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高卒でもたった1つの能力を身につければ大卒の仕事に就けるし、キャリアは無限大ということ

「高卒と大卒は、何が違うのか?」

高卒で18歳で働いたとき、僕はそんな疑問を抱えながら、悶々と工場で働いた。

最初の配属先は、95%以上が高卒者しかいない現場での力仕事だった。

残りの3%は中卒。

最後の2%の大卒は現場1年ほど経験したら、本社や別の部署に異動するような職場だった。

僕は毎日のように200kgのドラム缶を転がしてみたり、20kgのセメント袋を担いだ。

それが僕の仕事だった。

「早くブルーカラーの現場仕事から脱出したい…」

そんな願望とは裏腹に、現実は無情にもブルーカラーの現場仕事の毎日だった。

それから月日が経ち、現在の僕は生産技術エンジニアとして、院卒と学部卒が90%を占める職場で働いている。

僕の上司は東工大と東大卒の管理職だし、職場で働く大卒以上はみんな旧帝大卒の人たちばかりだ。

「学歴がないから…」と諦める高卒の若い人に、もっと自信をもってほしい。

学歴は関係ないから。

同じように工場で働く高卒の若い、

特に20代前半の人のために今日は記事を書く。

僕の実体験に基づき、”高卒でも手段は違えど大卒の仕事に就けるし、キャリアは無限大ということ”について話をしたい。

高卒と大卒の違いとは?


高卒と大卒の違いとは何だろうか。

大卒はホワイトカラーと呼ばれる、スーツを着て働く頭脳労働がメインだと考え、

高卒はブルーカラーと呼ばれる製造業や建設業、林業、漁業などの生産現場で肉体労働をする仕事が多いと考える人も多い。

高度な知識を要するような研究職や学者は、最低でも大卒、多くが院卒が必須条件となっている。

この仕事に就くには、普通の高卒では難しいだろう。

だが、高卒でもその道に精通した「超高卒」の域にゆけば、学歴など関係なくなる。

魚類学者の「さかなクン」を知っているだろうか?

ギョギョッ。

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さかなくん
彼は高卒だ。

高卒だけども、彼の肩書は「国立大学法人 東京海洋大学名誉博士/客員准教授」である。

高卒なのに、大学で大学生に教鞭をとっているのだ。

つまり、一つの技術を極めていくような「さかなクン」のようなキャリア形成を例に捉えると、高卒のほうが大卒よりも早くその道に入れる分、早い段階で経験値を獲得することができ、優位なこともある。

寿司職人がいい例だ。

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寿司職人のほとんどは、高卒か中卒だ。

義務教育を修了してから親方のところに弟子入りし、「飯炊き3年、握り8年」と修行を積んでいくのだ。

いわゆる、丁稚奉公というやつだ。

寿司職人は学歴不問ということになる。

むしろ大卒より早く修行を開始した高卒は、大卒が弟子入りした時には「握りの2年目」というキャリアのアドバンテージを得れる。

ここまでの話を聞いてみて、いかがだろうか。

いちがいに「高卒は肉体労働のブルーカラー職しか就けない」という訳ではないし、

「むしろ高卒の方がよくね?」というキャリアの切り開き方を理解してもらえたら、僕は嬉しい。

高卒就職の詳細については、毎月2000人が読んでくれている、

高校を卒業して18歳で就職するとこんな感じに網羅的に書いたので、一読いただきたい。

「高卒だから」と学歴を言いわけにせず、

「自分がどんな職に就きたいのか」を考えてキャリアを積み重ねれば、

高卒だろうと大卒だろうと大差はないと僕は考える。

そして、高卒でも頑張る人を僕は応援したい。

そのために高卒で就職した場合の、身につけるべき能力について伝えたいことがある。

高卒が身につけるべき能力とは?


