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何度言っても変わらないメンバーへの関わり方/しくじりマネジメント

部下や後輩に何度も伝えているはずなのに、なかなか改善しない。
あいつは変わらない。ダメだ。
そんなことを思った経験はありませんか?

僕は今の会社で働く理由は「働くを愉しむ人を増やしたいから」であり、前提として、人は変われる。なりたい自分になれる。ということを信条にしています。

であったにもかかわらず、マネジャーになりたての頃、なかなか成長しないメンバーに対して、そんなことを思ってしまっていました。

でも、今考えれば、そのメンバーが変われなかったのは、全て自分のせいだったと思います。自分の何が悪かったのか、どうすれば良かったのか、今日はそんなことをまとめたいと思います。

管理職や先輩として、メンバーマネジメントに悩む人の参考になれば、何より嬉しいです。

事象しか伝えていない

「何度も同じことを言わせるな。目的を明確にしなさいといつも言っているだろ!」
「あいつは目的思考が足りないし、何度課題を伝えても変わらないんだよな」

そんなマネジャーの愚痴を聞いたことがあります。

大事な企画の書類。仕事は「何のために」という目的が非常に重要であり、それが書かれていない企画書は確かに不備があると言えると思います。

単純に書き忘れであれば、「気をつけなさい」で良いかもしれません。物忘れの重症であれば、フォーマットを決めてあげて、目的を書く欄を作れば終わりでしょう。

ですが、どのように目的を書けば良いか分からない。どの粒度で?どれくらい具体的に?副次的な目的も書いていい?いろいろあるけど、たくさん書いておいてもいい?等のように企画における「目的のまとめ方」が分からなければ、ちゃんとやれ!と言われても、できませんよね。

たぶん、叱られている間に考えていることは、
「どうすればいいんだろう」
「どうすれば怒られないようにできるだろう」
そんな「どうしよう」に頭を支配されているのだと思います。

これでは、改善は見込めないし、「課題」をメンバーに認識させることができません。目的がないという事象を叱っているだけですね。

メンバーを変えるためには、まずは課題を認識してもらう必要があります。

何度も伝えていない

「大事なことだから、1回しか言わないから、ちゃんと聞いてね」

そんな言葉を言われたことありませんか?
冷静に考えると「そんな馬鹿な」という話ですよね。

大事な話なんだから、何度もすべきです。

つまり、メンバーの課題は「何度もすり合わせるべき」なのです。嫌味のようにネチネチ伝えるのではありません。これは最悪です。
何度も伝えるのではなく、何度もすり合わせるのです。
このニュアンスが大事です。

タイミングが悪い

「忙しい中で言ってやっているんだぞ」

これもおかしな話です。確かに忙しくて、なかなか時間がないのは事実かもしれませんが、それは、俺が話したいタイミングですよね。

人には話を受け止められるタイミングとそうではないタイミングがあります。機嫌がいい時に言われても許せる話でも、イライラしている時に言われるとカッとなってしまうこともありますよね。

それと同じようなものです。

上司は神様ではありません。メンバーも人間です。
どれだけ、有難いお言葉を仰ってくださる上司からだとしても、いつも受け止めきれるわけではありません。

相手が受け止められるタイミングで伝えるべきです。

お前のために言ってやっているんだよ

僕のしくじりは、これです。
こんな気持ちで関わってしまっていたことが最大の失敗だと思います。

例えば、失注してしまった。本人としては、一生懸命頑張ったけど、結果に届かなかった。おそらく企画が認められなかった要因には、本人の課題である「詰めの甘さ」がある。

そんな時、皆さんならどうしますか?

僕は良かれと思って、メンバーに「君の課題が出てしまった結果だね」とその場で突き付けていました。

だって、その場で伝えないと、人間は忘れていく生き物ですし、鮮度が大事だと思うからです。

この考え方は正しかったとは思いますが、一生懸命頑張ったのに結果がでなくてショックを受けている。まさに本人が受け止められないタイミングです。そんな時に「お前の課題が出たな・・・」とかって伝えても、反感を買うだけです。改善が上司にとってゴールとするなら、その手段として最適とは言えません。

それに、結局それは忙しい自分に言い訳をしていただけなのだと思います。その場で伝えて、それで課題が改善されれば、上司としては楽ですから。

でも、
タイミングを選べば、本人が受け止められない。
タイミングを待てば、本人の記憶も薄れてしまう。

じゃあ、どうすれば良かったのでしょうか?

何度言っても変わらないメンバーとの関わり方とは

それは、「タイミングをつくる」ということだと思います。

先ほどもお伝えしましたが、メンバーに課題を伝えるのではなく、メンバーと課題をすり合わせることが大事です。

まず、本人がどう感じているのかを確認します。
そして、それはなぜそう思っているのかを確認します。
認識が異なる場合は、こちらの思っていることを伝えます
そう思っている理由・背景を伝えます
それに対して、メンバーがどう思うのかを確認します。
納得できないなら、なぜそう思うのかを確認します。

上司が常に正しいことを言っているわけではありません。
本人の認識を尊重しすぎるのもよくありません。
そうではなく、考えていること・その理由をお互いに確認し合うことがすり合わせるということなのだと思います。

このコミュニケーションをとることで、突き付けられるのではなく、一緒に考える時間を作るのです。

一度課題を指摘したり、伝えただけで改善・進化できるメンバーは稀です。そんなメンバーが他にいるなら、それはラッキーだと思うといいでしょう。

自分のマネジメントも常に未熟であることを認識しつつ、メンバーと一緒に考え、一緒に成長することを目指していきませんか?

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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仮谷泰祐|働くを愉しく
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