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全国で患者数が僅か150人程度の稀少がんである胸腺癌stageⅣの診断確定から7年生に…

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全国で患者数が僅か150人程度の稀少がんである胸腺癌stageⅣの診断確定から7年生になりました。 これまでに投与した抗がん剤は間もなく二桁になりますが、様々な周囲の皆様のご好意とご支援により存命しています。

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【手術により完治しない癌】に遭遇した場合の処方箋

2015年の春に「胸腺癌stageⅣ」と診断されました。 現役世代であり、資産家でもない自分にとって完治が望めない治療といずれ問題が顕在化する経済的な問題を考えた時に、絶望以外の表現は思いつかず困惑したものです。 診断確定から随分と時間が経過して、治療の経過を記録したファイルも5冊目になりました。この間に治療方法の変化や新薬の開発もあり幸運なことに未だ存命であります。 胸腺癌は国内に患者が150名程度の稀少がんであり、手術で完全除去できない場合の確立した治療方法はありま

    • 【感染症の終息】の条件を考える

      皆様いつもありがとうございます。 新型ウィルスの感染者数が東京で1000人を下回りました。本来の投稿からは脱線しますが感染拡大がいつ終息するか考えてみたいと思います。いえ、正直に申し上げると過去資料の整理が悪くて第五次~第七次までの時系列が確認を取れていないのが実際のところです。 さて結論から申し上げると、過去の感染症はいずれも終息しています。最大級の感染者数及び死者数を出した「スペイン風邪」も例外ではありません。 100年前に流行して、第一次世界大戦の終戦理由にもなっ

      • 【障害年金】の認定理由

        皆様いつもありがとうございます。 傷病手当金の1年半の受給期間が満了して、なお療養が必要で就労不能の場合にまだ生活費を得れる可能性がある公的制度があります。「障害年金」ですね。 国民年金の対象者になっている納付率が低い若年層の納付を促すために、万一の制度として周知をされていますが、実際のところはどうなのでしょうか。 多くの方のイメージとしては視覚や聴覚をはじめとする五感の機能の著しい低下や喪失、手足の機能又はそのものの喪失ではないでしょうか。ですが実際に認定された方はメ

        • 【自然退職】の試練

          皆様いつもありがとうございます。 現役世代が生涯治療が必要である進行癌になった場合、会社勤務の継続の可否が運命を左右します。 会社勤務とは労働力を提供して対価として賃金を得ることなので、入院中は勿論、退院していても自宅療養が必要で従前の勤務ができなくなり、配置転換も容易でない場合は労働力を提供できない状態になります。 年次有給休暇を全て消化した後は「休職」の状態になりますが、休職そのものには法律上の規定がなく、各企業が任意で制定しています。ですから企業規模や経営者の考え

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        【手術により完治しない癌】に遭遇した場合の処方箋

          【ドセタキセル+サイラムザ】の場合

          皆様いつもありがとうございます。 投薬中及び投薬直後は病勢の進行抑止にかなりの効果があった第三次治療でしたが、僅か3ヶ月で画像上の病勢進行が認められ、第四次治療に移行します。 選択されたのは「ドセタキセル+サイラムザ」でした。 ドセタキセルは最初の治療のパクリタキセルと同じ系統の薬剤とのことで、副作用としては手足のしびれ、味覚障害、口内炎、爪の変色障害、脱毛です。 自分自身の投薬の中では、副作用は最も重いものとなったのを記憶しています。ただ皆様にお伝えするような特別な

          【ドセタキセル+サイラムザ】の場合

          【シスプラチン+ゲムシタビン】の場合

          皆様いつもありがとうございます。 放射線治療から1年弱経過観察となりましたが、当初は造影CTにも写っていなかった無数の胸膜播種もはっきり確認できるようになり、腫瘍マーカーの数値も含めた総合判断で第三次治療をすることになります。 選択されたのはシスプラチン+ゲムシタビンでした。

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          【シスプラチン+ゲムシタビン】の場合

          【最初の経済対策】と覚悟

          皆様いつもありがとうございます。 進行がんが発覚して、生涯治療が必要になった場合に治療に専念できるかできないかは、かなり大きな違いがあります。 ご家族が世帯の収入を支えてくれていたり、富裕層であったり、ご年配の方で年金で日常生活を過ごしていれば治療に専念できます。 一方で、自らの労働で生活を維持していた場合は、少なくとも長期的には経済的困窮を覚悟しなければなりません。 ですが、その時期を遅らせることは可能です。最初の手続きは健康保険の「限度額認定証」を取得して、医療費

          【最初の経済対策】と覚悟

          【放射線治療】はstageⅣでも適用可能なのか

          皆様いつもありがとうございます。 最も期待ができたはずの第一次治療の結果を受け、早急に次の治療方補の検討が必要になりました。 本来、治療範囲が限定されていないstageⅣでは、局所療法である放射線治療は手術同様に意味がないので適用されません。しかし、結果的に第二次治療は放射線治療を選択することになります。

