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読書記録

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記事一覧

読書記録「伝わっているか?/小西利行」

読書記録「伝わっているか?/小西利行」

タイトルは「伝わっているか?」とシンプル。
だけど、表紙の目つきの悪いイルカと掛け合わせて、記憶に残る表紙。
帯が波を模しているのもイルカの可愛さをアップさせています。

さて、自分の言いたいことって
伝えたい相手にちゃんと伝わっているんだろうか?

“伝える”を“伝わる”にするために、
何を考えるべきか、そのメソッドが物語の形式で書かれています。

例えば、

会社一の美人と合コンするには?

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読書記録「さよならドビュッシー前奏曲/中山七里」

読書記録「さよならドビュッシー前奏曲/中山七里」

「さよならドビュッシー」の前日譚となる「さよならドビュッシー前奏曲」を読みました。

副題が「要介護探偵の事件簿」である。
本作は「さよならドビュッシー」にて、早々に退場してしまうがインパクト強めなおじいちゃん・香月玄太郎が主人公。
気性が荒く人への罵倒も多いので、読んでいて、おいおい…と思うシーンも1回や2回じゃない。でも、嫌いになれない。誠意ある者にはものすごく誠意を持っているところが好感なの

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読書記録「いつまでもショパン」

「さよならドビュッシー」から続く『岬洋介シリーズ』の3作目にあたるのが「いつまでもショパン」です。

物語は世界規模へ。

今までの「さよならドビュッシー」や「おやすみラフマニノフ」は舞台が日本なので、ピアノ曲が分からなくても物語が分かるだろうと安心していた。

今作は日本を飛び出る。
舞台はポーランド!

今まで、日本を飛び出た推理小説って読んだことがなかった。
シリーズなのでとりあえず手に取っ

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読書記録「おやすみラフマニノフ/中山七里」

読書記録「おやすみラフマニノフ/中山七里」

「さよならドビュッシー」から続く『岬洋介シリーズ』を読み進めています。

今回はシリーズ2作目
「おやすみラフマニノフ」。

このシリーズのタイトルも好きです。
各作品のタイトルに「○○シリーズ」と入っていないのに、シリーズだと分かる。
そして決して強引に付けられたようなタイトルではなく、
読んだ後に意味が分かるタイトルセンス。たまらん。

主人公はお金の苦労をしながらヴァイオリンを弾く音大生・晶

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読書記録「最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法/中村禎」

コピーライター本をたくさん買い込んだ。
コピー講座中に読み切るぞ!

まずは1冊目。
コピーの考え方にも触れていますが、
タイトルの通り「言葉を選ぶには?」に注目した本。

目次はこんな感じ。

キャッチコピーやボディコピーなど
広告コピー全体について、考え方が提示されている。
特に、第2章では「学ぶ」そのものについて、
作者の考えが記されていた。

広告の事例が用いて説明されるのではなく、
デパ

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読書記録「すぐ動けない人のための時間割仕事術/藤井孝一」

読書記録「すぐ動けない人のための時間割仕事術/藤井孝一」

無職です。

平日の昼間、太陽の高さに驚きながら
ダラダラしてしまうことに罪悪感が芽生える。

でも、後から思い出せないようなことばかり
SNSをみてしまう!

現代のありがたさ、そして増幅する罪悪感。

どうにかパキパキ動けんものかと
悩んでいたところ、気になる背表紙を発見。

時間割?

理想の1日を時間割として作成する。
学生の頃のような、時間割を作って
生活してみるというもの。

確かに、

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読書記録「モノマネ芸人、死体を埋める/藤崎翔」

タイトル買いしたミステリー小説。
コミカルな感じかな〜と手に取ったけど、
伏線や謎解きはピシッと決まっていた。
芸人舞台裏のフフフな要素があるので、
普段ミステリーを読まない人でも
読みやすそうな物語だった。

あらすじ

名投手・竹下のモノマネ1本で
生計を立てている"マネ下"が主人公。
竹下本人にも気に入られ順風満帆だったが、
竹下から「人を殺してしまった」と連絡が入る。
竹下が逮捕されてしま

