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ラジオの記憶⑪「交通情報の地名」が呼び起こすもの。

 ラジオを流していると、一定の間隔で、どの局を聞いていても、「交通情報」が聞こえてくる。詳しくは知らないのだけど、何かの決まりで、そういう情報を流さなくてはいけないのか、それとも、今でもドライバーのリスナーがかなりの割合を占めているということなのだろうか、とも思う。

 それでも、家にいると、天気予報や、一般的なニュースと比べると、自分にとっての関心の度合いが低く、ずっとペーパーのゴールド免許という、運転とは縁遠い人間であっても、道路、ジャンクション、地名、など、渋滞情報では、よく聞く固有名詞はあって、いつの間にか耳に馴染んでいる。

 その固有名詞が聞こえてくると、今日も渋滞なのか、とか、このあたりの事故は多くないだろうか、といったことを、ほぼ無意識で感じているらしい。

 さらには、地名などに関しては、私は、運転をしていないから、その場所のイメージがわかず、ただの言葉として流れていくことがほとんどだった。

知っている地名

 先日、急に、交通情報で、聞いたことがある地名が出てきた。
 おそらく、こうしたコーナーでは、初めてだったと思う。
 そこで交通事故があったらしい。
 それで渋滞が起こっているという。

 そこは、実家のそばで、中学や高校の時は、毎日のように利用していた同じ名前のバス停もある地名だった。

 すると、自分の中に、映像が浮かんだ

 そのイメージは、確かにその場所だったし、思い出せば、橋があって、川が流れ、微妙な合流の道路があって、少し複雑な部分もあったけれど、事故が起こっていた記憶もなかったように思う。

 びっくりするくらい明確な映像だったが、そこへ注意を向けると、最近も、そのそばを通りかかったけれど、自分の中の映像は、中高時代に見ていた景色に限りなく近いことに気がつく。

 毎日のようにバス停に立って、見るともなく見ていた景色が、いつの間にか自分の中に積もっていて、そちらの映像が最新のものより優先されて蘇っていた。

 ただ、もちろん、現在のイメージも多少は混じっているので、昔と今が混ざっている、現実には存在しない景色が、しばらく自分の中にあった。


 ただの地名なのだけど、それが呼び起こす情報量は、とんでもなく膨大なことに改めて気づいた。

 それぞれの人にとって、そんな地名は確実にあるのだろうけど、人によって違うし、同じ地名でも違う光景が、気持ちの中に浮かぶのだろうとも思った。



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