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『ナイフはコーヒーのために』まとめ

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記事一覧

あとがき 例えばこのような青春

という、約10年前の作品でした。これでも純文系の一次は通ったもんでしたね。いま読むと下手な…

『ナイフはコーヒーのために』 #10 最終話

 翌朝に物音が聞こえ、半ば覚醒して音のした居間を見る。柿沼が帰ろうとしているところだった…

『ナイフはコーヒーのために』 #9

 そういって膝立ちになり、尻ポケットからメモ帳を取り出した。短い鉛筆も転がり落ちたが、彼…

『ナイフはコーヒーのために』 #8

 肋骨を押さえつつタイムカードを押し、着替え、ボコボコの顔を見たアーチーに気遣われ、作業…

『ナイフはコーヒーのために』 #7

 次の日は日曜で、僕は昼に寝室の床で目覚めた。べろんべろんの葵をベッドに寝かせたあと、フ…

『ナイフはコーヒーのために』 #6

 いつもは作業開始にギリギリで間に合うよう部屋を出るが、今日は銀行でカネを引き出さねばな…

『ナイフはコーヒーのために』 #5

「今度さあ、友達を呼んでいいか?」  部屋で料理をつまみ、葵にいった。ちゃぶ台にはグラタンやらシーザーサラダなんかがある。 「食べものはとかは買ってくるから、葵は何もしなくていい」 「そうもいかないよ。誰が来るの?」 「柿沼とアーチーを呼びたい」  葵は柿沼とは面識があるが、アーチーのことは知らなかった。僕は簡単に説明した。 「まだあいつらには話してないけど、たぶん来てくれるんじゃないかな」取り皿にグラタンを盛りながらいった。  食後二人ともテレビを観てダラダラし、脳味噌が溶

『ナイフはコーヒーのために』 #4

 電車に乗り、警備員とか金髪とかヤクザさんなど、今日会った人たちのいろいろに思いを巡らせ…

『ナイフはコーヒーのために』 #3

 翌朝九時頃に携帯が鳴った。着信音と、隣で葵が寝返りを打った気配とで目覚め、体を起こして…

『ナイフはコーヒーのために』 #2

 だるい雰囲気の中、着替えたアーチーはこちらへ来て「こんにちは!」といった。僕も同じ言葉…

『ナイフはコーヒーのために』 #1

 いまはうららかといえばうららかな午後だが、僕たちはそうしたのんきな天候や気分とは縁が遠…

『ナイフはコーヒーのために』はしがき

ちょうど十年前の作品なんですが、この小説を連載してみます。某D賞の一次通過作品です。執筆…