんな時間が過ぎて、そろそろ午後12時になりそうだし、まだそれほどでもないけれど、さらに混雑してきたら邪魔になるから、外に出て待とうかなと思った頃、妻がやってきた。

 髪も整っていて、似合っていたし、妻自身も機嫌が良かった。

ラーメン

 とにかく外食をして、ということになったけれど、あちこち歩いて、午後12時台だから、どこもそれなりに混んでいて、迷ってから、「大阪王将」に入ろうと決めて、待つためのリストに名前を書いて、少し待った。

 妻は、タンメンが食べたいと言った。それで、ギョウザも欲しい、ということだったので、私がランチのラーメンセットにした。ギョウザと、ご飯までついていて、別々に頼むより安く済むからだった。

 カウンターでもいいですか、と言われ、店内に入ると、人がいっぱいだった。多くは体を使う仕事をしていそうなエネルギッシュな人たちが目立った。そこから、意外と待ったのは、混んでいたからで、やってきたタンメンと、ランチのラーメンとギョウザとご飯がカウンターに揃った。

 妻は、おいしい、と笑っていたので、良かったと思う。

買い物

 そのあと、スーパーに寄って、買い物をして、歩いて帰った。

 その途中にあるいろいろな植物を見たり、少し遠くの銭湯の高い煙突から煙が出ているのも見た。

 あれ、何の煙だろう?

 薪を使っているところ、なかったっけ?

 妻と、そんな会話もしながら歩いて、ゴミ収集車が来る前に家に戻れた。

 今月は、うちがゴミ当番なので、カラスが来るのにも気をつけていたし、収集後に、網を折りたたむのも役割だけど、ルートが変わってから、収集車は午後2時近くに来るようになった。

 その時刻に間に合って、ちょっとホッとした。

 カラスによって、あまり荒らされてもいないようだった。

 健康診断と、美容院と、マクドナルドと、大阪王将。
 それで半日が過ぎた。

 普段は家にいることも多いから、妻は、イベント性があって、楽しかった、と言ってくれた。

 よかった。






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