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成果を出し続けるための”集中力の高め方”とは

こんにちは、独立して3年目の経営コンサルティング、顧問業をやっている松本です。

新卒でコンサルティング会社に入社し、マネージャーを経て、ベンチャー企業にジョイン。役員として数年経営全般に関わり、退任後に複数のベンチャー企業の取締役、アドバイザーをやっています。

経営や投資を通じての日々の学び、気付きや自分の頭で考えたことをnoteにまとめていきます。

◎ はじめに

今まで読んだ本の中で感銘を受けた言葉があります。稲盛 和夫著の『六つの精進』の中で提唱されていた”誰にも負けない努力”という言葉です。

『六つの精進』で稲盛氏は、人生や仕事において、重要となる六つの実践項目(努力・謙虚・反省・感謝・善行・感性)があり、これを毎日連綿と実践し続けていけば、やがてすばらしい人生が開けていく、と仰っています。

その六つの実践項目の一つが、”誰にも負けない努力”であり、より充実した人生を生きていこうとするならば、人一倍努力を払い、仕事に一生懸命打ち込まなければならない、と解説されています。

普段、私もnoteではビジネスにおける成果を出すための仕事に対する考え方やノウハウ・スキルについてご紹介していますが、”この誰にも負けない努力”もこれからの時代において、大事な考え方、スタンスになってくると考えています。

とはいえ、この言葉通りに受け止めては、気合いや根性論で終わってしまうため、”誰にも負けない努力”について、構造的に、具体的にこれから解説していきます。ここでポイントとなるのがタイトルにある”集中力”です。前振りがちょっと長くなりますが、お付き合いください。

まずはじめに、”誰にも負けない努力”を因数分解すると以下の数式で表現することができます。

・誰にも負けない努力 = ①努力の正しい方向 × ②努力の量

①の努力の方向については、向かうべきゴールを設定し、ゴールまでの最適な道筋、アプローチ方法だと理解してください。この方法論に関しては、以前noteで紹介した論点、仮説思考について参考にしてもらえると幸いです。

次に、②の努力の量をさらに因数分解すると以下で表現できます。

・②努力の量 = ③時間の総量 × ④時間の密度

簡単に説明すると、③時間の総量とは。実際にどれくらいの時間を投下できるか、どれだけの可処分時間を捻出できるか、です。

また、④時間の密度とは、限られた時間の中でどれだけ高いパフォーマンスを発揮できるか、という時間あたりの生産性について指しています。

③時間の総量には限界があり、先ほどの話でも挙がっていた気合いや根性論に近い意味合いになります。体力のある若いうちは、多少の無理や徹夜で乗り切れますが、体力にも衰えや限界があり、長い人生を通じて高いパフォーマンスを維持するためには④時間の密度を意識しながら自己研鑽していく必要があります。

そして、今回のnoteでは”時間の密度”=”集中力”に焦点を当て、集中力はなぜ低下して、どうすれば集中力が高まるのかをテーマにお話していきたいと思います。

● 時間の密度で差をつけるには
・時間の密度を上げるとは、集中力を高めること
・集中力とは”ある物事に向ける意識””注意を持続させる力”
・集中できる時間は1日に4時間が限度
・高い集中力を維持するために1日の意思決定回数を減らす
死生観を持つと高い集中力を発揮できる
● 集中力を高める上での取り組み
 A / 環境設定
  1 / スマホを近くに置かない
  2 / 作業用PCとコミュニケーション用PCを分ける
  3 / Solo-workのすすめ
 B / デスク環境
  1 / ハーマンミラー・アーロンチェア
  2 / ソニーヘッドホンWH-1000XM4
  3 / デスクライト Tao Tronics LED   
 C / ルール設定
  1 / 決まった時間に起きる
  2 / 25分の作業ごとに5分の休憩
  3 / 作業の終わりの時間を決める
  4 / 20時以降はパソコンやスマホを見ない
  5 / 睡眠タイムと睡眠時間をコントロールする

◎ 時間の密度について

先ほども述べたように、時間の密度とは集中力と置き換えて考えることができます。密度とは、時間の質であり、凝縮された濃密な時間。インプットする時間やアウトプットする時間、これら双方の生産性を高めるには、この時間の密度を高める(=集中力を高める)必要があり、その結果高いパフォーマンスを発揮することができます。

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『まずは質より圧倒的な量をこなすこと!』『仕事の質は後から付いてくる!』という上司や先輩社員からの教えや仕事に対するスタンスは、体力があって、多少無理がきく20代であれば適合する考えだと思いますが、どこまでいっても総量で質をカバーする姿勢では、限界がきてしまい、体力が続かなければ成長が鈍化してしまいます。時間的制約の中で、高いパフォーマンスや成果を出すために重要な要素となるのが”集中力の向上になります。

余談になりますが、これからの働き方として、高度成長期から続く労働時間やマンパワーで成果を出す『体格』で勝負するのではなく、時間の密度や成果の質といった『体質』で競争していく時代にシフトしていく必要があります。

◎ 集中力とは何か?集中力を削ぐ原因とは?

