見出し画像

今日パパが家出した。②(全3話)

全てのパーツが繋がる

だけど、
僕はある日家出をした。

これは、

愛はそこにある、
という勘違いだったんだ。

「今日パパが家出した。」




第2話

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
確か、
当時小学校3年生
くらいだった娘から

「宿題がわからない」という
LINEが来た。

通信講座の先生のように、
ノートに赤ペンで解説を書き、

写メを送った。

今なら動画にしただろう。

娘は算数が苦手だった。

だから、
いつも宿題を教えていた。

僕も子どもの頃、
みんなが理解できているのに、

自分だけが理解できない
経験があったから、

娘が簡単な問題でも
理解できないのは、
承知している。

妻、僕の奥さんは
ついついイライラしてしまう。

気持ちはわかる。

「なんでこんな簡単な
問題ができないんだ」

と周りはなるだろう。

実は、
僕もそうだったが、

やがて突然、
全てのパーツが繋がって
わかるようになる。

昔、親にも心配されたが、

理解するプロセスを
自分で見つける感じなんだ。

今でも覚えているが、

国語の問題で、

「上の文章と、
下の文章で合うものを
線で繋ぎなさい」

というのがあった。

理解できなかった。

なぜ線を繋ぐ必要が
あるのかがわからなかった。

それはそういうもんなんだ、
と言われても、

なぜそんなことをする必要が
あるのかが
わからなかった。

だから、
宿題ができない!と
よく泣いていた。

それはそうと、
なぜ娘からLINEが
来るのかというと、

僕が家出をしているからだ。

ワンルームの
マンスリーマンションの一室。

僕はこれまで
炊事、洗濯、家事全般を
やってきたから、

困ることはなかった。

娘にとっては、
いつも教えてくれていた
パパが家にいない。

しかし、娘は決して、
「帰ってきてほしい」
とは言わなかった。

「パパがそうしたいなら」

という態度だった。

寂しいから、
LINEをしているのか、

宿題を教えてくれるツールが
いないからLINEをしているのかは

わからなかったが、

とにかく、
僕の誰にも変わることができない
役割があった。

僕は奥さんに対して、
「どうだ、見たことか」

と、ほくそ笑んだ。

しかし、
僕は間違いに気づくことになる。

僕はいつも間違う。

そして、
間違いはいつも僕にとって
掛け替えのない大切なことを
ギリギリのところで気づかせてくれる。

それは、
温かいもので、

それは、
安心に包まれるもので、

それは、
穏やかで、

それは、
愛おしく、

強さをもたらしてくれるもの。

それは、
「愛する」とは
どういうことかという
課題だったんだと思う。

のちに全てのパーツが繋がる。

しかし、
僕は離婚届を書いた。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

これは、

「今日パパが家出した。」
の第2話です。

もし、この投稿がいいなと
思ってくれたら、
ぜひ、「いいね」をして。

僕は愛されるということ、
愛するということを、

勘違いしていた。

今でもわかっているのか
どうかわからないけど、

大切なことを見失って
しまわないように、

感じたことを書いておきたい
ということと、

僕の経験を通じて

たった1人の誰かに、
届ける手紙を書くこと。

本当に大切なことは
何だろうか?

という自分自身への
問いかけでもあります。

だから、
よかったらあなたの後押しが欲しい。

続きを書こうと思うんだ。

僕にとっても大切なことだけど、

僕が書くことで、
あなたに大切なことを
感じてもらうことが、

僕の仕事でもある。

僕にとっては、
大仕事のつもりなんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?