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読書記録「連続殺人鬼カエル男/中山七里」

久しぶりに読んだタイプのミステリーだった。
サイコ連続殺人鬼を追う警察が主人公の物語。

とある市で凄惨な殺人事件が起こる。
さらに現場には、幼子が書いたような
カエルを弄ぶような不気味な手紙が残されている。
そしてそれは、連続殺人として、市民を恐怖に陥れる――。

久々に「殺すこと」に焦点を当てたミステリー小説を読んだ。
被害者が生きている姿から書かれるので、
死までが想像できて、嫌になる……。

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読書記録「ヒポクラテスの誓い/中山七里」

映画化した「護られなかった者たちへ」などで
有名な中山七里先生による法医学ミステリー小説。
法医学では、亡くなった方を解剖することで、
その死因をはっきりさせる。

なぜ生きている人のことだけじゃなく、
亡くなった人の死因を追求することが、
大事なんだろう。
主人公と同じ気持ちで、法医学の意義を知っていく。
研修医である主人公・真が法医学室で研修を行うことになる。

法医学とは? 
法医学はなぜ必

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11月に読んだ本とか

11月に読んだ本とか

いつもは好きなポイントを書き出して、
1冊に1記事を挙げていたのですが、
バタバタしているので簡易ながら印象に残ったところを書き出します。

あなたが誰かを殺した/東野圭吾

加賀恭一郎シリーズ。
父親が東野圭吾ファンなので、
新作は毎回読んでいる。
でも、最近あんまり好みな作品じゃないなあ、
と思ってしまってた。

これは個人的には久々ヒットな小説だった。
「クスノキの番人」以来の私的に好きな

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読書記録「名前探しの放課後」

タイトルが既に謎っぽい、気になる言葉「名前探しの放課後」。
文庫本で上下巻なので、かなり長い小説だけど、
読後の充実感がやっぱり他では味わえない。
やっぱり辻村深月さんの小説が大好きだ〜。

主人公は三ヶ月前の世界に戻ってきた高校生・いつか。
年が明けたはずだったのに、昨年に戻っていることに気づく。
いつかが覚えているのは、昨年末に同級生が自殺したこと。
自分が三ヶ月前に戻ってきたのは、その同級生

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読書記録「さよならドビュッシー」

読書記録「さよならドビュッシー」

「贖罪のソナタ」の解説に、本書のことが書かれていた。
ピアノによる音楽療法について、この作品でも取り上げられているらしい。
中山七里先生の処女作でこのミス大賞受賞作。
それは読むっきゃない!

スポ根ピアノ小説×ミステリー!
物語の鮮やかな展開を楽しむためには、あらすじもなしで読んじゃった方がいいと思う。
けれどこの読書記録は自分の備忘録でもあるので、ネタバレにならない程度にあらすじを載せておく。

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読書記録「嘘つきな六人の大学生」

読書記録「嘘つきな六人の大学生」

嘘つきな大学生、と言われれば就活を思い出す。
就活時代に嘘を吐かなかった人なんていないんじゃない?

文庫本の表紙には履歴書に貼る証明写真のような六人の顔。
私も髪を黒く染めてひとつ結びにして、規格化された姿で就活をしていたなと思いながら本を購入した。
広告などで「自分らしく就活しよう」なんて言われるようになったけど、枠にハマっている方が落とされずに済むのは、今も変わらないのでしょうな。

人気の

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読書記録「私、誰の人生もうらやましくないわ。」

読書記録「私、誰の人生もうらやましくないわ。」

「あした、なに着て生きていく?」で有名なコピーライターの児島令子さんのコピー集め本。
詩でもなく、小説でもなく、ちょうど心に入り込む言葉たち。
広告という制限の中で、相手へ届けるための言葉は無駄が省かれている。

コピーをじっくり味わえる本は珍しい気がする。
何冊か広告コピーの本を持っているが、解説込みで楽しむことが多い。
また、そのときのポスターも載っていることが多くビジュアル含め広告コピーを楽

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