18歳から高卒でサラリーマンを8年キャリアを積んだ。

工場現場で力仕事を3年、その後は5年の頭脳労働のキャリアを積んだ。

このことについては、僕がはじめてキャリアカウンセリングを体験し、衝撃を受けたときの話で、どんなキャリアを歩んできたか説明した。興味がある方はぜひ。

さて、高卒が身につけるべき能力はたった1つだと、僕は考える。

おそらく、この能力を身につければ、自分の”思い通りのキャリア”とまではいかないが、”思うようなキャリア”にはなるだろう。

高卒が身につけるべき、たった1つの能力について説明する。

分からないことは人に説明できるまで理解する

「高卒は能力が低い」という偏見を持つ人がいる。

その多くは、「基礎学力がない=理解力がない」という色眼鏡を持っているからだ。

たとえば「相関係数rを求めよ」と言われ、

「?」となる高卒と、「習ったけど忘れちゃったなぁ」と理解しようとするのが大卒だと思いこんでいる。

悲しいことに、これは概ね正しい。

やはり高卒は勉強すること自体にアレルギー反応を起こす人が多いのだ。

僕自身、基礎学力がないものだから、知らないことが多すぎるというハンデを背負って働かざるえなかった。

頭脳労働に就いてから数年間は、毎日のように知恵熱が出た。

この問題を乗り越えた方法は、

”分からないことを理解しようという意識を持つ”ことだった。

この世のすべての学びにおいて、

”分からないことを理解する”という作業は万国共通だし、万物共通だ。

”分からないことを理解する”を検証するためには、

”理解したことが人に説明できるか”を確かめた。

学んだこと、理解したことを人に説明するのだ。

説明してみると、相手に理解されない部分は、自分が上手く理解できていない。

逆に人に理解してもらえたら、しっかり自分の中にインプットされている証拠だ。

理解できたことになる。

これは”ラー二ングピラミッド”と呼ばれる、効率的な学びの方法を研究した成果からも証明されている。

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近年はアクティブラーニングという教育方法で提唱されている根本の考えは、このラーニングピラミッドに基づいている。

人間が物事を学ぶ際の学習率を、方法ごとに分類した研究成果だ。

この成果によると、「人に教える・説明する」という学びの方法が、最も高い学習定着率を誇ることが証明されたのだ。

つまり、仕事で高卒が大卒と肩を並べるために身につける能力とは、

”人に教えたり・説明する(アウトプット)を前提とした理解をする(インプット)能力”ということだ。

先日、仕事を効率的に終わらせる人ほど、アウトプットを決めてからインプット量を決めるにも書いたが、学歴を覆す「仕事力」を高めるには、このたった1つの能力を身につければ充分だ。

この能力はどんな仕事でも汎用的に通用するがゆえ、習得にはかなりの鍛錬と修練が必要となる。

毎日毎日、学んだことを人に話したり、動画に録画して上手く話せているか確認したり、理解したことを文章に書き起こす作業を最低3年くらいはやる必要がある。

だが、3年の間、根気強く継続した”人に教えたり・説明する(アウトプット)を前提とした理解をする(インプット)能力”は、今後の人生でかけがいのない武器として身につけることができるのだ。

大卒がやる仕事は、高卒もできる


僕は先ほど話した能力を5年かけて徐々に伸ばした。

おそらく、明日から下っ端からスタートするどんな仕事でも、3年あればその仕事で一定の成果を出す自負がある。

というのも、”分からないことを理解する”ことは、ビジネスにおける問題解決の基本であり、どんな仕事でも重宝されるスキルだからだ。

・売上が上がらない

・利益が出ない

・経費が削れない

という問題を抱えている企業は多いはずだ。

そんなこと”どうでもいい”と思う人も多いが、

僕は”分からないことを理解する”スキルを持ちあわせているから、

このように考える。

・なぜ売上が上がらない?

→客単価が低い?

→ファンが少ない?(リピートがない)

→顧客回転率が悪いビジネス?

・なぜ利益が出ない?

→粗利益率は?

→売上に対する経費のバランスが悪い?

→利益を出すことが可能なビジネスなの?

・なぜ経費が削れない?

→変動費と固定費どちらが削れない?

→経費を削るために投資も全くできない?

→人件費を削るところまで手をつけたの?

なんてことを四六時中、僕は「面白いな」とニヤニヤして分からないことを理解しようとする。

僕自身この能力があるから、大卒と一緒に仕事をしていても引けを取らずに済んでいる。

仕事において最も重要な、”分からないことを理解しようとする”ことに学歴は関係ないのだ。

”分からないことを理解しようとする”ことで、「高卒がやっちゃダメ!」という仕事はいまのところ、僕は経験したことがない。

もちろん大卒資格がないとできない医者や学校の先生は例外としてあるが、民間企業で「大卒じゃないとできない仕事」は、ほとんどないと感じる。

つまり、高卒でもたった1つの能力を身につければ大卒の仕事に就けるし、キャリアは無限大ということなのだ。

共にがんばろう。

今日はこんなところで。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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サラリーマンのキャリアを応援するWebメディア「キャリログ」より引用記事でした。

他にも様々なサラリーマンを応援する記事を書いているので、ぜひご覧ください。


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