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金メダリスト! 〜パラリンピック水泳・木村選手の話〜

木村選手が学校にやってきた!

2021年パラリンピック水泳のバタフライで見事金メダルに輝いた木村敬一選手が、子どもの通う学校に講演に来てくれました!

6年生を対象にした講演だったのですが、PTAだった私も運良く聴講させてもらえました。

蜜を避けるため2回にわけての講演で各回1時間半ほどだったのですが、木村選手のお話のあとは子どもたちの質疑応答、体育館の後ろに置かれたゴーグルやメダルなども実際手に取って見せてくださいました。

完璧なプレゼン

体育館の前面にスライド、向かって右手に木村選手が座り、画面の解説をしてくださいます。

最近では家にいても動画でなんでも視聴できます。

リアルもオンラインもそんなに変わらないって思ってたんですが、没入感が全然違いますね!

木村選手の熱量が伝わってきて、興味深い映画を観ているように話に集中してスライドに見入っていました。

淀みないお話とスライド展開。

スライドにはそれぞれ何枚も画像がありますが、全て解説をしてくださるので、全盲ということを忘れてしまうほど。

色々なところで講演されていると思いますが、このスライドと説明を作るのに相当な時間を要されただろうなというのが容易に伝わってきます。

「目を瞑ってみてください。
何も見えないですよね。
でも、みんなが目を瞑っているより、僕はもっと見えていません。
光も感じないから」

2歳から全盲となった木村選手は活発な子どもだったようで、スポーツも色々試したそうです。

目が見えていてもスポーツには怪我が付き物ですが、木村選手も怪我が絶えなかったようで、色々考えたお母様が
「水泳なら人にもぶつからないし、水の中なので怪我もしない!」
と思ったことから始められたんだそう。

お母様、かしこい!

中学3年生の時にアメリカにいく機会があった時に
「オリンピックで金メダルを取りたい」
という夢を抱くようになったそうです。

そこから実に15年の月日をかけて念願の金メダルを掴み取ったわけですが、その道のりは並大抵のものではなかったそう。

「〇〇年後にこうなる」
とか
「このリストをこなしたら絶対メダルが取れる!」
という確証があれば頑張れそうですが、わからない未来のために今の生活を何年も節制するのは相当強い思いがないと出来ませんよね。

食べたくなくても食べないといけない辛さや不安、精神的なプレッシャーを想像すると、本当に尊敬しかないです。

子どもたちもたくさん質問していました。
木村選手は楽しそうに受け答えしていて、終始和やかな雰囲気でした。
私も思わず横から質問したくなりましたが、さすがに静かにしておりました。

メダルの見分け方

全盲だと色がわかりません。
金メダル、銀メダル、銅メダル。
どうやってわかるかご存知ですか?

実はメダルの横に”窪み”があるんです。

金メダルなら窪みは1つ。
銀メダルなら窪みは2つ。
銅メダルなら窪みは3つ。

木村選手は金メダルと銀メダルをお持ちだったので、見比べることが出来ました。
なるほど、確かにこれなら目を瞑っててもどれが何のメダルかすぐにわかります。
実際にメダルも持たせてもらえて、本当に貴重なひとときでした。

全盲用のゴーグル

見た目は普通のゴーグルとほとんど変わりませんが。
レンズ部分が漆黒なんです。

かけさせてもらいましたが、両手で目を押さえるよりもずっと闇。真っ暗。

盲目と申告していてもわずかに視力があるとフェアじゃないので、全員このゴーグル着用が必須だそうです。

ターンのタイミングはどうわかる?

50メートルでターンをするとき、目が見えないまま泳いでいると思いっきり壁に激突してしまいます。

どうやってターンのタイミングがわかるか、ご存知ですか?

伸び縮みする棒の先端に、ビート版と同じ素材で丸く作られたものがつけられていて、ターンの少し手前になるとその棒を伸ばして選手の肩のあたりに”トン”と当てるのだそうです。

すると、
「あ、もうターンなんだな」
とわかるんですって。

知ってました?

私はテレビでも見たことなかったのですが、この道具も実際置かれてあったので手に取ってみると思った以上に軽くてスムーズな伸縮でした。

思いが人生を作る!

木村選手を見ていると目が見えないことがハンデという気が全くしなくて、彼ほど大きな目標は掲げられなくても、もっと自分が主役の人生を太く生きていきたいなと思いました。
(小学生の感想文みたいな感想ですみません。笑)

大人になって親になると、確かに子どもに時間を取られることも多くなるけど、ある意味それを出来ないことの言い訳に使っているところもあるなと、気づいているけど見えてないフリしてた自分を直視した気分でした。

「子供のことで忙しくてぇ」
の後には、
「だから仕方ないよね〜」
が続きます。

結果が確実なものだけじゃなくて、不確実だけど挑戦したいこと、やってみようかな。

大人になって挑戦するのは資格勉強とかが多いけど、マラソンの大会に出るとか(走ったことないけど)、ダンスの発表会に出るとか(踊ったことないけど)。

こんなの口にしたら
「いやーアナタ、何言ってるの。笑」
と失笑が返ってきそうですが、本気で取り組んだらそこそこ形になるんじゃないかと思えてくる、謎の勇気をもらえたのでした。

「これをしたい」って心から湧き上がる情熱があるって、それだけで尊いですね。
久々に心を動かされたなぁ。
木村選手、ありがとうございました!!

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