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不満0。なのに大企業からベンチャー企業へ転職する理由

こんにちは。もえのおとご覧いただきありがとうございます。

不満0なのに大企業からベンチャー企業へ転職する理由、
今回の転職活動をまとめてみました。

転職活動のきっかけ

転職活動を始めたのは新卒で入社してからもうすぐ4年目になろうとした冬のこと。

転職活動を始めたきっかけは、自分の市場価値を知りたいと思ったからです。

なんでその会社のなかでの評価でもなく、
市場価値を知りたいと思ったのか?

それは私の仕事観みたいなものが大きく影響しているのかもしれません。

私は、一つの会社で、出世をするとか、大きな事業を成功させるとかではなく
それより、自分と自分の周りの人が幸せに安心して暮らせることのほうが重要でした。

幸せに安全に、というのをもう少し分解してみると、

・世の景気や会社の売上に左右されることなく安定して仕事があること
・家族や趣味に必要な時間を確保するための裁量権があること
→一つの組織ではなく”世の中で”必要とされる人材であること

だから、社会全体でどれだけ必要とされる人材なのか、
ということが知りたかったのです。

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だけど、そもそもその疑問を持った理由は

・自分がやりたいと思っていたポジションをかっさらってく後輩への嫉妬
・自分が思い描いていたキャリア像とはかけ離れていることへの焦り
・だれかのためになっているのだろうか?評価されるものなのだろうか?
 という自己肯定感の低さ


そんなものがぐるぐると混ざった感情があったからなんだろうな、と思うんです。

これでもかと下がる自己肯定感

では、いざ転職活動はじめてみるとどうかというと・・・

落ちること、落ちること・・・

はじめのうちは1つもESが通らなかったんです。

もちろん中途採用のES通過率はそれほど高いものではないとわかっていたものの、
一般的に言われる30%にも満たない、というのが突きつけられた現実でした。

自分ってそんなに市場価値低いのかな・・・
今の仕事だって、決して楽なものじゃなかった、ちゃんと頑張ったのに・・・

ますます、自己肯定感が低くなっていくのです。。

そうこうしているうちに、季節はうつろい、
冬から春へ、そして春から梅雨の時期へと変わっていったのです。

やっと手にした内定

難航を極めた転職活動もいよいよ終焉を迎えます。

「どうやって内定までたどりついたのか?」ということはまた別記事で。

では、本当に転職するのか?

転職活動のきっかけは自分の市場価値を知ること。
だから、

自分の希望する企業から内定をもらったら、それがゴール。はい、転職活動終了!

ってしたって、よかったんです。

で、ほんとに転職するの?

じゃあ、ほんとに転職するのか?自分?

前置きがだいぶ長くなってしまったのですが、
いよいよ本題に入りたいと思います。

・キャリアプランを考えてみる

自分のキャリアプランを見直してみます。

もやもやのうちの1つに当時思い描いていたキャリアとのギャップがあったので、
しっかり時間をかけました。

私は新卒の就職活動では「手に職を」という軸でIT業界を選び、
まずはプログラマーで技術力をつけて・・・というキャリアを描いていました。
ところが、配属先ではプログラムを書く機会はなく、
どちらかといえば、顧客折衝や運用設計がメイン。

だからと言って、仕事内容に不満があったかといえばそんなことはなくて、
むしろ、お客さんと話すことは面白かったし、
どんなふうに使ってもらったら効果的か、と考えるのはとても楽しかったです。

だけど、不安ではあって。

その理由は

・当初描いていたキャリアと違うこと
・企業としても技術力が評価される風潮があること

ということ。

じゃあ、技術力のない私が、
この会社で生き抜くことはできるのか、、という不安がありました。

・ライフプランを考えてみる

キャリアプランの見直しと似ているけど、
今度は自分のプライベートのプランをたててみました。

ちょうどこんな感じ。

老後は自然豊かな場所で暮らしたいな〜とか、
いろいろ理想は出てくるのですが、
じゃあ今からその生活ができればよいのかといえばそんなことはなくて、
それまでに準備しなきゃいけないこともあるし、
逆に今しかできないこともある。

だからこそ、時系列順に整理できることは転職という視点を除いても有効でした。

でも今の私には未知数が多すぎるんですよね・・・
結婚する?しない?
子供はいる?いない?いるんだとしたら何人?
・・・

とはいえ、そうこう言っていられないせっぱつまった状況なので、
ありうる生活の一番制約が多い条件で検討してみました。

わかったことは、この先10年は転職したくてもできないだろうということ。
だから、この決断はこの先の10年をどう過ごすのか決定することであり、
そのまた10年先のキャリアを大きく左右するものだということ。

