見出し画像

旅ドロップ

初夏の旅行の計画をたてようと思って
ガイドブックよりまず先に
江國香織さんの『旅ドロップ』を読みました。

旅行の気分が高まるかな、と思ったら
一番胸を打たれたのは
「帰る場所のこと」の頁でした。

私は普段、帰るために出かけてるようなものだから、それが旅行でそれも海外となると、帰る喜びもひとしおだろうなぁ、と思います。

漠然と帰るのが好きだったのだけど
『旅ドロップ』を読んで、
“まだ”家がそこにあってくれることが 
いかに奇跡であるか、思い知りました。
本当に読んで良かった。
こんなふうに奇跡性に気付かされることが好き。

悲劇的な場面に触れて、奇跡性に気付くようなことは、本当じゃない気がする、少なくとも私にとっては。

旅の予定がある人もない人も
『旅ドロップ』、読んでみてほしいです。
日常でも充分、旅ができるみたい。

「バターパンのこと」と、「旅先の雨」の頁も、とってもお気に入りです。

この記事が参加している募集

読書感想文