「複数のキャラが似たような行動を取る」という描写によって、彼らが同じ気持ちを抱いたこと・抱いていることを暗示する ~特撮ドラマ「仮面ライダークウガ」の場合
◆概要
【「複数のキャラが似たような行動を取る」という描写によって、彼らが同じ気持ちを抱いたこと・抱いていることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:特撮ドラマ「仮面ライダークウガ」
▶1
本作の主要キャラの1人・桜子(若い女性)。
彼女は、
・Step1:五代(主人公)の友人である。また、大学院で古代文字を研究している。
・Step2:その縁で、五代がクウガに変身して怪物と戦うようになってからは、「古代文字を解読することでクウガの戦いをアシストする係」になっていた。
・Step3:ところがある日、桜子は限界を迎えた。なし崩し的に五代をサポートするようになったものの、いろいろあって心身ともに疲弊してしまったのだ。
しかしあれこれ悩んだ末に、
・Step4:桜子は腹を決めた「やっぱり五代くんをサポートしよう!」。そう、今度は「なし崩し的」ではない。五代を支えることを自ら決意したのだ。この時、桜子は五代の真の仲間になったと言えるだろう。
・Step5:かくして桜子は古代文字の解読を再開。そして、五代にとって有益と思われるヒントを発見した。
・Step6:一刻も早く五代に教えてあげなければ!桜子は携帯電話に連絡を入れる。しかしつながらない。
というわけで、
・Step7:桜子はすかさずスクーターに飛び乗った。五代が怪物と戦っている場所に駆けつけて直接伝えようというわけだ。
・Step8:現場周辺は警察が封鎖していた。だが桜子は気にしない。警察の制止を振り切って突っ込んでいった。
・Step9:桜子はやがて怪物と戦うクウガを発見、急ブレーキを引いた。そのせいでタイヤがスリップし、転倒してしまう。しかし彼女はめげない。見事、クウガに戦いのヒントを伝えることに成功したのだった。
▶2
ご注目いただきたいのはStep7-9である。
・注目ポイント1:じっとしていられず、とにもかくにも現場に駆けつける
・注目ポイント2:自分の信念のためなら、警察の制止は無視する
・注目ポイント3:バイクで転倒するが、意に介さず目的を達成する
じつはこれ、第1-2話の五代の行動とそっくりなのだ。
かくして鑑賞者は察するだろう。「おっ、桜子が五代と同じ行動を取っている……そうか!桜子はここに至って、五代の真のパートナーになったわけだな!」と。
つまり、「桜子が五代と似たような行動を取る」という描写によって、桜子が五代と同じ気持ちを抱くに至ったことを暗示しているわけだ。
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