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読書と平凡な日常

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本の紹介と感想、そこから選出したテーマによるエッセイをほぼ毎日書きます!!!!
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#秋

読書と平凡な日常34 汚れた手で洗うのは足

 どうも、紅りんごです。気温が下がっていく中、冷たい水に触れるのがだんだん厳しくなってきていますが、皆さんはいかがでしょうか? 季節が冬に差し掛かっても手洗いうがいを忘れないことが重要だと思います。でも、洗っても洗っても落ちない汚れってありますよね。今日はそんな作品を紹介します。

 34冊目は芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』。イヤミス5編からなる本作は、罪を犯した人間が堕落していく様を上手く描

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読書と平凡な日常33 読者が求める安心

読書と平凡な日常33 読者が求める安心

 どうも、紅りんごです。最近楽しみにしていることは、本屋に立ち寄ることです。立ち並ぶ色鮮やかな本の表紙、閉じられた作品の中に広がっているであろう世界。その本に囲まれて、本に込められた可能性を肌で感じる一時は何物にも代えがたいものがあります。今日はそんな本屋でよく見る「あれ」に関する作品です。

 33冊目は水生大海『最後のページをめくるまで』。最後のページでどんでん返しが待っているショートショート

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読書と平凡な日常32

読書と平凡な日常32

 どうも、紅りんごです。そろそろ髪を切りたいと思いつつ、まだ早いかと思って取りやめる日々。今日は特に紹介する作品と関係することは無いので、早速紹介の方に移りたいと思います。

 32冊目は芦沢央『いつかの人質』。12年前に誘拐された少女が再び誘拐され、捜査線上には12年前の誘拐犯の娘が浮かび上がった。事件を追う刑事たちは次第に事件の異常性、12年前の事件との関りを知ることとなる。

 犯人の思想に

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読書と平凡な日常31 自由とは

読書と平凡な日常31 自由とは

 どうも紅りんごです。最近は天気が芳しくないので、気分が晴れませんね。もし、翼が生えていたら雲の上まで飛んでいって鮮やかな空を目にできるのに。そんなことを思いつつ、その翼に関する作品を紹介します。

 31冊目は米澤穂信『いまさら翼といわれても』。表題作読了後の無力感には打ちひしがれる他ない。自由を奪われた残酷さと自由を与えられる残酷さ。10代の少年少女には背負うには重すぎる問いは、やはり氷菓シリ

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読書と平凡な日常30 後の祭り

読書と平凡な日常30 後の祭り

 どうも、紅りんごです。秋と言えば、食欲の秋、読書の秋、そして運動会に学園祭。少しずついい方向へと転換しつつあるコロナ禍ですが、それでも各イベントは中止されたり、オンラインでの開催がされたりしていることが多いです。今日はそんな今は無き華やかな学園祭を彷彿とさせる作品を紹介します。

 30冊目は米澤穂信『クドリャフカの順番』。(奉太郎と里志の会話については曖昧な記憶なので、確かではないです。)手違

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