二丁目小町

嘘ばかり書いています

二丁目小町

嘘ばかり書いています

マガジン

  • こどもの入院応援ページからの移植とか

    こどもの入院応援ページからの移植とか

  • 2404入院

  • 笑いにくい笑い話

    人によっては面白い事象でも、人によっては面白くなかったり、笑うことをためらわれたり、笑ってはいけないと思ったり、目をそらしたりしたくなる事象がある。 でもさ、笑って欲しいのよ。哀れまれるより笑われた方がましな気がする

  • 上方落語若手噺家グランプリ2021 感想

  • 似顔絵

最近の記事

  • 固定された記事

匙の行方

~喜劇の劇団の団員さんたちが、いろいろある20年間くらいの物語~(35,000文字くらい 小説) 遅刻の訳 佐飛町は郊外の盆地にあり、東南から北西にかけて緩やかに佐飛川が流れている。千年前のやんごとなき人たちが多くの詩歌に読むほど、風光明媚な風景があった。近代には、川の両岸は田んぼとなり、近年にはあっという間に田んぼが住宅地になった。  そんな佐飛町のほぼ真ん中に、佐飛パラダイスはある。当初は入浴できるだけの施設だったが、レストランと劇場を併設し、だだっ広い駐車場があり、格

    • 天秤   (2.10.2002)

      人それぞれの天秤。 ご飯とパン。長男はご飯らしい。 男の子と女の子。どっちもかわいいけど長女は一人娘だしなぁ。 睡眠と入浴。ついつい睡眠をとってしまう。 泣いて注射か、笑って悪化か。 白衣の看護婦さんか、ジャージのお母さんか。 病院か、家庭か。 医療か、家族の愛情か。 泣いて押さえつけてまでする注射は、 医療という名のもとでは、どこまでも正当らしい。 医療は世の常識、法律を超えるもの? 泣き叫ぶ子どもを大勢の大人が押さえつけ、 痛い目にあわせることは、 病室の外では犯罪だ

      • 超短:幸せじゃないの

        お金なんて、どうにかなるわよ。私もどうにかなった。子育てなんてあっという間に終わるわよ。人目を気にして恥ずかしくないように生きなさい。 母は私にそういう。母は、安定収入のある健康な夫がいたわけだし、私たち兄弟も健康で健常だった。 私はそれなりに健康だけど、夫は数年前精神的な病気で一年休職したし、それは母には内緒にしていたけど。子どもは発達障害を持っていて学校も家庭での育児も、普通じゃない。役所などを駆けずり回って、学校を捜したり、人目を気にしながら精神科病院に通院する夫に付き

        • 必要なもの、不必要なもの   (12.23.2003)

          大掃除をして、片づけをしていると良くわかる。 必要なもの、不必要なものは、人によって違う。 子どもに必要なおもちゃ、親が見るとごみ。 当然捨てるべきものだと判断し、捨ててしまう。 だって、親の判断は正しいですから。 夜間なのにちょっとした発熱で診察。 予定以上に時間のかかるムンテラ。 子どもの処置に付き添う親のためのガウン。 泣く子どもをなだめる時間。 がんばったね、えらかったねと頭をなでる医師の笑顔。 そんなもの無くたって、 医療はちゃんと病気を治してくれることになって

        • 固定された記事

        匙の行方

        マガジン

        • こどもの入院応援ページからの移植とか
          8本
        • 2404入院
          25本
        • 笑いにくい笑い話
          36本
        • 上方落語若手噺家グランプリ2021 感想
          3本
        • 似顔絵
          5本

        記事

          超短:夜逃げの同級生

          一人旅は、初めての経験。妻はいつも旅行に出かけるが、私は久しぶりの旅行でもあった。魚料理を堪能するだけが目的だった。 ホテルにチェックインから、ネットで調べた魚料理のおいしいという居酒屋に向かった。居酒屋の店主は、元漁師で魚には目が利く。刺身はもちろん、煮魚などもとてもおいしかった。そして日本酒がとても進んだ。店主と魚の話をたくさんした。 大満足しほろ酔いで店を出るとき、レジの女性が突然話しかけてきた。お客さん、山田町の野田さんじゃないですか。そ、そうですが。私、初田です。夜

