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#白

-百合櫃-

-百合櫃-

魂魄の花

貴方、百合の葉と茎と雄蕊と雌蕊を、その瓶の中で混ぜ合わせても、シルクで作ったような百合の花には、ならないのよ。
蕾にね、月で子飼いにされていた、獣の清らかな魂が宿らなければ、百合の花は咲かないの。
そら、お庭の白百合をごらんなさい。
これはきっと月宮で、ぐつぐつ暑い湯で煮られ、毟りとられた羽を扇に、肉はスープにされた白鳥の子ね。
ふふ、分かりますとも、花の顔つきを見ればね。
この子の花

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鳩の塔

鳩の塔

濁った色の水晶に似た、石華石膏をくり抜いて作られた、巨大な鳩の塔。
金魚の隠れ家をそのまま大きくしたような、海底に沈む人魚の海泡石の城に似て、栄螺(さざえ)状の石の塔は、足元から頭の先に至るまで、各階に鳩達の出入りのための窓が、虫に食い潰された貝殻がましに見えるほど、無数に空いていた。
窓には、鳩達とそれを世話する役目の人間の足場が、巻貝の棘のように伸びていた。
その棘の足場だけでなく、塔の内部の

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金魚の鰭

金魚の鰭

私は、花も恥じらう乙女として恥ずかしいくらいの汗をかく。あがりやすく、赤面症もあって、顔が赤くなりやすい。
友人に言わせると、この時期少しでも体を動かした後の私の顔は、砂浜に打ち上げられて、情けなく口をぱくぱくするだけの、体は濡れているが、生命は干からびかけている魚らしい。
それで、あの時はたまたま部活の走り込みで、子供でもないというのに盛大に転んでしまい、私は教師と先輩方に許可を貰って、誰もいな

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