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          【放射線治療】はstageⅣでも適用可能なのか

          【カルボプラチン+パクリタキセル】の場合

          皆様いつもありがとうございます。 造影CTで確認された約4cmの腫瘍を切除する手術に期待しましたが、残念なことに胸部切開前のカメラによる病変の直接撮影で、CTに写っていなかった微小な胸膜播種が確認されて、手術を断念しました。 その後の組織検査により胸腺癌stageⅣAが確定、化学療法の最初の選択はカルボプラチンとパクリタキセルの同時投与です。

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          【カルボプラチン+パクリタキセル】の場合

          【治療経過】の投稿に際してのお願い

          投稿を1週間継続させて頂きました。無名の何の力もない自分の投稿ですから、全体ビューもごくごく少数でした。しかしご自身や身近に進行がんの方が存在する方で、この投稿を読んで頂けた皆様に少しでもお役になれるだけで幸せです。 ただ治療の経緯の記載に際しては、最初の投稿でお伝えした通り、最終的に「増悪」の結果になった現在の治療以外も有料記事にさせていただきたいと思います。 同じ治療を受ける方にご参考に頂きたい一方で、治療効果が千差万別の個別事例で治療の効果を断定していただきたくない

          【治療経過】の投稿に際してのお願い

          【治療の効果と副作用】は十人十色

          通常の疾患だと同じ治療をしたら概ね結果は同じですよね。 しかし、癌の場合は部位かつ同じ型であっても結果は異なります。副作用も含めて客観的に判定できる画像や血液検査は比較可能ですが、自覚症状については疼痛をはじめ、主観的な個人の受け取り方に差異があり、治療する側の医師をはじめとする医療関係者の方々も、多くは自ら経験したことがないのですから、状況を確実に把握するのは困難でしょう。 そして疾患にならないのが最良なのですが、最悪逝去したり、後遺症なく回復するのであれば許容できます

          【治療の効果と副作用】は十人十色

          【5年生存率】の意味と一番大切な事

          悪性新生物と診断確定をされた後の予後を示す指標に5年生存率というのがあります。進行癌の多くは治療を継続することになるのですが、幸運にも経過観察となり5年経過すれば多くの癌は再発のリスクが極めて小さくなることから設定されているらしいです。 自分の場合は、5年以上生存していますから生存者に一票を投じることができたのですが、初期を除いて経過観察になることはありませんでした。だから5年生存していても安心することはできません。 また、この5年生存率には多くの場合2つの誤解あります。

          【5年生存率】の意味と一番大切な事

          【診断確定】までの経緯

          結果的に早期発見のチャンスを放棄してしまってから2年。体調が悪いわけではないのに、1ヶ月以上空咳が継続することから近隣の呼吸器科クリニックを受診、診断は「咳喘息」となり吸引薬の処方を受ける。 また心臓近隣の胸部にほんの僅かな異影らしきものがあるので、CTを設備がある施設で撮影してデータを持参する依頼を受けて紹介状を受領する。 そしてCT撮影時の診断は「肺はきれいなもので何の問題もないです」だった。喫煙歴がない非喫煙者だから当然かなと思う。 だが、更に後日データを最初のク

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          【健康診断の受診】だけでは悪性新生物の発見が困難な理由

          普通のサラリーマンであれば、法律の定めにより毎年健康診断を受診します。自分も欠かさず受診して、要精密検査以上であれば二次検診以降も自己負担で実施していました。しかし診断確定時にはstageⅣという残念な現実を知ることになります。 抗がん剤治療を始めると、病勢の状況や副作用を確認することになるのですが、その判断材料は画像と腫瘍マーカーを含む血液検査と自覚症状であり、特に2コース、概ね2ヶ月毎の精密画像が重視されます。画像は簡単なレントゲンとCTやMRIのそれなりの費用が必要な

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          【悪性新生物が死因第一位】の理由

          厚生労働省が公表している令和元年度(2019年)の人口動態統計月報の年計によれば国民の年間死亡者数は約130万人であり、そのうち悪性新生物によるものは38万人程度、全体に占める割合は27.3%だそうです。世間である程度周知されている生涯で悪性新生物に2人に1人が罹患し、3人に1人が逝去するというのは概ね正当のようですね。 但し年齢別や性別にはかなり格差があり、悪性新生物で逝去された方は70歳以上が6割超、60歳以上の方を含めると8割となり、現役世代で癌で逝去するのはかなり運

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          【標準治療と民間療法】の選択

          自然界に生息する人類以外の地球上の生物には病院はありません。様々な疾患にかかれば自然治癒か治癒しなければ死です。そして病院がある人類も例外なくいずれ全員が逝去することになります。 体調に異変を感じても、病院に行かなければ病名の診断はされません。そして診断を受けても「治療しない自由」は全ての皆様にあり、更にこの治療をしなければ罰せられるという法律はなく、それぞれの意思で疾患に対する対応を決定されることになります。 現代では多くの疾患が解明され、いまだ治療方法が不確実で死と直

          【標準治療と民間療法】の選択