3ピースRyo

本当に心がやりたいと言ってることはなんだろうか?そうして、朝早く起きて太陽を浴びながら…

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本当に心がやりたいと言ってることはなんだろうか?そうして、朝早く起きて太陽を浴びながら散歩することにした。ふと書きたい衝動を見つけたので、手当たり次第、エッセイ、小説、イラスト、心のままに書きたい衝動を出力中。

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  • キャラクターファイル

    短編小説に登場するキャラクターを紹介。

  • エッセイまとめ「僕は嫌だ」

    子どもの頃は、心のままにやりたいことをやっていた。大人になって気がついたら、やらなければいけないことばかりをやっている。「大人になれ」とは、「嫌だ」と言わないことだと思っていた。でも、子どもたちには「僕は嫌だ」と言えるように育ってもらうには、僕がまず嫌だという生き方をする必要があった。それは、やりたいことをやる生き方だ。

  • 短編小説

    各1話を数分で読める、全3話の短編小説。「情動の月」は著者がはじめて書いた作品で、著者の人生観とリンクしている。

  • 1分読み切り短編小説

    1分で読める1話完結の読み切り短編小説集。素早い展開、あっと驚く結末、読み返したくなる読後感。描写を極限まで削り、あっという間に結末へと導く。1分で映画のような世界観を味わってほしい。

最近の記事

なんでもない。

かつて私は大切なものを ある男に譲ってしまった。 その時はわからなかったが、
後になって、 それは私にとってかけがえのない 大切なものだったと気がついた。 
その大切なものとは、
「ある体験」だ。 人類は進化し、 「体験」という情報を
他人に転送するすべを持った。 それを私は
売ってしまったのだ。 男は、
体験のコレクターで あらゆる体験を収集している。 これを買い戻すことはできない。 その体験を取り返す唯一の方法は、 その男が提示した体験を 自ら新たに体験し、

    • 未知なる生命体

      ある星に、 おどろくべき進化をとげた 優れた生命体Aがいた。 その生命体Aは、 進化の過程で 必要な器官を残し、 不必要な器官を退化させた。 Aは、 科学を進歩させ、星を支配していた。 Aが星を飛び出し、 他の天体にも 移動できるようになった頃、 Aと同じルーツの生命体が 不必要なものを残したまま 別の星に存在していることを知る。 それは、Aが別の道を辿った場合の Bという生命体の結果だった。 Aはその生命体Bが暮らす星へと 降り立った。 AとBはまるで違ってい

      • 情報管理局末端組織アーダコーダー

        【あぁだこうだ、言う奴】 中学生の頃、 柔道部に入った。 体が小さくて、 体重は40kgくらいしかなかった。 親は、 「体が小さいから、 柔道部なんかじゃなくてもいいのに」 と言った。 でも、 柔道の教えというのは 「柔よく剛を制す」なんだ、と。 だから 体が小さいからこその 希望だったし、 面白そうだと思った。 結果的に、 体は小さくとも、 軽量級で戦績を残し、 高校進学したし、 柔道で学んだことは その後の人生で生きることだった。 その後、 高校を

        • 時間拘束人ジット・シテロー

          命の時間を誰かに 拘束されていると感じたら怖くない? もちろん、 そう思わないこともできる。 自分の人生に 主体的でいられたら それは、拘束されてるわけではなく、 そこにいたいからいるんだ。 だけど、 もしコントロールされた世界の 住人になっていたら、 もはや命を握られている。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 インスタ連載物語 【王家の血】 人々のキレイゴトを奪い、 合理的な世界で支配する 新世界政府。 新世界政府に 時間拘束人という男がいる。 その名は ジ

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        記事

          王家の血をひくもの

          3ピースは王家の王冠を象徴している。 滅亡した王国、 王家の血をひく男。 3ピースのりょうくん。 胸にさした薔薇に似た花は、王国のみに咲いた花。 花言葉は、「よそはよそ!うちはうち!」。 正統な血統を証明する、 世界中に散らばった王家の三種の神器、 3ピースを取り戻す旅に出る。 彼の気品は、 魚を綺麗に食べる箸さばきからもうかがえる。 白いタイツをインナーにしているのは、王家の証。

          王家の血をひくもの

          今日パパが家出した。③(全3話)

          最終話 それは、 「愛する」とは どういうことかという 課題だったんだと思う。 僕はいつも間違う。 しかし、 僕は離婚届を書いた。 「今日パパが家出した。」 第3話  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「パパ、 今日は泊まっていって、、、」 小学校に入ったばかりの 息子が僕に言った。 家出をしたと言っても、 週に何回かは、 子どもたちの顔を 見に行っている。 最初は 子どもたちも、 実家にでも行っているのだろう くらいに思っていたんだと思う。 しかし、

          今日パパが家出した。③(全3話)

          今日パパが家出した。②(全3話)

          全てのパーツが繋がる だけど、 僕はある日家出をした。 これは、 愛はそこにある、 という勘違いだったんだ。 「今日パパが家出した。」 第2話  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 確か、 当時小学校3年生 くらいだった娘から 「宿題がわからない」という LINEが来た。 通信講座の先生のように、 ノートに赤ペンで解説を書き、 写メを送った。 今なら動画にしただろう。 娘は算数が苦手だった。 だから、 いつも宿題を教えていた。

          今日パパが家出した。②(全3話)

          両手に女子。ひとりぼっちの始発電車③(全3話)

