「算数が嫌い」という思考が、生きやすい場所を教えてくれた
歳の離れた小学生の妹が「算数が1番好き!答えが一個だからわかりやすい」と言っていた。
私は昔から今日まで理系科目がほぼ全て嫌いなので、私とは違う感覚を持っているのね、と感心した。
答えがひとつでわかりやすい。
確かに。言いたいことはわかる。
ただ私はその意見を噛み砕くほどに、好きじゃないな、って思う。
私は、答えがたくさんあるものが好きだ。
公式を覚えられないとかもあったけれど、それより何より私に多かったのは途中式で間違えてしまうことだった。
解き方を知っているのに間違えてしまう。なんとなくわかっているけどミスっちゃった。みたいな。
時間をかけて導き出した自分なりの答えに大きく❌をつけられているのは何とも悲しかったし、普通に不満だった。
いやいや、頑張ったんだからいいじゃん。
私にとっては正解だったんですけど?
てかこれだって、考え方によっちゃ合ってるかもよ?
そもそも1+1だって、2じゃないこともあるかもしれないじゃん!
みたいな、どう考えても屁理屈で間違いを指摘されたことに対する負け惜しみでしかないのだけど
とにかく答えが1つでそれ以外ダメ!というのがなんか無理だった。
その逆で、音楽や美術は得意だった。
何をしたってそれなりに褒めてもらえた。間違えたとしても、そういうのもいいね!って思えるのも良かった。
国語や英語の語学系も、少しばかり言い方をアレンジしても内容さえ合ってれば○!みたいなゆるさがあって好きだった。
答えは一つじゃなくて、まあそんな感じでOK!
悪くないから良い!
そういうのも良いし、こういうのも良い!
そういう1か100に振ったものじゃなくて、
曖昧でどこまでも広がっていて、あちこちに正解があるようなものが好きだった。そして私に合っていると、薄々気付いていたのだと思う。
今はデザインの仕事をしている。
デザインの世界は本当に広くて、答えがたくさんあって、正解が人によって違う。
それを面白いと思っている自分と同じように、そのことに理解と楽しさを感じている人たちが沢山いる世界で働けていることはとても心地よい。
妹が私のいる世界に来たら、きっとさぞかしイライラしてしょうがないだろう。
もちろん答えがひとつだということに面白さと考えやすさを感じるのは、正解の一つだ。
そういう世界で、その思考を活かせる仕事に就くと良いと思う。
なんの科目が好きか?
どんな考え方が性に合うか?
小学生だからって甘く見ないで、その感覚を大切に持って考えて欲しい。
これから生きていく場所の指標にしたら良いと思うし、
それぞれの人が生きやすいところで生きるためのヒントになるかも。なんて思った。
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