まず、言葉としての集中力の定義は『ある物事に向ける意識や注意を持続させることのできる力』(広辞苑)です。

・ある物事に向ける意識
・注意を持続させる力

この言葉だけで認識すると気合いや根性といった精神論と思われがちですが、後ほど詳しく話しますが集中力とは、やる気や根性以上に、環境やルールによって形成され、高めることができます。

このnoteを読んでいただいている皆様の中にも、以下のような経験はあるのではないでしょうか?

・ついスマホを手にとってしまい集中力が分散する
・一日に短時間しか集中力が持続できない
・やる気が起きない、集中力にバラつきがある

これらの原因は、気合いや根性で解決できる問題ではなく、集中力を発揮できる環境設定やルール作りで解決できる問題です。次章では集中力を妨げる行為と習慣について説明していきます。

◎ 集中力に悪影響する行為と習慣

集中力がある状態とない状態とでは、明らかに業務や成果に大きく影響が出てきます。例えば、1時間でできてしまうことも、集中力の低下によって、2〜3時間かかってしまうこともあります。また、高い集中力を発揮できるのは1日のうちに4時間が限界で、さらに一度に集中できる時間の限界は30分・45・90分とも言われております。諸説あるのでここは割愛します。

にもかかわらず、私たちの周りには集中力を妨げる様々な障壁が存在します。しかも、それは自然発生して私たちを阻んでくるものではなく、自らの習慣づけや、意思の弱さからくるものがほとんどであり、不可避ではないことが多いです。

有名な話になりますが、Apple創業者のスティーブ・ジョブズは、決断するエネルギーを節約するために、同じ種類の服を毎日着て、服を選ぶ決断回数を無くしています。これは人は1日に35,000回の意思決定しているため、『意志決定疲れ』からの回避策だといえます。集中力を持続するためには、人の話し声、騒音、スマホの通知などの外部環境によって邪魔される以外にも行動習慣による対策も必要になってきます。

日々生活する上での意思決定における脳の疲労が、スポットで発揮されるべき集中力の低下を招いて、仕事のパフォーマンスや成果を著しく低下させてしまう恐れがあります。まさに現代の情報化社会の中では、息をするように情報と触れ、物事に対して意思決定する場が増えていることもあり、『意思決定疲れ』も加速していると言えます。

最後に『死生観』を持つことで時間の密度=集中力を高める考え方について話します。先ほどジョブズの例を出しましたので、合わせてお話させていただくと、彼がスタンフォード大学の卒業式で話した内容の中に有名な言葉があります。

『もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?』

耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれませんが、これは死を意識することによって、自分が享受している時間の価値や重みを認識することに繋がります。

今、この瞬間から死を意識しながら生きなさい、と言われても難易度は高いと思います。具体の数字に落とし込んだ方が認識しやすいかもしれません。例えば、『あと30年しか生きられません。』と宣告されたとしても、時間に直すと262,800時間と、一見途方もないもののように感じられます。

ただ、これが『あと1日しか生きられない』と宣告されたときは勿論残された時間は24時間。先ほどの30年と言われた際と同様の一日を過ごすでしょうか?本当にやりたいこと、やるべきことに目を向け、一秒一秒の時間価値を高めようとするのではないでしょうか?すぐにこの意識をもって死生観を持って生きてゆくには難しいですが、今生きているこの瞬間に意識を最大限に集中させ、一瞬一瞬を真剣に生きることが出来れば、より実のある、充実した人生が送れると考えています。

◎ 集中力を高める上での取り組み

先ほどは精神的な話になりましたが、最後に、具体的な集中力を向上させる環境設定、デスク環境、ルール作りについてご紹介していきたいと思います。始められそうなところから徐々に取り入れてもらえると幸いです。

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A / 環境設定

1 / スマホを近くに置かない
友人、知人からのLINEメッセージや直ぐに対応してくてもよい仕事のメールを都度確認や対応していては、集中力が発散する原因になります。そのため、スマホを集中するスペースから物理的に距離を遠ざけておくことをおすすめします。

2 / 作業用PCとコミュニケーション用PCを分ける
これはマルチタスク状態に陥ることを防ぐための環境作りになります。マルチタスクは一件多くのことを同時に処理できているように聞こえますが、実際には同時処理は不可能且つ気持ちの切り替えが難しく、シングルタスクに落とし込んで一気にやってしまった方が作業効率が良いです。

そのため、資料作成や企画、編集業務など作業に没頭できるPC用とメールやチャットなどのコミュニケーションを取るPC用に分けることで、シングルタスクに集中できる環境と他の仕事の誘惑を断つ仕組みとしておすすめします。

3 / Solo-workのすすめ (一人作業、他人から話しかけられない環境作り)
オフィスでの仕事環境と比較して、自宅やカフェで仕事をすると集中を遮断する、される機会が圧倒的に少ないため、生産性が高くなります。もちろん自宅やカフェにおいても最低限の環境を整える必要はありますが、他人から話しかけられたり、客先までの道のりや移動時間を意識する機会や電車の待ちや会議前の隙間時間などのロスが激減します。

