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文学フリマ東京37に初出店した感想

気持ちメインで感想を書いてみる。出店までのフローや反省点は、またあとで。

2023年11月11日㈯、文学フリマ東京37に出店した。出店どころか、お客さんとして参加したことすらないし、本を作ったこともなかったのでドキドキ。10時半に入場して、設営をしながら開場時間を待ちます。

開場時間になるとアナウンスが入り、拍手でスタート。開場時間は予定よりも10分ほど早まったと思います。

結果的には、開場から2時間半ほど経った14時半で売り切れ。持っていった38冊+見本1冊が完売。

残り2冊になったところで3人の方が並んでくださっていたので、これはまずいと思い、最後の方には見本として置いていたものを300円で販売した。

「知り合い5冊、知らない人5冊、合計10冊くらい売れたらいいかな」と思っていたので、予想以上に売れて心底びっくりした。何でもない人の本が、そんなに売れるか!?

「本を書く人になりたい」と思い始めたのはいつだろう。6年前、大学4年生のときには確実に思っていたので、少なくとも6年以上前からは「本を書く人になりたい」と思っていた。

なんとなくかっこいいし、本を通じて共感する体験が好きだったし、モヤモヤや言いたいことがたくさんあるから、誰かに受け取ってほしかったんだと思う。

でも、これまで本を書くことはなかった。自費出版なんて金持ちの道楽みたいで敷居が高いし、エネルギー的に余裕がないし、在庫を抱えるのもこわいし、誰かが買ってくれるとは思えないし、やり方も分からないし。小学生の頃からブログを運営したり、大学時代からnoteを書いてはいるものの、自分の文章を本という形にしたことはなかった。

社会人になってからも「ブログやnoteを書き続ければ、いつか誰かが見つけてくれて、本のオファーをしてくれるんじゃないか」と、のんきなことを考えていた。

けど、そういう連絡は特にこない。何か目立つことをしているわけでも、テーマを決めて発信しているわけでもないから当たり前だ。のんきすぎた。

いつか誰かが見つけてくれるのを待っていたら、やりたいことをやれずに人生が終わるかもしれない。そんなのいやだ〜と思って、本を作ることにした。

8月半ばから作り始め、途中何もしない時期もあったから、実質1ヶ月半くらいで作ったことになる。仕事しながらだし、やったこともないし、手伝ってくれる人もいないし、どうしたらいいのか聞く人もいないのに。たぶんこれは、準備期間が短すぎる方だ。3ヶ月はほしい……。

最後の方はとても急いで入稿したから、あとから誤字脱字や表記ゆれをたくさん見つけてしまい、穴があったら入りたい気分になった。

とはいえ刷ってしまったものは仕方ない。次回の印刷時に訂正するしかない……と、気持ちを切り替えて会場へ向かった。

開場してから5分後。顔見知りではない女性がわたしをめがけてやってきた。青っぽいカラフルな柄の服を着ていた。見本も読まずに「1冊ください!」と声をかけてくれた。

「!?」となりながら、1,000円札を受け取り、本を渡す。わたしの書いた本が、見ず知らずの人に買われた瞬間である。

感動というよりは、「そんなことある!?」という気持ち。嬉しいはずのときって、嬉しさよりも、驚きやソワソワが勝つタイプの人間であることを思い出した。自分がどういうタイプなのかを忘れるくらい、この手の明確な嬉しさは久しぶりだった。

その後、掲示したPOPのようなものが意外と良かったのか、通りかかった人が本を買ってくれる。

ブースの様子
これをB4サイズに印刷して掲示した

ためしよみをしてくれた方が見本をブックスタンドに置いたあと、わたしの方を見て人差し指を立て、「1冊ください」と言ってくださる。あの瞬間は心の底からの「ありがとうございます」しか言えなくなる。テンション感としては「えぇ〜!あ、ありがとうございますッッッ!ひょえー!」

自分で作ったものを自分で売って、目の前の人が購入してくれる体験は人生初かもしれない。

大学時代のアルバイト先でお金のやり取りをしたことはあるし、Webの仕事でお金をいただいたことはあるけど、自分で作ったものを個人のお客さん向けに対面で売ったのは初めてだった。

あんなに目の前で簡単に、でも重みのある1000円をいただける瞬間のことはこの先も忘れることはないだろう。

1日経った今、あらためてわたしのやりたいことは「自分で作ったものを、個人のお客さん相手に、自分で売ること」だと感じている。これは自信のあるところだ。

誰かが作ったものを売るわけでも、ビジネスマンとしてやり取りするわけでもなくて、あくまでも個人としての自分が作ったものを個人のお客さんに伝えることを、やりたい。

物やサービス内容はこれから変わっていくと思うけど、仕事の形としては、これがいいと強く思った。

製本後に誤字脱字や表記ゆれを見つけたときは、これは売らないほうがいいかなぁと思ったし、自分の詰めの甘さに落ち込んだし、Webライター経験があるのに凡ミスをしてしまい恥ずかしいし悔しいなと思ったけど、

でもこんなに落ち込みや恥ずかしさ、悔しさを感じられるのも、自分で作ったがゆえの貴重な感情だと思った。

誤字脱字や表記ゆれがあると読みにくいので改善しないといけないのはもちろんなんだけど、自分でちゃんと申し訳なさや悔しい気持ちを感じられたことは少し嬉しかった。

必要な形で、必要な責任感を持てているわけだから。自分が責任を持っている分、嬉しい気持ちもマイナスの気持ちも存分に感じられた。わたしがやっていきたいのはこういう形で間違いないと思えた。自分で作ったものを、個人のお客さん向けに、自分で提供すること。この形を中心にしたいと強く思えた。嬉しさも落ち込みも、実感をともなった真っ直ぐなものを受け取っていたい。

本作りのフローや反省点、文フリのフローや反省点などをまとめておいたら、今後の自分や友達の役に立つかもと思ったので、後ほどまとめようと思ってる。

次回の文フリでは誤字脱字や表記ゆれは0にしたいし、早くに売り切れてしまうのも阻止したいし、購入者さんからわたしに連絡をしにくい導線も直したいし、いろいろと改善したい。だから文学フリマ東京38にも出店したいなぁと思ってる。

次回はエッセイじゃなくて、短歌メインでいこうかと思ってる。文フリはジャンルを選択して申し込むスタイルなので、今回は「エッセイ・随筆・体験記」を選んだけど、次回は「短歌・??・??」を選ぶことになる。ブースも違うし、周りの人の雰囲気も違うんだろうな。

エッセイはブログとそんなに変わらないし、知り合いに読まれてもまったく恥ずかしくない。気合いさえあれば書けてしまう。

でも短歌は性質が違う。知り合いに読まれたら恥ずかしいし、読む人も共感性羞恥を感じるかもしれないし、気合いを入れたところで書けるわけでもない。

でも、自分がやりたいんだから、やるぞ。

文フリに来てくれた方、本を買ってくれた方、ネットで買うと言ってくれている方、本当にありがとうございます。

5年ぶりに会うような懐かしい人もいて、わたしはこのまま死ぬのかな?走馬灯かな?人生のダイジェスト映像かな?という気持ちになりました。結婚式ってこんな感じなのかな。

明日はネットで販売する準備を整えます!

毎日投稿344日目。


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