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掌編小説

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【無料マガジン】 私の書いた掌編小説を収録していきます。
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#啓蒙

シリウスの彼方より

シリウスの彼方より

 イコ少年の最近の楽しみは、買ったばかりの最新機種である〈パルサー計測型素粒子望遠鏡〉で、無限の星空を仮想冒険する事だった。

 およそ021600秒の教育カリキュラムを終了すると、脇目も振らずテレポートジャンパーへと駆け込み、早々に自宅へと転送帰宅する。昼食に用意してあった化合クロレラカプセルの山を無造作に掴んで口へと頬張ると、すぐさま自室の望遠鏡へと取り憑かれた。
 神経接続用のニューロナイト

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終わりの夜伽

終わりの夜伽

「ねぇ? おかあさん?」
 つぶらな瞳が、添い寝する母親を正視して尋ねた。
 母親は我が子が安らかな眠りに就けるように、ポン……ポン……と緩やかなリズムに体を叩いてあげていたが、どうやら子供特有の強い好奇心というものは睡魔の誘惑すら跳ね退ける強力な結界らしい。
 だから、柔和な微笑みで聞いてあげる事とする。
「なあに? ぼうや?」
「いちばん強い動物って、なあに?」
 他愛のない質問である。
 実

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魚眼ノ箱庭

魚眼ノ箱庭

 満足な環境であった。

 水質は澄み、酸素は潤沢に湧いた。

 適度な水草がそよぎ、戯れる岩礁も据えられている。

 空腹を覚え始めた頃には水面から餌は降ってくるのだから、此処へと移り棲んでからは飢えた覚えも無い。

 日々の糞尿で少しばかり水質が濁りを生じたとしても、不思議と朝には新たな快適と再生するのだから気にする事でもなかった。些か警戒を覚えるとすれば、その予兆には大きな地震が起こる点だが

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