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幽谷霧子の昔の将来の夢について(アイドルのひみつ欄ネタバレ有り)

シャニマスenza版のアイドルプロフィール機能のうちコミュニケーションレベル19で解放される項目『昔の将来の夢』について、霧子の場合どういった理由でそれを選んだのか想像を膨らませられる内容だったので、様々な情報から背景を推察してみました。

(以下ネタバレご注意下さい↓↓↓)













霧子の夢は意外にも医療関係者などではなく、今まで直接コミュで言及されたことが無い『煙突掃除をする人』でした。

どちらかといえば過酷な児童労働の象徴としてのイメージが強い職業ですが、幼少の霧子が何故そこへ興味を持つに至ったのか、きっかけとなり得そうな元ネタや霧子の発言をいくつか挙げながら考えてみます。

①アンデルセン童話『羊飼いの娘と煙突掃除人』

煙突掃除人が出てくる有名な作品としてまず思い浮かぶものの一つが、アンデルセンの童話『羊飼いの娘と煙突掃除人』です。

内容をざっくり要約すると、望まぬ相手と結婚をさせられそうになっている羊飼いの娘の人形が愛する煙突掃除人の人形と一緒に煙突を登って外の世界へ逃げ出し、紆余曲折の末二人は無事に結ばれる、という話です。

無事に結ばれたといってもその経緯が羊飼いの娘の親である首振り人形が壊れて首を縦に振れなくなったおかげで嫌な相手との結婚の承諾を出せなくなったというものだったり元の展開自体は若干ブラックなんですが、物語の構造上で煙突掃除人が担っている誰かに豊かな外の世界を見せてあげる役割というのはSTEP編で語られた霧子にとってのアイドル観にも重なる部分があるように思えます。

この童話において煙突の上で二人の人形が綺麗な星空を眺める場面は(その後世界の広さに怖気づいて一旦家へ戻る展開になってしまうとはいえ)間違いなくハイライトとなっており、STEP内でPが霧子に綺麗な星空を見せながらアイドルとして霧子が果たしてきたことの意義を伝える展開やシャニアニ2章入場特典の方のプロフに載っていた理想のデートスポットの記述とも重なるため、もしも伏線だったとしたら辻褄が合います。

『羊飼いの娘と煙突掃除人』はスタジオジブリの諸監督がアニメ業界を志すきっかけになったほど感銘を受けたというフランスの映画『王と鳥(旧題:やぶにらみの暴君)』の原案にもなっているなど文化面で大きな影響を与えている作品でもあるため、絵本や童話が好きな霧子なら幼少の頃にこれを読んでいたとしても不思議はないかと思います。

②映画『メリー・ポピンズ』

もう一つ元ネタがあるとしたら可能性として考えられそうなのは、ディズニー映画『メリー・ポピンズ』に出てくる煙突掃除人の描写です。

この作品には気さくで陽気なキャラクターとして煙突掃除人が登場し、有名な挿入歌『チム・チム・チェリー』で歌われているように高い所から街の綺麗な景色を眺めている存在として前向きな描かれ方をされているため、幼い子供が観たとしたら素直な好感を持って憧れることは十分あり得ます。

ちなみにメリー・ポピンズには原作にあたる同名の児童文学シリーズが存在するものの、そちらでは映画ほど目立つ形で煙突掃除人の設定が取り沙汰されているわけではありません。

そのため元ネタになるとしたら恐らく映画の方なのだろうと思われますが、原作は原作で主人公のメリー・ポピンズが独自の哲学を持ち風や木や動物や日の光などとも言葉を交わせる不思議な人物としてよりファンタジックに描かれているため、霧子の感受性にも通じる要素を色濃く見出だせるという点では原作の方も十分合致しているといえそうです。

③霧子自身の『掃除』に対する意識

他に考えられる可能性として、何らかの作品を見て影響を受けたというわけではなく霧子自身の価値観で実際の煙突掃除人をリスペクトしたということもシンプルにあり得るパターンです。

GRAD編などで顕著なように霧子は常々献身的で恵まれない立場へ慈しみを寄せる思考をする人なので、他人が安全に暮らせるよう自らは過酷な環境で危険に晒されながら働いている煙突掃除人の実態を何かの折に聞かされたとしたら、純粋な尊敬を抱いたとしてもおかしくはありません。

プロフィールの座右の銘もこれ

また霧子のコミュ内では何かにつけて掃除について言及するシーンが多く、単なる綺麗好きというより特に埃を払うという行為に対して霧子は何か当人なりの意義を見出しているような節があります。

WING編でプロデュース開始後最初のコミュとなるシーズン1の共通コミュからして既に掃除をしてるシーンから始まっていますし、上記の台詞も医療の知識があることに加え煙突掃除による健康被害を印象深く知っていたとしたら殊更気にかけるのも頷けます。

他にも2022年のクリスマスコミュや【窓・送・巡・歌】での『ほこりさん』に対する言及などに表れているように、埃は霧子がアニミズム的に心を見出している様々な事物の中でもおそらく最小単位に近いものであり、なおかつその埃を払って掃除する行為は綺麗にした場所で暮らす人々のためだけでなく、埃自身が望んだ場所へいられるよう手助けする行いでもあるのだと思われます。

煙突掃除も煤を払って綺麗にするという点で広義の埃を払う行いであり、捉えようによっては霧子が求めてきた役割を体現する仕事だといえるのかもしれません。


ここまで考察してきた内容はあくまで推測のため公式設定に適う正解であるのかは分かりませんが、幼少の霧子が色々な童話に触れていたであろう様子やディズニー映画を観てはしゃいでいた様子を想像してみるだけでも愛しくなりますし、掃除に関して特別な価値を見出しているであろうことは過去のコミュからはっきり窺えるため、少なくとも霧子にとっては裏側に何かしら深い意味があるのだろうと思います。

解放のための大富豪自体も楽しい上に意外な情報一つで考察や妄想もできるので、今後もアップデートで色々項目が増えていったらいいなと期待してます。

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