          超短:夜逃げの同級生

          子どもの病気、障害の告知について   ~育児の崖の前で~   (10.15.2002)

          我が子にはすくすくと健康に育ってほしい。 親は誰でもそう望んでいます。 医療機関や健診、その他で「発達が遅れている」とか 「再健診しましょう」「専門の先生に見てもらってください」 「○○病の疑いがあるかもしれません」などといわれたら、 親は崖から突き落とされるにも等しい衝撃を受けるものでしょう。 しかしこの言葉は親として真摯に受け止めるべき物です。 子どもを実際に診察、観察している専門家の診断や提案を 信頼を持って聞くことは、たいへん重要なことです。 決して「大丈夫」とと言

          子どもの病気、障害の告知について   ~育児の崖の前で~   (10.15.2002)

          他にご質問は?   (5.17.2002)

          お医者さんからの手術のことについての説明を一通り受け、 最後に聞かれるのは、 他にご質問は? 優秀な医学生なら、手術の技術的なことを聞くのかしら。 優秀な看護師なら、術後のケアの注意点を聞くのかしら。 では優秀な母親は何を聞けばいいのだろう。 我が子の体に、病気を治すためとはいえ、 この無垢で傷のない体に刃物を突き刺す話。 信じがたいほど恐ろしくて不安で悲しくて、 替わってやりたいけど替われないこの気持ちの中で、 母親は何を聞けばいいのだろう。 何を聞けるのだろう。

          他にご質問は?   (5.17.2002)

          超短:一周忌で

          お寺から法事の時期だよと連絡があった。姑の一周忌は長男である夫が仕切らざるをえないのだけど、式場との打ち合わせはうるさく言って夫にさせたものの、もちろん嫌々で或る。その他の準備、お金の工面は結局嫁である私がした。姑は天寿を全うしたと言えるねんれいだったし、実は夫の実の母親ではない。悲しさというものはあまりないのだ。姑の実の娘である夫の妹に連絡したが、体調が悪いので行かないとのこと。姑との良い思い出は何もない私だが、姑が長命だったこと以外は、あまり幸せだったとは思えない。生前い

          超短:一周忌で

          生きてください   (11.14.2006)

          病気の子ども、 障害を持つ子どもを育てることは、 健常児を育てるのとは違い、 辛いこともたくさんあります 悲しいこともたくさんあります 悔しいこともたくさんあります むなしいこともたくさんあります 人生が変わってしまうこともあります 得られるものが多いとか、 人間として成長したとか、 きれい事のような言葉に、 傷つけられることもありますか 病気さえなければ、 障害さえなければ この子さえいなければ、 得られる見込みの無い普通の幸せ 終わらない介護の日々… だから死にたくもな

          生きてください   (11.14.2006)

          痛くて、恐くて、嫌なこと   (12.03.2002)

                        注射なんてチクンとちょっと痛いだけだから、 レントゲンは痛くはない処置だから、 ちょっと我慢して、大人しくして、処置しやすくしてと思うのは、 本当は勝手な話。 大人しく処置のしやすい子はいい子かもしれないけど、 暴れる子は悪い子じゃない。 ちょっと痛いだけは、 子どもにはとっても痛いことかもしれないし、 何でもないように思える処置は、 子どもには全身の力を振り絞って絶叫するほどに、 痛くて恐くて嫌な、悲しい処置なのだ。 押さえつけているその手に、そ

          痛くて、恐くて、嫌なこと   (12.03.2002)

          ぶつけられない   (7.14.2007)

          三男が障害を持って生まれてまもなく、 大きな岩がトンネルの中のバスを押しつぶした事故があった。 なかなか救出されない家族を思う人たちが、 国道の管理が悪い、バス会社の対応が悪いと、 怒っていた。 あの人たちは、 怒りと悲しみをぶつけるものがあって良いなと、 思った。 病気とか、死ぬとか、事故とか、事件とかの出来事があったとき、 お前のせいだといえる相手がいないとき、 自分のせいだったり、自然のせいだったりしたとき、 その気持ちをぶつけるものはなくて、 代償としてお金ももら

          ぶつけられない   (7.14.2007)