          かっこ悪く、切ない記憶 青く不器用だった記憶 だけど、それすら今は美しい。 「両手に女子。 ひとりぼっちの始発電車」 第2話はこちら 第3話  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 人数は合っている。 なのに、 僕はあぶれてしまった。 初めて会った若い男女5組。 夜も更けてきたので、 それぞれが 雑魚寝するような形になった。 最初はみんな、 共通の話題で 盛り上がっていたが、 次第にそれぞれが 話をしている。 それほど広くはない マンションの一室で、

          両手に女子。ひとりぼっちの始発電車③(全3話)

          両手に女子。ひとりぼっちの始発電車②(全3話)

          かっこ悪く、切ない記憶 青く不器用だった記憶 だけど、それすら今は美しい。 「両手に女子。 ひとりぼっちの始発電車」 (第1話はこちら) 第2話  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 今僕の両隣には女子がいて、 薄いタオルケットの下、 僕たちは並んで寝ている。 あれはどこの誰だったかのかも 忘れてしまったが、 とにかく僕たちは 女子とコンパをすることになった。 大阪市内中心部よりも 南へ30分。 一戸建てやマンションが 建ち並ぶ所に

          両手に女子。ひとりぼっちの始発電車②(全3話)

          短編小説「情動の月」③最終話

          第3話(最終話) (第2話はこちら)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 君は、 自分を認識する 名前を持たない。 君は、 自分の感情を表現する 言葉を持たない。 君は、 家族もいなければ、 友達もいない。 きっと生きる意味も持たない。 しかし、 君が生きていたことを 僕は見たんだ。 その美しさを見たんだ。 君は 最後の狼。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「金になるぞ」 父がそう言った。 父は猟師を生業にしている。 田畑を荒らす害獣になる 猪や鹿なんかを捕まえては、 ど

          短編小説「情動の月」③最終話

          短編小説「情動の月」②(全3話)

          第2話 (第1話はこちら)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 君は死んだ。 君との友情は、 儚く残酷なものだったが、 今になって、 案外そうでもない気がしている。 君は、確かに生きていた。 僕たちは一度も話をすることも なかったが、 友達だった。 確かに君は生きていたんだ。 君は最後の狼。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 夜中に目が覚めた。 用を足しなくなったが、 少し躊躇った。 というのは、 厠は母屋の外にあって、 薄暗い縁側を通らなければならない。 まして今は、

          短編小説「情動の月」②(全3話)

          会社を辞めた、そして起業した③(全3話)

          生み出し、そして手放した 「会社を辞めた、そして起業した」 エピソード③ (エピソード①はこちら) この話は、 サクセスストーリーではない。 だけど、 僕にとって 本当に愛おしい 大切な経験だ。 きっと今必要な誰かには 感じてもらえることがあると思う。 今日の話の結末は、 生み出した、 だけど手放したという結末。 会社を辞めて、 2ヶ月間、人の悩みを聴き続ける日々。 夢中になって いたけれど、 焦りも不安も 本当は感じていた。 だけど、 「俺は今これを

          会社を辞めた、そして起業した③(全3話)

          会社を辞めた、そして起業した②(全3話)

          僕は臆病になってしまっていた。 (エピソード①はこちら) ​ 僕の投稿は、 役立つ情報もノウハウもない。 教えることもない。 教えられることもない。 ただ、 感じてもらえることだけを 心がけたい。 朝早く起きて、 太陽の光を浴びて散歩して、 僕は態度を改めることを決めたんだ。 僕は臆病になってしまっていた、 からなんだ。 2年前、会社を辞めて、 何もなかったところから 駆け抜けた日々が嘘のようだった。 前にも少し書いたけど、 会社を辞めて、 半年後には会社員

          会社を辞めた、そして起業した②(全3話)

          1分読み切り短編小説「ドローンからの伝言」

          「マカニ」は、 自分の最後を知らせる 赤いランプを点滅し続けた。 「マカニ、、、、。」 マユミは、 マカニを胸にその最後を 見守っていた。 マカニは、 AI搭載のドローンで、 この時代では、 ドローンはもはや かつての「家族」の役割を 担っている。 資本主義の崩壊。 人口増加、環境汚染による 食料問題。 激しさを増す異常気象。 未知のウィルスとの共存。 新世界政府は、 人口を削減し、 コントロールした。 婚姻や家庭を持つことは 制限され、 感情すらも管理さ

          1分読み切り短編小説「ドローンからの伝言」

          1分読み切り短編小説「天と地と人」

          妖艶な美しさを持ったその女は、 天術の使い手。 名前をレイという。 天術とは天を操る術をもつ。 その美貌を気に入った 西の王はレイを召し抱え、 偶然、天を意のままにすることになった。 王は西の大陸を掌握し、 さらに西、南、北へと勢力を伸ばした。 天を味方につけた西の王に、 南の王も北の王も 跪くしかなかった。 残すは、 広大な海に阻まれた 東の国だけだ。 数々の国が 東の国へ侵攻しようとしたが、 ことごとく 天に阻まれ、 船は荒れる海の底に 引き摺り込まれて

          1分読み切り短編小説「天と地と人」

          1分読み切り短編小説「未完成のアート」

          そいつは胡散臭い奴だった。 名前は「画伯」だと。 女がそこにやってきたのは、 もう何もかも嫌になったからだ。 そんな時、 このBarを知った。 「Art Bar Gahaku」 アーティストが生み出す 不思議なアートが どんな悩みも解決してくれる、と聞いた。 そのアーティストが、 女が座るカウンターの向こう、 目の前にいる「画伯」。 黒い帽子に、黒い服。 斜めにかぶったキャップに、 サイズ大きめのTシャツ。 しかし、どういうわけか 牧師のようにも見える。 首

          1分読み切り短編小説「未完成のアート」