淵寂涅音

幽谷霧子さんが好きです

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最近の記事

『絆光記』感想 王と蚤の意味

シャニマス最新イベコミュの『絆光記』が様々な視点から考えさせられる物語だったので、感じたことを率直に綴りました。 単純にエンタメとして面白いという方向性ではなく、読み手に訴えかけるものがあるという観点から価値の高いシナリオだったと思っています。 全体の内容について物語の概要はバッサリ割愛して、個人的に一番良かったと感じたのは物語終盤のイルミネ三人に対するPの独白の箇所でした。 純粋な善意からの言葉や行動でも相手に通じないことはある。正当性や真実に関わらず、妬み嫉みや誤解な

    • 一人一人みんなに霧子の歌が聴こえる場所がある(【唯・唯・寧・詠】の感想)

      長らく待ちに待っていた幽谷霧子のマイコレが実装されました。色々と思う所の多い話だったので具体的な感想を書こうと思います。 不安に臆して包帯の下に自分を隠していたところから勇気を持ってアイドルとなり自己表現してゆくようになった霧子のWING〜LPまでの総決算のような話であると同時に、読者へ向けたかなりメッセージ性の強い読み方も出来る内容だったように感じました。 (※以下ネタバレ有り)↓↓ ソロ曲に焦点を当てた今回のコミュは霧子らしい歌とは何か問うたLP編と非常に近いテーマ

      • シャニアニの功績は『283プロアイドルたちのライブ』を実現してくれたこと(1〜3章総括感想)

        ※アニメ版シャニマス先行上映のネタバレを含みます シャニアニ第3章まで観てきました。 最後まで観た上で特に感じたのは、タイトルの通りこのアニメ全体が(映画館で視聴するという環境込みで)今までのどの媒体より一番正確な意味で『作中アイドルたちのライブ』を実現していたんじゃないか、ということです。 様々な要素が『良いか悪いか』といった批評的な観点とは別に、サ開当初からシャニマスに触れてきて初期ユニへの思い入れが強い人間としては『好き』と言える部分が少なからずあったため、作品単

        • シャニマス季節コミュ(幽谷霧子)思い出振り返りダイマ+霧子の『お祈り』について

          毎年季節ごとに開催しているenza版シャニマスのプレゼントコミュが良いという話、今まではその年の購入期間を逃すと閲覧手段が無いものがあったため未読の人もいる可能性を考えると中々語りづらかったのが、最近ようやく復刻販売されるようになったので担当の霧子のぶんだけではありますがダイマ記事を書きました。 興味を引く上で必要な最低限のネタバレに留めつつまとめたので、購入を迷っている方などは参考にしていただければと思います。 また付随して、一部のプレゼントコミュも含め霧子の台詞に頻出

        『絆光記』感想 王と蚤の意味

        • 一人一人みんなに霧子の歌が聴こえる場所がある(【唯・唯・寧・詠】の感想)

        • シャニアニの功績は『283プロアイドルたちのライブ』を実現してくれたこと(1〜3章総括感想)

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          最推し(幽谷霧子)がこの世に実在しなくてよかった

          推し活に類することをやっていると、一体何を目標にしてどこをゴールにしたらいいんだろうと考えることがよくある。  実在の芸能人などのファンなら例えば本人に認知されるとかイベントで会話するとか、あるいは実現出来るケースは稀だろうが付き合いたい結婚したいなどのガチ恋とかいう概念もあるのだろう。 対象が架空のキャラの場合はどうかというと、俺は私は◯◯と脳内で結婚してるんだという感じの人もいれば、その真逆で推しや推しCPに一切認識されず外から眺めてるだけの壁のシミか何かになりたいと

          最推し(幽谷霧子)がこの世に実在しなくてよかった

          この世界には光と闇がある(含シャニマス『かいぶつのうた』『バイ・スパイラル』の話)

          この世界には光と闇がある。 いきなり何をほざいてんだと言われそうだが、実際人はあらゆる物事を光と闇、善と悪、正と誤などの二項対立に照らして捉えながら生きている。 この記事は単なるコミュ考察や感想ではなく普遍的な話題に及ぶものなのだが、私のアカウントは元々シャニマスについて書くために作ったものであるため、分かりやすく主にシャニマスの内容を引き合いに出しながら話をさせてもらうことにする。 シャニマスはシャイニーカラーズという名称の通りなにかと光のモチーフが取り入れられること

          この世界には光と闇がある(含シャニマス『かいぶつのうた』『バイ・スパイラル』の話)