          極めてなにか生命に対する侮辱を感じますのこと

           2016年NHKスペシャルで、「終わらな人宮崎駿」と言う番組が放映された。  そこで、AIで描かれたゾンビの動きが、身体障がい者に見え、宮崎駿さんは知人の身体障がい者を思い出し、侮辱だと言った。  多くの人は、AIというのが品源の才能に回らない証拠だとこの発言を絶賛し、特にアニメ界の重鎮で或る宮崎駿さんの発言だから、この感覚が正しいと思っていたことだろう。  私は違った。  差別しているのは、宮崎さんやん!と思ったのだ。  私の娘は、身体障がい者ではないが(身体障害者手帳

          極めてなにか生命に対する侮辱を感じますのこと

          それぞれの人にそれぞれの常識というものはあるものだ。他人にそれを強制するのはダメだと知っているが、大多数の人が正しいとする常識を知っておいた方が生きやすいことも知っている

          障害があることで、できないに決まっていることはしなくて良いのだ。立ったり歩いたりできないひとは車椅子で移動するだろうし、耳が聞こえない人は筆談したり、目の見えない人は杖付いて歩く。 と同じように、娘はオムツをしている。ずっとしている。トイレで用を足せないわけではないが、意思表示するための言葉を話せないし、尿意を感じてすぐトイレに行くことは難しい。 手術以降、心不全を予防するために利尿剤を飲んでいる。おしっこが多い。がしかし、元々オムツをしているから、親としては気にしていなかっ

          それぞれの人にそれぞれの常識というものはあるものだ。他人にそれを強制するのはダメだと知っているが、大多数の人が正しいとする常識を知っておいた方が生きやすいことも知っている

          病院食はそれなりにおいしいのだけど、ワンパターン。いやむしろ毛色を変えすぎたスパゲッティ、ラーメン、ピザは摂食介助が大変なのでむしろこまったなぁ。あんパンの朝食ってあれはいいのか?

          入院中の患者の食事は、当然病院食だ。 手術前までは娘は足りないくらいよく食べたのだが、 手術後、ある程度元気になってもなかなか食事が食べられなかった。 日常には経験しないことで、 親としてもとても心配になった。 ベッドの頭の部分をほぼ垂直に立て、 それに左半身をもたれかけさせ、 体を支えながらどうにかこうにか食べさせる。 全部は食べられない。 持ち込んだ好物のフランスパンも食べない、 普段はよく食べすぎる子なので本当に心配だった。 手術の傷の経過は良く 充分に食べられるように

          病院食はそれなりにおいしいのだけど、ワンパターン。いやむしろ毛色を変えすぎたスパゲッティ、ラーメン、ピザは摂食介助が大変なのでむしろこまったなぁ。あんパンの朝食ってあれはいいのか?

          2024上方落語若手噺家グランプリを見て

           2024年上方落語若手噺家グランプリは、笑福亭笑利さん(或る夏の出来事)が優勝した。  噺家さんたちの予想も、落語ファンの予想も、どうやら笑利さんの優勝を予感していた人が多かったように思う。私は配信ばかりで現実の笑利さんの落語を見たことはないが、勝手に優勝を予感していた一人だ。  がしかし、グランプリ前日の配信で、当日演じる新作落語がまだ出来ていないということを聞いて、またメンタル的にも追い込まれている様子を見て、少し不安になったのも正直な気持ちだ。結局、不安がパワーとなり

          2024上方落語若手噺家グランプリを見て

          手術とか検査結果の診断とかしっかりしてたら全然良いのだよ何も文句言っているわけじゃ無いわよ、でもね主治医のタロウちゃん(仮名)、やってくれたわね

          退院後、3回目の通院。 1回目はほぼトラブルがなかった。血液検査が随分待つことがわかった。私はまた倒れたら悪いので、娘を見ずに余所を向いて採血した。 2回目からは自転車で行く。丁度良いことに天気も良く、気持ちの良いサイクリングでもある。 2回目の通院日は、トラブルが色々あった。 自転車で自宅を出た途端、私のお腹が痛くなった。困った、帰ろうか、それともと思いつつ、どうにかこうにか病院に到着し、トイレに駆け込んだ。それから診察券を機械に入れて、受付を行う。がしかし、カードが戻って

          手術とか検査結果の診断とかしっかりしてたら全然良いのだよ何も文句言っているわけじゃ無いわよ、でもね主治医のタロウちゃん(仮名)、やってくれたわね