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鑑賞ログ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

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ロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオの共演作でスコセッシ監督だったら、観ないといけない。

1920年代、アメリカ・オクラホマ。先住民政策の結果、この地に追い立てられたネイティブアメリカン・オーセージ族の土地で油田が発見された。その結果、先住民はオイルマネーで潤い、白人たちを雇うようになる。
そんな街に戦場帰りの男・アーネストが降り立つ。地元の有力者でオーセージ族とも友好的な関係を気づいている叔父”キング”(ロバート・デ・ニーロ)に呼び寄せられたのだ。
やがて街で運転手として働くようになった彼は、オーセージ族の女性・モーリー(リリー・グラッドストーン)と出会う。彼女に惹かれるアーネストを、”キング”は焚き付ける。それは叔父としての応援なのか、モーリーの持つ財産を狙ったものなのか…?
そんな中、不可解な事件が続く。オーセージ族の人々が謎の死を遂げ、やがてその影はモーリーの家族に及んでいく。その真相は…という話。

デ・ニーロとディカプリオの二人の共演は「ボーイズ・ライフ」ぶり?
あの時のデ・ニーロは怖かったな…(そしてトビー・マグワイアも怖かった)。
素晴らしい若手がいると言ってスコセッシに紹介したのがディカプリオとスコセッシの出会いのきっかけだったよな、確か。

ディカプリオさん、顔に何か入れて演技してる?まさかの『ギルバート・グレイプ』戦法か?顔が美しいのも考えものだな。本当に何かを入れているのかどうかは分からないが、それくらいディカプリオからイケメン要素が抜かれ、冴えない男になっている。

まず、206分と3時間以上あることに躊躇していたけれど、全然大丈夫だった。何がどうと言語化はできないけれど、ダレないというか。
物語の骨子として、なぜ事件が起こっているのかというミステリー的な部分と、それの外側を囲む見えない悪意が恐ろしい。そして、その悪意を自覚しているのか、していないのかがわからないのがさらに恐ろしい。

いや、時代が違うだけでこういうのってよくある。良かれと思ってやってやってるんだから、ありがたく思え!みたいな。いやいや、あなたのそれが最悪な結果を招いているけど、本気で言ってる?みたいな。

愛するものが一番自分を裏切っているという背反心理の深みにどんどんハマっていくモーリーも苦しい。そして、アーネストもまた、叔父に対して背反心理を持っている。

この構造って、もしかしたら政治家と公務員の関係に似ているのかも。一般家庭の生活は苦しくなる。それは公務員も一緒。じゃあ、その政策を作っている政治家は本当に良かれと思ってやっているのか?それとも自分の利益のため?みたいな。

題材はとてもシビアなんだが、重すぎないところがいいのかも。だって絶対『アンタッチャブル』をパロったよね?そういう遊び心をこんな作品で入れてくるのも好感。個人的には10年ほど前に『J・エドガー』で主役を演じたディカプリオが演じるアーネストがFBIに関わっていくところも感慨深い。さらに本人登場笑。
ま、考えてみると一寸先は闇、ということでもあるんだけれど。

はー!語彙力が足りない!!


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