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新人育成では量が大事?質が大事?/しくじりマネジメント

社会人になると一度は全員壁にぶつかる難題。『量が大事なのか、質が大事なのか』議論。特に新人はこの壁にぶつかり、悩んでしまうのはあるあるだと思います。

僕自身もここ5年間で19人の新卒新人のマネジメントを担いました。そして、ほぼ全員がこの問いには一度ぶつかりました。

量にこだわることで質を疎かにするのは本質的ではないようにも思えますが、一般論としての妥当解は『量が大事』だと思います。なぜなら、新人や若手のうちは経験や機会をたくさん得ることが大事であり、失敗からも成功からも何を学ぶかが大切。だからこそ量をたくさんこなすことでしか始まらない。量をこなすことで質がついてくる。

これが通説ではないでしょうか。

僕自身もそう思っていましたが、いくつかのマネジメントのしくじりを経験する中で『量が大事か、質が大事か』という議論に僕なりの答えを見出しました。今日はその答えとマネジメント実践ノウハウについて、お伝えしたいと思います。

自分の成功体験が『量が大事か質が大事か』を決める

冒頭でもお伝えした通り、僕自身は量が大事だ。と思っていました。
もちろん、ただひたすらに量をやれば良いというわけではなく、両方大事であり、1か0で捉えようとすることが間違っているとは思ってます。ですが、そうは言ってもまずは量が大事だと捉えていたわけです。

なぜそう考えていたのかというと、僕自身が量をたくさんこなす中で成長してきたことが主な要因です。ごちゃごちゃ考えても何も生まれず、先輩たちに「とりあえずでもやってみないと何も始まらないだろ」ということをひたすら言われてきました。その言葉を信じてがむしゃらに愚直に行動し続けた結果、たくさんの機会を得て、学びを積み重ね、今があります。

アメリカのある調査によると人が成長するうえで出来事は経験70%・薫陶20%・研修10%という結果だったようです。経験から学習を積むことが重要ということですね。

そんな僕だからこそ「1か0かではないというのは分かっているが・・・結局は量が大事だろ!」そんな捉え方をしていたのです。


とりあえず動く?納得するまで考える?

数年前、あるメンバーAさんも量をこなすべきか、質にこだわるべきなのか悩んでいました。質というのも抽象的ではありますが、具体的に言うと『目的を納得しきれていないままでも動くべきなのか』それとも『モヤモヤを解消するまで考えてから動くべきなのか』という悩みです。多くの若手社員の方が一度は感じたことがあるのではないでしょうか。

■目的を納得しないままでも動く
確かに量をこなすことはできます。一方でデメリットは目的を納得しないままに行動することでただタスクとして仕事を処理してしまう可能性があることです。その結果、当事者意識が欠如して結果的にクオリティが下がる可能性があります。また、うまくいっても本人の達成感も得にくいというのとも考えられます。

■モヤモヤを解消するまで考えてから動く
スッキリした気持ちで取り組むことができます。仕事への手応えも感じやすいと思います。一方でスタートダッシュには遅れてしまうため、求められている量をこなすことができなくなる可能性があります。また、解消できるモヤモヤなら良いですが、解消しきることはできず、いつまで経っても行動できなくなることも考えられます。

「とりあえず動こう」・・・その後のメンバーは?

数年前の新人との1on1で実際にあった場面です。
僕 「進捗が悪いようだけど、どうしたの?」
新人「説明いただいたことは理解してるつもりなのですが、目的が理解しきれてなくてモヤモヤしてます・・・」
僕 「うーん、何に引っかかっているのかな?」
新人「頭では理解できているのですが、納得ができてないのだと思います」

こんなやり取りの後、皆さんならどう答えるでしょうか。

「つべこべ言わず、とりあえずやってみろよ」
「目的を腹落ちさせるのは大事だからしっかり考えよう」

分かりやすく言うと、この2択ですね。
そして、どちらも間違いではないと思います。

過去の僕は前者を選択しました。理由は先ほどお伝えした通り、結局量が大事だと思っていたからです。「自分のポリシーには反するかもしれないけど、グダグダ言わず、とりあえずやってみたら?」

そんなアドバイスをしたのです。

さて、その後メンバーはどうなったでしょうか。

結局、納得感がないままに動いたため、行動量は増えませんでした。確かに定められた目標はかろうじてクリアしたものの、『こなした』だけです。達成したことは素晴らしいことではあるものの、新人が目標を達成できたところで会社や組織から見ると大した影響ではありません。それよりも達成感ややり切った感を得ながら、成長して欲しいという想いでした。
ですが、本人の達成感はなく、仕事とは何だろうかとモヤモヤとした気持ちを残す後味の悪い結果になりました。

そのメンバーは年次が上がった今も関わりがあります。ですが、その後も悩み続けています。仕事なんて・・・とか、組織なんて・・・という捉え方をする場面もあり、新人の時のこの体験が「所詮・・・」と考えさせる癖をつけてしまったのではないか、自分の責任ではないかとも思ってます。

この記事を読んでいる可能性もあるので詳細はやめておきますが『三つ子の魂百まで』とも言います。新人の1年間というはその後のビジネス人生における仕事観や組織観を形成する重要な時期でもあります。そこに一定携わる新人マネジメントは責任が重大です。(題材にしてごめんね)


『量が大事か、質が大事か』その答えは・・・

懺悔の気持ちもありますが、僕がお伝えしたいのはそこではなく『量が大事か質が大事か』というお題についてです。

先ほどは「とりあえず、やってみろ」とメンバーに伝えたことで起きた失敗をお伝えさせていただきました。一方でとりあえずやってみることで成功したこともあります。

コルブの経験学習モデルがありますが、具体的な経験を積み重ね、それを振り返り省察し、他の体験でも生かせるように抽象化して捉え、別の機会に試行する。このプロセスを回すことでとりあえずでもやってみたことが、そのメンバーの成長に大きく寄与したことは何度もあります。

では何が正解なのか?

それはメンバーによって異なるです。

成長の仕方は人それぞれです。メンバー1人1人にあった成長スタイルがあります。上司にとってのこうすべき。を押し付けるのではなく、メンバーにとっての最適解を伝えることが重要です。

ですが、十人十色。一人一人にあわせた判断をするのは非常に難しいです。性格・価値観・これまで(学生時代)の成功体験・その時のコンディションなど、様々な要素から判断していくべきですが、迷いますよね。僕自身はどう考えているのかシンプルに言うと、”行動”と“思考”のどちらが強いかで判断しています。

■行動>思考タイプ
量をこだわり、成功/失敗経験を振り返ることで学習を積み重ねるために象徴的となる機会の創出にこだわる

■行動<思考タイプ
質にこだわり、1つ1つの経験からの学びを最大化できるように振り返りにこだわる

要するに量か質か?という問いについても、強みを生かすのが一番良い。ということだと思います。

終わりに

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