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桜始開‥さくらはじめてひらく

『桜始開‥さくらはじめてひらく』

            3月26日から30日頃


どれだけ長い間
この時を待っていたでしょう。

多くの花があるなかで
桜に関してはなぜか
『再会』だと感じてしまう。

また今年も逢えたね‥と。
 
桜の開花
その儚さ‥。
薄紅色のその姿‥。

静かにそっと咲いているのに
その一瞬にすべてを捧げているかのように人々を魅了する。

これほどまでに
愛され
これほどまでに
待ち焦がれ‥。

桜は日本人の心に
古くから寄りそってきました。



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満開に咲く姿が美しいのか
散りゆく姿が美しいのか‥

消えないで‥
あともう少し‥と願いつつも

風に飛ばされ
空へと舞う花嵐を美しいと
心から思うのです。


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昔も今も桜へ馳せる想いは
変わりないようで
多くの歌人が
桜を慈しみ数々の和歌を残して
います。


去年(こぞ)の春 逢へりし君に恋ひにてし
桜の花は迎へけらしも

               詠み人しらず


(現代語訳)
去年の春お逢いしたあなたに恋焦がれ
桜の花は今年もあなたを迎えにきてくれましたよ


なんとかわいらしい歌でしょう。

去年の春、一目惚れをした桜の花が
恋しい人に逢うために
一年越しにやってくるなんて‥。


心をときめかせながら「あなた」が逢いに来てくれることを一途に願い、薄紅色に頬を染めその時を今か今かと‥待ちながら咲いているのでしょうか。



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でももし‥その願いが届かず 
逢えなかったとしても‥

同じ場所でただ静かに
「あなた」を待ち侘び咲き誇る

いつか風になるその日まで‥。


そんなちょっぴり切ない物語が浮かんできて 胸がきゅんとなるのです。

ほんのわずかひとときの
儚いものだとしても
その一瞬にすべてを懸ける‥。


桜の花はいつだって
その存在から
その佇まいから‥

わたしたちにいろいろなことを
教えてくれているのです。



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毎年見る桜の花は
歳を重ねるその度に、また違った感じ方を‥
そして温かな気持ちを
届けてくれる。

そんな桜たちにわたしは
今年もありがとうと
伝えたくなるのです。


また逢えたね‥
来年も逢おうね‥と。


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さて、春になり
街中に少しずつ色が溢れ
目に嬉しい、
そして心に優しい。


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やわらかな音楽までも
風に吹かれ聴こえてきそうで
気持ちも軽やかになりますよね。


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反対に‥色のない世界。


白黒灰のコントラストが生み出す
その場所から聴こえるのは
どんな音色でしょう。


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静かに流れる時間が確かにそこにはあり
カラー写真以上にその一瞬を閉じ込めたような
静寂さえ作品の一部であるような‥      そんな世界。


情報が少ない分
光によって映し出される形の
ひとつひとつが浮き堀りにされ

濃淡で表現された
その質感などが
よりダイレクトに響く。


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その一枚からその人が
何を思い何を伝えたかったのか
知りたくて‥
でも聴こえなくてより魅入ってしまう。

色が溢れる世界とは
またひと味違った一瞬が
ありますよね。


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情報過多とも言われる
今現在。

片寄った情報
フェイクニュースなど

毎日のように何かに迷い検索し
得た情報を目に
真実がどこにあるのか
分からなくなることがあります。

そこにあるのは
必ずしも100%正しいことで
ない場合も多くあり
何が正しくて
何を信じればいいのか。


目に見えないものや
モノクロの写真のように
少ない情報の中にこそ
真実が隠れていることもある。


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今、誰もが簡単に
情報を拡散できる時代にあり
その真偽を見極めることは難しいこと。

しかし、たくさんの価値観がある中で
ひとつの意見として捉え固執したり偏らず
いい意味で「流す」。


そんな寛容さも必要なのかなと
思う今日この頃なのです。



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桜始開‥さくらはじめてひらく

桜の花が開き始める頃



読んでいただきありがとうございます。



            photographer‥あお

                writer‥るん


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