          【廻・廻・娩・淘】についての話

          以前幽谷霧子が投票で1位になった『シチュエーションドラマを作ろう』の企画コミュ【廻・廻・娩・淘】が、先日ついに実装されました。思ったことや気付いたことについて、文字数やネタバレ配慮の都合で他所では流しづらいのでこちらに書きます。 話の構造そのものが仕掛けになっているので、今回に限っては圧倒的にネタバレを見ない方が楽しめると思います。 一応言っておくと、アイドル題材の作品で必死に投票した結果担当アイドルがただ単に男とラブコメさせられる様子を切り売りされるだけのものだったとし

          【廻・廻・娩・淘】についての話

          シャニアニ第1章先行上映を見てきました(ネタバレ無し感想)

          公開初日運良く行ってくることが出来ました。仔細は伏せた上での雑感です。 予想していた以上にファンとしては満足出来る作りで、一言で言うと劇場に観に行って本当に良かった!!です。 ネタバレ無しなので具体的なことは言えないですが、特にアンティーカPの人には行けたら早いうちに観に行ってほしい内容でした。 (以下感想箇条書き) ・初期ユニットだけの話なので当たり前といえば当たり前だが全体的に初期のシャニマスらしい雰囲気なので1〜2年目辺りの素朴で素直な話が好きだった人間としては

          シャニアニ第1章先行上映を見てきました(ネタバレ無し感想)

          幽谷霧子と『物語性』を巡る物語(【窓・送・巡・歌】考察感想)

          先日実装された霧子の【窓・送・巡・歌】コミュについての感想と考察です。 霧子の人間性や過去のコミュ描写について直接的な理解が難しかった部分への答え合わせともいえるような表現が多々含まれているため、霧子のカードコミュからどれか一つだけお勧めするとしたらこれが最適じゃないかと言えるほどに色々な要素が盛り沢山のお話でした。 詳細なネタバレがあるので内容を知りたくない方には引き返していただかざるを得ない記事になってしまいますが、 恒常カードといえど後込みせず霧子が好きな方にはぜ

          幽谷霧子と『物語性』を巡る物語(【窓・送・巡・歌】考察感想)

          【空・風・明・鳴】感想走り書き

          (※ネタバレありの感想です) 幽谷霧子の新規P-SSR【空・風・明・鳴】について感じたこと考えたことについて、なるべく簡潔にまとめました。 一言で表すと今回は霧子(及びP)の成長と自立がテーマになった話だったのではないかと感じています。 『転ぶ』ことについて公園で子供が転ぶ場面に出くわす一番目のコミュやガシャ演出になっているシーンなど、今回は一貫して『転ぶ』がキーワードとなっています。 これはおそらくシンプルに失敗したり傷付いたりすることの喩えであり、物語全体が『転ば

          【空・風・明・鳴】感想走り書き

          これから幽谷霧子コミュを読む人へ 分類別各コミュ一挙紹介

          ※元はシャニマス5周年の2023年に投稿した記事ですが、シャニマス6周年のnote企画に合わせてその後にリリースされた内容も追加反映しました(最終更新:2024年5月) アイドルマスターシャイニーカラーズは今年の4月にめでたく5周年を迎え、アニメ化や新アプリであるシャニソンのリリースなど新たに注目を集めるような展開が色々と発表されました。 また先日行われたシチュエーションドラマ投票ではありがたいことに幽谷霧子が1位に選ばれたため、最近になって新しく霧子に興味を持って下さっ

          これから幽谷霧子コミュを読む人へ 分類別各コミュ一挙紹介

          はねむしちりって何? 幽谷霧子コミュ小ネタ考察コラム

          今回は毎度独特な描写の数々に定評がある幽谷霧子のコミュ内容に関して、ちょっとした発見や考察などをまとめた軽めの記事です。 あくまで筆者の推測を含むため公式の意図と正確に一致するかは分かりませんが、参考としてお楽しみ頂ければと思います。 (※内容には各コミュのネタバレを含みます) 『かぜかんむりのこどもたち』のカード名がいつもの漢字四文字じゃないのは何故?霧子のカード名といえばほぼ毎回『○・○・○・○』のように漢字を四文字並べた形式がお馴染みとなっていますが、『かぜかんむ

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          キャラクターに本気で感情移入してしまう人が幽谷霧子を知ると死ぬほど苦しい思いをする

          この記事でお話するのは、アイドルマスターシャイニーカラーズ(シャニマス)に登場する幽谷霧子というキャラクターについてです。 大袈裟なタイトルを付けていますが、後述するような特定の価値観に共感できる人にとっては誇張ではなく本当に良くも悪くも幽谷霧子の存在はそのくらい大きなものになる可能性があります。 シャニマスのサ開当初から色々な思いを抱きつつコンテンツに触れてきて、架空のキャラにここまで強い感情を抱くのは多分人生で最後だろうと思うくらいには霧子に入れ込んできた人間の視点を

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