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煮豚で煮汁ロスを考える。

煮豚をこしらえた。
玉葱、厚揚げ、煮卵、を一緒に煮て、色味にほうれん草を添え、仕上げに水辛子をちょっと。

肉はホロホロで、玉葱は甘く柔らかく、厚揚げは煮汁をよく吸い、卵はしっかり火入れで美味く、、、
肉は控えめの量でも満足感があった。


煮物が大好きなんですが
煮汁が余るのが悩みでして
今回は煮汁ロスについて。


・煮汁が余る理由

塩気が濃いから
癖が強いから
お皿に一緒に盛るから

ここらへんかな。
致し方ないと思ってきた。

実際に和食屋で仕事をしていた時は、かなりの量の煮汁を捨ててました。

毎回、もったいないなぁ……と思いつつもかなりの量だったので賄いでも使い切れず、安全面を考えると廃棄しかなくて、、、

今回の煮汁ロス削減ポイントの前に、まずは


・俺の煮豚の作り方を。

肉をしっかり焼いて脂を落とし、砂糖、酒、みりん、醤油で煮る。
香りづけでネギ、生姜、ニンニクなどをいれ
味の〆で唐辛子を少し入れる。

3~5時間くらい煮る事でホロホロになるが、時間無い時は圧力なべでも可。

仕上げに、みりんと醤油で調整。
甘さは、砂糖、みりん、蜂蜜などを重ねると味に深みが出る。

しっかり焼き目を付けてから煮るのが大切。
煮ると焼き目はかなり薄くなる。


さ、本題の煮汁ロスについて。


・出汁ベースの煮汁にして飲めるように

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まずはここから。
肉類を煮る時は、肉から旨味が出るので鰹出汁などを使わない事が多いのですが、今回は使います。

理由は、飲みやすいから。

豚の出汁も美味いんだけど、豚だけだと癖が強くて飲みにくい。

今回は鰹をベースに仕立てたが、理由としてはお椀物として飲み慣れた味だから。
鰹節独特の薫香と旨味は肉の臭みを上手く混ざりサッパリ美味くする。


んで、飲みやすさって面でもう一つ大切なのが【味の濃さ
今回はかなり煮詰めるのだが、煮詰まった時に美味しいような味付けにする事。

最初は薄いと思うけど、心配無用。
濃く煮込まなくても美味しくします。


・あっさりの具、しっかりの具。

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炊き合わせという料理をご存じでしょうか?

お節や料亭で出てくるんですけど
様々な具材を、それぞれ別の鍋、出汁、味付けで炊いて、盛り合わせるという大変に手間のかかった物です。

家庭ではそんな手間かけてられないですよね。
だから煮込み始める時間を変えて対応してるのが普通だと思います。

でも今回は、取り出す時間を変えるというやり方を紹介しますね。


今回の具材は、肉、玉葱、厚揚げ、煮卵、ホウレン草、です。
ホウレン草は、別の鍋で茹でてから添えたので置いといて、、

炊き始めのタイミングは、全部一緒でOKです。
(圧力なべを使う場合は肉だけ先に柔らかくしてね)

んで、あっさり味のついた煮汁に、全部入れて弱火で煮る。
透き通ってきたら玉ねぎを取り出す。
玉ねぎは濃い味で煮ない方が甘さや旨さが引き立つし、崩れやすいからね。

んで、次は肉を取り出して冷ましてからカットする。
熱い状態で切ると肉汁でちゃうし、崩れやすいからね。

そこまでいったら他の具は崩れにくいし、味を染み込ませたいから火を強めて煮詰める。
取り出した具は盛る前に煮汁をかけるなり、レンチンなりで温めなおす。
(煮汁に戻すと崩れややすいので気を付けて)

・とろみをつける事で具にする。

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肉と玉葱を取り出したので、煮詰める。
が、煮詰め過ぎない事が大切。
お吸い物くらいの味になったら、水溶き片栗でにする。

餡ってのは、硬さにもよるけど、具にしっかり絡むので、ロスになりにくい。
また、吸い物程度の濃さにしているので、餡をたっぷり絡めて食べるのが美味しいのだ。

肉や玉葱はアッサリ目に炊いてあるので、餡を絡めてちょうどいいし、その味の濃淡を楽しめる。


・拭いとるほうれん草。

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餡にしたといっても、食べきるのは至難の技。

そこで、援軍となるのがほうれん草

ほうれん草は、彩りの為だけでなく、口直し、食感、栄養価などなどいい仕事をしてくれるんです。

そして何よりも、塩茹でしただけだから、味は薄く、しかも、餡を拭き取って食える。

フレンチやイタリアンで料理のソースをパンで拭うようにやってあげればいい。

もし、それでも余るようなら、ご飯を突っ込んでやればいい。

下品?残す方が下品だと思うけどなぁ。。。

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・それでも余ってしまったら

時間や手間をそこまでかけられなかったり、鍋のサイズや材料によっては煮汁が余る事は致し方ないです。

そんな時は、もっと煮詰めてしまいましょう。

アナゴ寿司のツメって分かります?
あの甘辛いタレ。

あれは穴子の煮汁を使ってるんです。
煮詰めの詰めがツメなんです。

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ツメにして冷蔵or冷凍すると、かなりの期間持つし、水や出汁で伸ばして煮物作れば美味いし、いい事が多いです。

チャーハンの隠し味にしたり、スープの味付けに使ったり、照り焼きソースにしたり、何かと便利ですよ!!


・おわりに。

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煮汁ロスは、前からずっと悩んでいた。
煮汁に栄養が多かったり、手間かけて出汁引いてる訳だし、環境に悪いし、どうにかしたいと思っていた。

これに類似した問題で、ラーメンスープ、そばつゆ、鍋つゆ、なんかが出てくるけど
そこもまた掘り下げていきたい。


そば湯“のようなやり方で、色んなもったいないを減らしていきたいな。

身近なとこのロスを、見直して考えてみては?
当たり前に捨ててるの、実は使えるかも??

いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。