マガジンのカバー画像

Photo by 17genaiのnoteマガジン

530
素敵な記事のヘッダー画像に、17genaiのイラスト使っていただいてるnoteのマガジンです。数ある中から見つけて使っていただきありがとうございます🙌
運営しているクリエイター

#小説

メイキング「遠巻きの寛容」

■メイキング『遠巻きの寛容』       ●あとがき  2021年3月2日の第1回開始から6回にわたって連載した「遠巻きの寛容」を無事に書き終えました。  最終回をアップして以降「スキ」をたくさん戴きつつ、多くの方々にフォロワー登録頂きましてありがとうございます。  正直、予想外の反響で嬉しく思いつつ、少し驚いております。  でも、やっぱり素直に嬉しい。  もう、それに尽きます(笑)  2021年1月30日のブログ開始以降、読切ショートショートを中心に掲載していましたが

超短:田舎男

ずいぶん久しぶりに一人で千歳空港に降り立った。今日は誰もスタッフが付いていない。着いていくと言われたが断ったのだ。今回の来道は仕事ではない。子どものころ住んでいたところを一度見に行ってみたかったのだ。空港内の店舗のガラス窓に映った自分を見て、自分が目立つ格好をしていることに気が付いてしまった。いかにも芸能人の格好だ。空港内のユニクロに飛び込み、下着以外着替えた。無意識に着ていた服が、いけすかない男だったことが、ショックだった。田舎男である矜持を持っていたい。

人物紹介:元カレC

名前:元カレC 性別:男性 位置:元カレ(3人目なので、C) 年齢:32歳 外見:「フランス系ロシア人ぽい」と言われる可愛い系顔濃いめの、純日本人。    身長、日本人男性平均。 職業:流通現場系 収入:知らない 性格:好きな相手には辛抱強いが、基本は短気。    芸能人、ユーチューバーにお手本を作って目指していく大学生のようなメンタル。 登場記事: 第9話:元カノのテリトリーに新カノを連れ込むオトコ、ついてくるオンナ 2020.03.31現在

ありふれない私の名前

私は自分の名前が嫌いだ。この名前のせいで今まで随分恥ずかしい思いをしてきた。何故もっとありふれた名前を付けてくれなかったのだろう。 成人してから、私は改名の申し立てができることを知った。正当な理由があれば改名出来るのだ。正当な理由の一つに「奇妙な名前」であることが挙げられている。私は申し立てをすることに決めた。 両親に申し立てをする決意を話すと、案の定反対された。良かれと思って付けた名前を何故変えるのかと。私は、今まで様々なところで受けた精神的苦痛を事細かに説明した。私の

本の棚 #34 『少し変わった子あります』

『少し変わった子あります』 森博嗣 なんだろう、これは。 森さんが主人公?なのか? 大学の教授である主人公の小山は 後輩の荒木に「あるお店」を紹介される。 けど、そこには一人でしか入れない。 そしてそのお店には名前がなく なぜか毎回違う場所にある(出現する) 電話で予約すると女将さんが 迎えの車を手配してくれるのだ。 基本的には一人でご飯を食べて、 女将さんと少し話して、帰る。 そこには荒木の特別メニューがある。 「女性ひとりと一緒にご飯を食べる」

【短いおはなし】3月2日は「ミニーマウスの日」

その一際、背の小さな女の子は、オーバーサイズのミニーマウスのパーカーを着こなしていた。 着こなすなんて、はじめて使う言葉だが、そんなはじめての言葉を躊躇なくボクから引き出す力があるくらい、素晴らしい着こなしだった。 ミニーと彼女は昔からの古い友人のように初恋の相手のことも話しましたけど的な雰囲気があった。しかしパーカーの表面に恋人のミッキーマウスの存在を確認することはできなかったが、それでもまつ毛を一際強調させたミニーマウスは、振り向きざまに、そんなことは関係ないから可愛

〖短編小説〗11月12日は「洋服記念日」

この短編は765文字、約2分で読めます。 洋服と聞くと諸君はどんな服を想像するだろうか? 私が初めて洋服を着たのは、生まれて間もないころだそうだ。 自分では覚えていないが、写真にしっかりと写っていた。 ピンクの可愛らしいデザインの洋服だ。 自分としてはもう少し、地味で目立たない洋服を着たいのだが、なかなかそうはいかないようで、可愛らしいデザインの洋服が多い。 私はそれをおとなしく、着るだけである。 なぜ、洋服を着なければならないのか。これは最近の私の疑問だ。 色々な仲

