「ゲスな女子高生」はかわいい♥|【第2話(2) 真奈菜と大トロと私】「ちおちゃんの通学路」を三幕構成で分析する
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分析対象
三幕構成
ポイント①
本話のストーリーをざっくり整理すると……
・第1幕:ある日の通学路。ちおは真奈菜と共に登校する → 周りはカップルだらけ。やるせなくなった真奈菜が、カップルにせこい嫌がらせをする
・第2幕前半:2人は、細川と春木に遭遇 → 細川と春木は路地裏へ
・第2幕後半(1):エロい予感がするぜ!2人はゲスな好奇心から、細川と春木を尾行する → 春木が愛の告白、細川がお断り
・第2幕後半(2):細川が春木に、「最近ちおと仲よくしている」と話す
・第3幕:真奈菜が激昂「さては私を捨てて、スクールカースト上位層に入ろうって算段ね!」 → 細川と春木が、ちおらの方に向かってくる。ちおは、真奈菜とキスしているフリをしてやりすごす
ポイント②
<1>
本話の見どころは、ズバリ2つ。
【ちおと真奈菜の「小物感」】、そして【ちおと真奈菜の「仲のよさ」】です。
<2>
まずは、【ちおと真奈菜の「小物感」】をご説明しましょう。
そもそも「小物感」とは、
・1:ずる賢い!他人の弱みに平然とつけこむ!下品でお下劣!
・2:しかし元々が小心者・小市民なので、根っからのワルにはなりきれない。いちいちせこく、みみっちい
……そんな性質のことです。
本話には、2人の小物っぷりを示すエピソードが満載です。すなわち、
・【1】第2幕前半:見回せばカップルだらけ。恋愛経験皆無の真奈菜はやるせない → かくしてカップルの間をわざわざ通過して、「はい、あのカップル、物理的に別れたー」といやがらせ
・【2】ミッドポイント:真奈菜は「有名人のゴシップを仕入れて、私、話題の中心になりたいの♥」と細川らを尾行しようとする
・【3】第2幕後半:ちおは「クラスメイトが不純なことをするなら、止めないといけないからね」と言い訳して、細川らを尾行する。じつはただの好奇心
・【4】第3幕:最近、細川と親しくなったちお。対する真奈菜は「さては私を捨てて、スクールカースト上位層に入ろうって算段ね!」と激昂
<3>
嗚呼、じつにせこい!みみっちい!
まさに漂う小物感!
この小物感が最高ですよね。ちおも真奈菜もかわいらしい♥
これぞ本話の見どころの1つです。
ポイント③
<1>
続いて、【ちおと真奈菜の「仲のよさ」】を見てみましょう。
本話を見て、「ちおと真奈菜は本当に仲がいいんだなぁ♥」と感じた人は少なくないと思いますが……はて。
私たちは、どこからそう感じるのか?
<2>
ご注目いただきたいのは……
・1:ちおは真奈菜の前で、そして真奈菜はちおの前で、自らの【小物感】を隠そうとはしない
・2:ちおと真奈菜は、互いの【小物感】に対して「小物だなぁ」と呆れつつも、むしろそれを肯定する(「くー、この小市民感!気が合うぜー!」「じつにゲスくて、お前最高だな!」)
つまりですね、ちおと真奈菜は【自らの「欠点」をさらけ出せる関係】、【相手の「欠点」を肯定できる関係(「お前、○○だなぁ……しかし、そんなお前が好きだぜ!」)】なんですよね。
友人というよりも、最早家族やカップルに近いと言えるでしょう。
<3>
そして、多くの鑑賞者はそんな2人を見て心地よさを感じたはずです。
「深い絆で結ばれた友人・仲間を目にすると心地よさを感じる」というのは、多くの人に共通することですからね。
これが、本話の2つ目の見どころです。
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(担当:三葉)
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