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「コミュニケーションが苦手」という営業のメンバーをハイパフォーマに変える方法/しくじりマネジメント

「私はコミュニケーションが得意じゃないです。入社したのも営業をやりたかったわけではありません・・・」

そんな発言をされたことはありませんか。

もちろん、営業に限定せずとも、配属が思うようにいかず、苦手なことに向き合わないといけないという怖さから、SOSを出してくるメンバーからの相談は、多くの管理職の方が経験があると思います。
表面的に言葉を捉えると上司としてはなかなかきついですよね。

僕が経験したのは、BtoBの営業職なのですが、「コミュニケーションが苦手です」と言われてしまうと、なかなか大変です。当然、仕事を進める上で必要なスキルですので、苦手と言われてしまうと商談に同席する必要性が生じますし、なかなか自立を促すことにマネジメント上、苦労します。

また、本人からしても「自分は営業に向いていない・・・」「入社する会社を間違えたのかな」と後ろ向きになってしまうと悪循環に陥り、なかなか成長実感を得られなくて、上司としては更に悩みを深める・・・。ということが起こります。

そんな”コミュニケーションが苦手”という意識をもつメンバーに対して、どんなマネジメントをするのが良いか、僕の失敗とそこから学んだことをお伝えしたいと思います。

精神論で解決しようとしたしくじり

ある若手営業のAさんのケースになります。Aさんの特徴は次の通りです。ぜひ皆さんも身近にいる近しそうな人を想像しながら、読み進めていただきたいと思います。

コミュニケーションが苦手という自己認識。着実に仕事をこなしていくことが得意で、丁寧な仕事の進め方には定評があります。一方、確かにその場対応力が高いとは言い難く、思い付きで話すのは得意ではありません。その場その場でお客様がどんな質問を投げかけてくるか分からない中、急に聞かれても、どう答えて良いか分からなくなってしまい、フリーズしてしまう。
だから自分は営業は向いていないと感じてしまっている状態でした。

そんなコミュニケーションに苦手意識があるAさんですが、上司である僕との1on1での個別の会話は成立していますし、そのメンバーの同期同士での会話も成立はしています。積極的に話すタイプではありませんが、フリーズするということはありません。
でも仕事場面。もっと言うと、商談場面となると、確かに顧客からの質問にまともに答えられてなく、会話に不自然さがありました。

なんで、こうなるのか、僕も必死に考えました。
ですが、いろいろ考えてみるものの、どうにも解決策が見えません。

ある時、その若手メンバーから「こんなに自分がコミュニケーションが取れないとは思ってませんでした・・・。もうやっていく自信がありません」と相談を受けました。

皆さんなら、どのように返答するでしょうか・

僕は、
「営業と言っても、顧客とのコミュニケーションだから気負いすぎないようにね」
「顧客だって、人間。取って食われることもないし、安心して考えていることを伝えてみなよ」
「自分が感じたことや思ったことををビビらずに話せばいいんだよ」

そんなことを伝えたように思います。
結果、どうなったかというと、特に変化はありません。
そりゃそうですよね。

良かれと思って、伝えたつもりではありましたが、冷静に考えると精神論に訴えただけで何も言っていないのと同じです。

確かに営業という仕事。営業という組織。商談という環境に心理的安全性を感じられていないため、本来の力が発揮できていないということも、1つの要因としてはあったと思います。

ですが、そんな精神論だけでは営業のスキル不足は埋まりません。

では、どうすれば良かったのか、正解は1つではないと思いますが、僕が見つけた1つのパターンをお伝えしたいと思います。


苦手を要素分解する

確かにそのメンバーはコミュニケーションが得意ではないのかもしれません。ですが、コミュニケーションというと広すぎます。先ほどもお伝えした通り、友人との会話は成立するし、フリーズすることはありません。

コミュニケーションというビッグワードをもう少し分解すると、
・正しく相手の発言を捉えること
・相手の発言の意図を捉えること
・正しく話すこと
・分かりやすく話すこと
・テンポよく話すこと
・・・等、あげればキリがありません。

