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陰キャは自滅する!!|【第1話(2) ちおちゃんと細川さん】「ちおちゃんの通学路」を三幕構成で分析する

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分析対象


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三幕構成


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ポイント①


本話のストーリーをざっくり整理すると……

・第1幕(1):ある日の通学路。ちおは細川(クラスの人気者)に遭遇した → 細川が「おはよー!」

・第1幕(2):ちおは息を呑む。細川は、ちおに挨拶したのだろうか?返事をすべきか否か!?どうする、ちお! → ちおは脳みそをフル回転。作戦を閃く → ちおは足首をひねったフリをして、その場に倒れ込んだ。そして素早く背後を確認する。……人影はない。つまり、細川はちおに挨拶したのだ!よし、これで安心して返事ができる!

・第2幕前半:その後、ちおと細川は肩を並べて学校へ向かった。ちおは、「クラスの人気者と2人きりで登校する」というシチュエーションに緊張。上手く会話ができない。どっ、どうしよう!

・第2幕後半:そこに細川の友人が登場。細川は友人と挨拶を交わす → ちおはその隙にコンビニのトイレに逃げ込んだ → トイレの中で時間を潰すちお → ところが、しばらくしてトイレを出ると……細川がちおを待っていた!ちおは仰天

・第3幕(1):細川は嫌な顔ひとつせず、ちおの体調を心配してくれる → ちおは自己嫌悪に陥る。そういえば、「おはよう」の挨拶すら返していなかった!

・第3幕(2):ちおが勇気を振り絞って「おはよう!」 → しかし、細川は走るのが大好き。一度走り始めると周りが見えなくなる。かくして細川は、そのまま走っていってしまった。ちおは呆然とする


ポイント②


本話は、【「陰キャ(ちお)」が「クラスの人気者 = スクールカースト上位層(細川)」を前に、1人で勝手に動揺し、挙動不審になり、無難にやり過ごそうとしてむしろ傷口を広げてしまう物語】です。


具体的には……

・1:クラスの人気者からにこやかに挨拶されて、陰キャが動揺する「えっ、私に挨拶してくれたの!?それとも私の勘違い!?」

・2:クラスの人気者と並んで登校することになり、陰キャが動揺する「何を話せばいいの!?どうしよう、上手く会話ができない!」

・3「クラスの人気者と2人で登校」というシチュエーションに耐えきれず、陰キャが逃走する

・4:クラスの人気者の無垢な善人っぷりを前に、陰キャは自己嫌悪に陥る


ポイント③


<1>

あるいは、本話を【自意識過剰な陰キャ(ちお)が、「私、○○と思われているのでは!?」「きっと□□さんは△と感じているはず!」などと妄想を広げ、その妄想ゆえに自滅していく物語】と表現することもできるでしょう。

そう、ちおは自意識過剰なんですよね。


<2>

ちおは「細川さんは本当に私に挨拶したのだろうか?」「何を話せばいいの!?」などと動揺し、挙動不審になるわけですが、さて。では、その時細川は何を考えていたのか?


たぶんですね、細川は何も考えていないと思うんですよ。

だって細川にとっては、

・1:登校中にクラスメイトと遭遇したら、挨拶するのは当然のこと → だから挨拶した

・2:同じ学校に行くのだから、一緒に登校するのが当たり前 → だから肩を並べて登校する

・3:クラスメイトがふいにトイレに駆け込んだ → 腹痛に違いない。待っているのが当然のこと → だから待っていた

……というだけのことですからね。


したがって、ちおも余計なことをうだうだ考えずに自然体で細川と接すればいいわけですが……まぁ、できませんよね

それができたら、そもそも陰キャにはなっていない!


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(担当:三葉)

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