・いろんな尺度で点数化してみる

これはかの有名な著書「科学的な適職」で紹介されている方法。

いろんな軸から考えることそのものはとても重要なことだけど、
転職先と、現職とを比較する場合の欠点は、
圧倒的に転職先のほうが情報が少なく、また美化されやすい傾向にあるということ。

これを完璧に取り除くことはできないけど、
転職先でなんの情報が足りていないのか、
それを知るためのアクションは何が必要なのか、明確になったような気がします。

・現職の上司に相談する

私の場合は転職をする、と決めてからの相談になってしまいましたが、
信頼する上司であるなら、悩んでいる段階で相談することをおすすめします。

感じている不満や不安、この際なので全部話してみましょう。

これによって、

ある一定の評価がされていること、
ちゃんと組織で愛されていること(笑)

がわかりました。
だから、自己肯定感は上がりましたよ。

長く私を見守ってくれた上司だったので、
不安の根本的なところも含めしっかり理解してもらえましたし、
そんな尊敬する上司の一言はどんな情報よりささったことは事実です。

・転職活動をした理由を振り返る

そろそろ、比較検討の最終段階に入ってきました。

転職活動を始めたきっかけは自分の市場価値を知りたいと思ったから。
これに関しては内定もいくつかいただくことができて、
自分が満足する市場価値であることがわかりました。

ではその裏側にあったいろんなマイナスの感情は
どのようにして消化されていったのかというと、

自分がやりたいと思っていたポジションをかっさらってく後輩への嫉妬
→後輩であろうと、だれであろうと、適性がある人がやるべき。
 それに、やりたいと思っていたポジションって、純粋な自分がやりたいという思いというより、
 やったら評価されそうなポジション、って尺度で考えていたな。
 自分の特性を活かしたポジションであればいいってことにしよ。
自分が思い描いていたキャリア像とはかけ離れていることへの焦り
→当初のキャリアとは違うけど、それが正しいわけではない。
 面白さを感じている今の経験に上乗せできるようなキャリアにシフトしよう
だれかのためになっているのだろうか?評価されるものなのだろうか?
 という自己肯定感の低さ
→ちゃんと評価されていた!満足!

ちゃんと浄化されてますね。よかった。

転職決断の決め手

転職するきっかけと、不満要素はめでたくすべて解消したので、不満0。
転職の必要はなくなりました!

が、私は転職する、という決断をしました。
それはなぜか、理由は3つありました。

扱っているプロダクトの特徴
・環境、業務の変化
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この理由をもう少し深堀してみます。

扱っているプロダクトの特徴が明確になった

どんなプロダクトにだって強みがあればそれと表裏一体で弱みにもなります。

転職活動のなかで、「業界」と「サービス」の2軸で比較した結果、
特徴が明確になりました。

【業界での比較】
現職で携わっている業界も内定をいただいた業界もどちらもヘルスケア領域。

医療費の削減やシステム化が不十分な現状や、
コロナ禍でますますオンライン化が求められることから、
消え行く業界ではないと感じました。

また、私自身の経験から、ヘルスケアの領域で長く仕事をしたい、
という思いもあったので、
どちらの環境でもやりがいを感じられるだろうと思いました。

【サービスでの比較】

現職、転職先ともに、ヘルスケア領域でITを用いたサービスを展開する、という点では同じですが、異なる点は多くあります。

大きく異なるのは、ヘルスケア領域へのアプローチの仕方でした。

現職は、「データを扱うシステムの会社」だったので、
データとシステムからヘルスケアの領域へアプローチします。
対して、転職先は代表が医師免許をもった方という点や、
社内でも医療従事者が多くいることから、ITの技術を使いながら
医療的な知識や人材などを提供できる企業です。

現職はヘルスケア領域にアプローチした実績はあってもそれを専門とする会社ではない、ということと、
ヘルスケアの領域の知識を学んでいる途中の私をはじめとする窓口担当が
お客様の要望、ニーズを把握し、プロダクトに反映していくということへの不安があったのもまた事実です。

環境、業務は大きくは変わらない
考える視点はまた少し変わります。

私は長野県出身ということもあり、
いつか、なにかがあれば長野の実家に帰る人なんだろう、と漠然と感じていました。
それまでに、一人のビジネスマンとしてどこにいってもちゃんと評価され、
活躍できる人になりたいとも思っていました。

そう思ったときに、

・スキルの深さと同様に幅も広げなければならない、
・いつだってどこでだって良好な人間関係を築ける人でありたい

そんな思いが強いことに気が付きました。

一つのプロダクト、サービスだけでなく
もう少し違うアプローチ方法で、
もう少し違う環境で、
自分を試してみるのも必要な経験なのかな、と思ったのです。

ほかにも、以前から長野の実家にいる両親に、
これ、私が作ってるんだ、便利でしょ?
って話せたらいいな。
田舎の生活が少しでも便利になればいいな。
そんなことを考えていました。