細かく分解してみると、苦手ではないこともあると思います。
漠然とコミュニケーションが苦手。ではなく、具体的に自分が苦手なことを明きらかにできれば、対策もしやすくなります。

まずは苦手なことは何か。できるだけ粒感を小さくすることを意識してみてください。


分解した苦手を強みでカバーさせる

メンバーのAさんを例に苦手を分解してみると、コミュニケーションが苦手なのではなく、その場対応が苦手。というのが正しい捉え方でした。
一方、着実に仕事をこなしていくことが得意で、丁寧な仕事の進め方には定評がありました。つまり強みです。

では、この強みを生かすとどうなるでしょうか。

それは、事前準備を徹底させることです。
「段取りが9割」ってやつですね。

段取りが得意であろうが、今は得意ではないとしても、仕事への丁寧さがあるならば、強みになるように関わってあげることがマネジメントのやるべきことだと思います。

具体的には事前準備(段取り力)を強みにするには、スケジュール管理ができることが必須条件ともいえます。仕事に余裕をもたせて、仕事のタスク分解をする力。スケジュールを管理する力。これらを身に着けさせることで、段取り力を身に着け、顧客との商談の事前準備を徹底させる。

そうすることで苦手なその場対応をしないといけない場面が減り、丁寧な仕事の進め方ができることが顧客の信頼に繋がっていくのではないかと思います。

あくまでAさんの一例ではありますが、似たようなメンバーがいれば、ぜひ参考にしてみてください。


更に自信をつけさせる武器を渡す

引き続き、Aさんを例に考えたいと思います。
事前準備を徹底することで、商談でもフリーズすることもなくなり、顧客からの信頼も積み重ねてくことができました。

では、更にこのメンバーが顧客からの信頼を得るため。
もしくは、本人の自信を積み重ねるため。
に必要なこと。できることは何でしょうか。

答えはありません。
そのメンバーのモチベーションや志向次第でいろいろあると思います。

例えば、知識を徹底的に身に着けること。
昨今は、多くの企業で商品のバリエーションが増え、複雑化していることが多いと思います。そして商品知識を覚えるより、営業のテクニックやスタンスやマインド理論になりがちですが、まず大前提として商品に詳しいことは顧客にとっての基本価値です。
営業場面で気の利いたことは言えなくても、商品の何を聞いても正確な答えがレスポンス早く返ってくるだけでも、信頼獲得に繋がることがあるかと思います。たかが知識。されど知識ってやるですね。

または、経験の棚卸をさせること。
仕事の丁寧さや着実に積み上げることが得意であれば、一度経験したことを自分なりに咀嚼させて、経験学習を高速で回させることも良いかもしれません。多くの人は3回くらい経験すれば、ようやく身につくことも、このメンバーの場合は1,2回で身に着けられる可能性だって、あり得ます。

または、ビジネスフレームを理解すること。
じっくり思考することが好きだったり、得意であれば、考えたことをまとめるフレームを持っておけると、より相手に分かりやすく伝えたり、説明したりすることがしやすくなるかもしれません。単なるお勉強としてフレームを理解するのではなく、本人が考えていることをフレームで提示して、整理させてみたりすることも良いかもしれません。

いくつか、妄想の中でお伝えしましたが、何が正解というわけではありません。十人十色です。

お伝えしたかったのは、課題を克服したら終わりではなく、強みを生かすための方法のヒントを与えることが大事と言うことです。これは、なかなか本人で見出すのは難しいです。上司としても、人生の先輩としても、何が正しい、間違っているということではなく、「○○をやってみるのはどう?」という投げかけをすることが大事なのだと思います。下手な鉄砲だとしても、数撃ちゃ当たると僕は常に思ってます笑


3つのプロセスで生まれ変わる!

繰り返しになりますが、大事なプロセスは次の通りです。
・苦手は分解する
・分解した苦手を強みでカバーする方法を考える
・強みを補強する別の○○を身に着けさせる

これができれば、コミュニケーションが苦手というメンバーでも、考えることが苦手というメンバーだとしても、ハイパフォーマーになる可能性は十分い秘めています。

どんな人にでも可能性はあると信じてます。


終わりに・・・

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