そのため、周囲からの音が気にならない個室で集中できるSolo-work環境を見つけることをおすすめします。

B / デスク環境

1 / ハーマンミラー・アーロンチェア

アーロンチェアは非常に高額ですが、椅子に座る時間は仕事中の大部分を占めます。私の場合、PCに1日8時間以上向かっており、同時に椅子にも8時間程度座っているため、腰痛の原因や姿勢が悪くなることで、集中力の低下に繋がります。

そのため、自分にマッチした椅子を選定して、高額であっても費用対効果の視点で購入決定をするようにしています。また、オフィスと自宅の椅子を統一することで、いつでも集中できる環境、慣れた環境で取り組めるように工夫しています。

2 / ソニーヘッドホンWH-1000XM4

同様に高額のヘッドホンになりますが、WH-1000XM4の魅力はノイズキャンセリング機能になります。周囲の乗り物の騒音や室内の空調音など外部の環境ノイズと逆位相の音を出すことでノイズを低減してくれる機能で、他への注意を減らし、対象物だけに意識を集中させてくれます。

3 / デスクライト Tao Tronics LED

自然光に「限りなく近い」LEDライトで、目に優しく、照射面も広く、色温度や明るさが簡単に調整できる非常に優れた商品です。

特に、色温度で以下4つのモードを使い分けできる点がおすすめです。
・スタディモード:勉強の集中を促す。明るい、クールホワイトの色。
・読書モード:長時間の読書でも疲れにくい、自然光の色。
・リラックスモード:疲れを癒す。ほっとする黄色。
・スリープモード:就寝時に向いている。暖かい黄色。

C / ルール作り

ルール設定は、私が実際に試して有効的だったものを厳選したものを挙げていますので、実践できそうなものをピックしてみてください。

1 / 決まった時間に起きる
脳は機械ではないため、24時間同じ性能を発揮できないです。そのため、朝6時なら6時と決めて、生活のリズムを一定にする努力や朝はインプットする時間、午後からはアウトプットする時間など活動する周期を決めて、繰り返すことが高い集中力を維持する上で大切です。

2 / 25分の作業ごとに5分の休憩

これはポモドーロ・テクニックと呼ばれ、25分の作業と5分の休憩を繰り返することで高い集中力を発揮できるメソッドです。また、集中すると疲れますが、こまめに休憩を取ることで回復し、このサイクルを繰り返すことで、一日を通じて集中力の高い状態を維持することができます。まだやれるぞ、もうちょっとやりたいといったタイミングで、一旦休憩を入れることをおすすめします。

3 /
作業の終わりの時間を決める
脳の基本回転数や集中力を上げるには、時間の制約が必要になってきます。例えば、センター試験や大学の入手試験を体験された方であれば、時間の制約が高い集中力に影響していることが理解できると思います。そのため、『試験を受けている状態を1日に何回作れるか?』が大事です。
また、終わりやゴールを決めずにとにかく走るのはすぐにバテます。制約をつけることで最もやらないといけないことが明確になり、そこに一点集中できるようになります。

4 / 20時以降はパソコンやスマホを見ない
スマホ、パソコン、テレビから発せられる光によって、『いまはまだ活動の時間だ!』と脳が「昼間だ」と錯覚してしまい、眠りを誘い、維持してくれるメラトニンというホルモンの分量が抑制されます。その結果、眠りが浅いなどの睡眠障害を引き起こしやすくなり、昼間の集中力の低下につながってきます。

5 /
睡眠タイムと睡眠時間をコントロールする
睡眠中には成長ホルモンが分泌されて、この成長ホルモンには、記憶力・集中力と意欲を高める機能があります。22時から深夜2時の間がホルモンの最も分泌量が多くこの時間帯に寝ることが睡眠の質を高め、6〜7時間の睡眠時間を確保することが、翌日の集中力を高めます。

◎ まとめ

いかがでしたでしょうか?今回紹介した記事の内容を、箇条書きにしてまとめました。

● 誰にも負けない努力の因数分解
・誰にも負けない努力 = ①努力の正しい方向 × ②努力の量
・②努力の量 = ③時間の総量 × ④時間の密度
● 時間の密度で差をつけるには
・時間の密度を上げるとは、集中力を高めること
・集中力とは”ある物事に向ける意識”と”注意を持続させる力”
・集中できる時間は1日に4時間が限度
・高い集中力を維持するために1日の意思決定回数を減らす
・死生観を持つと高い集中力を発揮できる
● 集中力を高める上での取り組み
 A / 環境設定
  1 / スマホを近くに置かない
  2 / 作業用PCとコミュニケーション用PCを分ける
  3 / Solo-workのすすめ
 B / デスク環境
  1 / ハーマンミラー・アーロンチェア
  2 / ソニーヘッドホンWH-1000XM4
  3 / デスクライト Tao Tronics LED   
 C / ルール設定
  1 / 決まった時間に起きる
  2 / 25分の作業ごとに5分の休憩
  3 / 作業の終わりの時間を決める
  4 / 20時以降はパソコンやスマホを見ない
  5 / 睡眠タイムと睡眠時間をコントロールする

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