そんな矢先、転職先のオンライン医療相談のプロジェクトへのお誘いをいただいただき、
やりがいにつながるものだと確信することができました。

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これは私の主観が大きいですが、
転職に限らず、人生において重要なことを決めるときに感じることはあるのではないでしょうか。

今回、半年近く転職活動をやってきて、
たくさんのお祈りメールをもらって、
それでも続けたけれど、
正直疲れてしまったし、
今回の転職先の先行で一区切りとしよう、
そんなふうに考えてました。

だけど、その最後のタイミングで先行を続けていた
転職先含む2社から内定をいたたくことがてきたんです。

そのほかにも、
絶え間なく降ってくるプロジェクトのリリースが
ちょうど同時に終わる目処がついたとか、
そんなタイミングが重なって
腰が軽くなるタイミングだったんです。


最後に

「ベンチャーか、大企業か」
そんなことをググると、いろんな答えが出てきます。

「迷っている時点で現状にとどまったほうがいい」
「迷っているなら辛いほうを選べ」
「大企業で活躍できた人がベンチャー企業でも活躍できるとは限らない」
「人が働く年数より、企業の寿命のほうが短いのだから転職は経験すべき」

情報量が多すぎて、人知れずブチ切れたこともありました。

たくさんの情報に振り回されながら、
初めての転職活動をしてわかったことは、
正解は自分で決めるもの」ということと
過去の誤りを認める潔さが必要」ということ。

たぶん、今回の選択はきっといわゆる”普通”ではなかったと思うんです。

なぜなら、大企業に勤めていて、給与も申し分なく、
やりがいもそこそこに感じて、
理解ある上司に恵まれ、優しい同僚もまわりにたくさんいる。
きっと、現職とどまったとしても、真面目に素直に業務にあたっていれば
着実に力をつけられただろう、とも思います。

転職してから感じるギャップを差し引いたら、
リスクを取りすぎているくらいでしょう。

でも。
それでも、
残業時間がとんでもなく多い月にだって
必死に転職活動を続けた理由は
どこかなにかに納得がいっていなかったからだと思うんです。

その納得できない、というのは
不安として随所で明らかになったのだけど、
私のなかでは「まぁ、このくらいはしょうがない」
と、割り切れるものではなくて、
実際に自分自身をその場においてみて
初めて納得できるのだろう、と。
経験しないと、納得できない性格だし、
納得して初めて何を正解とするのか、という情報が揃うのだとも思うのです。

たぶん、私は不器用だから、
現職の環境や人間関係がどれだけ恵まれていてのか、
失ってはじめてその大切さがわかるんだと思うんです。

まだ、新しい会社での業務がはじまってもないけれど、
きっとすごく恵まれていたんだろうな、と思うし、
もしかしたら、ものすごく後悔する日がくるのかもしれない。と不安もあります。

だけど、そんな後悔も跳ね飛ばすくらいがむしゃらにがんばるしかないし、
それでも「思っていたのと違った」と思えば
素直に過去の選択は誤りだったと認め、
また、軌道修正していけばいい。

その潔さがあれば、きっと後悔はしないはずだと信じて。

おまけ〜思い残すことはある?〜

思い残すことがなくなってから転職すべき。

こんなことを思う人は多いんではないでしょうか。

でも、そんなことなかなかできないのも現実。
大きな不満がない転職の場合は特に。
だからと言って、そのときをまっていたら、私の年齢はますばかりで、
世の中の景気も日々刻々と変化してしまうし。

だから、私は思い残すことはあるけれど、転職を決断した、
というパターンなんだと思います。

特に、人間関係にはとても恵まれていたので、
転職を決断するときにはとても悩みました。

でも、最終出社日を終えて、思うのは、
転職後も関係を持ちたい人とは、会社の枠を超えて
ちゃんと繋がれるし、新たな関係性を築くこともできるということです。

もちろん全員とはいきませんが、
私の想像を超えて多くの人と関係性を再構築できそうな気がしています。

最終出社日を終えて思うことは
最後の最後まで、
温かい言葉をかけてくれる人が多くて、
ほんとにありがとう、ということと、寂しい!ということ。
この、記事を書きながら幾度となく号泣しました。
いただいた言葉はリップサービスだろうと、なんだろうと、
言葉のまま素直に受け取っちゃうのでなおさらです。

ほんとうに優しくて尊敬できる上司と同僚に恵まれました。
ありがとうございます。

あー、あの空間が好きだったなぁ…

だけど、今度は居心地がいいな、
と思ってもらえる空間を
今度は私が作り出せるように。
成長したいな、と思います。

iPadの購入費用として使わせていただきます(経年劣化によりハードディスクを外出ししたノートパソコンで作業をしていますので…)