ベストアルバム

優子が好きだったチャットモンチーを聴きながら、奈々の好んだジャスミン茶を飲む。 コースターなんて知らなかったのに、彩が教えてくれたんだよな。 美沙が愛したチャンダンのお香は、今も俺の部屋で煙を上げている。 「鍵はキーケースに入れなさい」 そう教えてくれたのは、まり乃だった。 花の楽しさを知ったのは、栞のおかげだ。 部屋の右の壁には、今は紫陽花のドライフラワーが貼り付けてある。 「お疲れすーぅ」 そして俺は今日も、マリアと同じ口調で電話に出る。 もちろん無意識に。

コロナから学ぶヒモへの道

まずはじめに、初投稿がこのような不埒な内容になるとは大変恐縮ではありますが、事実として約2年間ほどヒモ生活を送っている僕(20代)が考える「ヒモ生活における需要」と「社会への供給」についてここに綴(つづ)っていこうと思っています。何分文章作成における経験が乏しいので、不慣れな部分や無駄な語字についてはご容赦ください。 話は少し変わりますが、あなたは今の現代社会における「自分の需要」を意識したことがありますか? 自分のやりたいことや将来の夢、好きなことを仕事にしたいと夢を持

6月16日 希薄

今日は朝早く起きた段階で、1日を満喫してやろうとおもっていました。 だから、隅田川のを朝早くから走りました。コロナ関係なくずっとパソコン目の前にしてズボンッと働いていたていただけなので、運動は全くしてなかったクセに気合は周りで走ってるおばさんおじさんの何倍もあって、それはまるで僕のセリヌンティウスが誰かに囚われていたみたいに。 で、吐きそうでトイレに駆け込んだ僕の気合はまだ治らなくて、クリスチアーノロナウドの腹筋メニューをやりました。 そのあとは全然体が動かず、死にそうに

親愛なるランナーたちへ

1. 柔らかいクッションがうす灰色の暑く溶けたアスファルトを交互にこするたびに僕らはちょっとだけ前進していた。ナイキのタンクトップはとうの昔に汗を風に紛らせることを諦めたのか今では年老いた名コーチのように肩に寄り添っていた。 まだ腰は元気だ。 今年はやけに疲れることがたくさんあった。 ただ走り始めるまでにだっていくつものハードルがあり、走りはじめた今でさえそれらを越えてこれたのかは分からない。 家から車で30分程のこの陸上競技場に着いてランニングシューズに履き替えているころ

天使たちの日記

1. その年の初夏は僕たちにとって我慢することが多すぎる季節だった。 おはよう。 少しずつ暑くなってきたね。そろそろ半袖で街に出掛けられそう。 おはよう。 暑いよね。この前買ったTシャツそろそろ出そうかな。 え~いいなぁ。 この前のアルバイトの日天気よくて日焼けしちゃったんだよなぁ。 えーそうなんだ。見たいなぁ。写真送ってよ。 うーん。どうしようかな。ちょっと恥ずかしいよ。 ---------------------------------------------

ネクラ日記:男気はどこに行ったのか

いや本当はさ、かなりのインテリジェンスよ。 Youtubeでもアホみたいなメントスコーラなんて見向きもしなかったし、 ジェルチャンネルとかみてケラケラ笑って気づいたら深夜なんてことあるわけないし。 DAIGOの心理学とか、中田敦彦の歴史解説とか、 ホリエモンの時事ネタ解説とか、そういうのばっかり見てたわけよ。 だけど最近、在宅勤務になってヒマになって、 とうとう私も世間の娯楽チャンネルに降りてきたわけ。 禁断の果実を食べるイブみたいな感じよ。 いや、仕事はしてるけどね。

『豚野郎』という言葉には『筋肉質で健康的、かつ、きれい好きでなんでも食べる良い子』という意味が含まれています。 でないと、彼女が僕に、 「豚野郎!」 なんて言うはずないんだから。本当に真に迫った 「豚野郎!」 だったなぁ。それだけオレのことが好きだってことかな。 オレも好きだよ。この豚野郎!