冬アニメ「道産子ギャルはなまらめんこい」の研究 ～この街には春がこない
🥳本記事では、ポプカルMAXによるオンライン座談会「アニメ語り」（24年2月3日実施）の内容を一部抜粋してお伝えします。なお、完全版は動画でご覧いただけます→ こちら
「ポプカルMAX」とは？：ポップカルチャー（マンガ、小説、ラノベ、アニメ、映画、ゲームなど）好きのための、ゆるいコミュニティです。好きな作品について語ったり何かを作ったりして楽しむことを目的としています。
＜座談会の参加者紹介＞
👉清水大地 マスター・オブ・アニメ。年120作以上のアニメを見続けて20余年。現時点での今期ベストキャラは、マジアアズール（「魔法少女にあこがれて」）。
👉村上空気 「アマガミ」はすべてのヒロインが好きですが、最近はやっぱ美也よなぁと思っています。現時点での今期ベストキャラは、柊うてな（「魔法少女にあこがれて」）。 →X（旧Twitter）でフォローしてね！！
⛄今日のテーマは「道産子ギャルはなまらめんこい」！！
村上：今日は「道産子ギャルはなまらめんこい」を深堀りしましょう。
村上：現時点で第4話まで放送されていますが、清水さんは第1話時点からお気に入りの作品だって言ってたよね？
清水：そうだね。今期アニメの中では上位にくると思う。
村上：ほぉ、どこが魅力？
清水：ん－、やっぱヒロインかな。特に、メインヒロイン・冬木さんの圧倒的な善人感は見ていて気持ちいいよ。
村上：なるほど。
清水：主人公の四季くんがあまりにも軟弱なのは正直気になるけれど（笑）、まぁぐいぐいくるタイプのヒロインとセットにするには、こういうタイプの主人公にせざるを得ないんだろうなと思って、そこは受け入れることにしている。
村上：そうね（笑）。
清水：あと、北海道あるあるネタ・北見あるあるネタがたびたび登場するのもいいね。北海道を舞台にした作品はちょくちょく見かけるけれど、「東京が舞台でも問題ないだろ……」と感じるものが多い。その点、本作は好感が持てる。
村上：ふむふむ。
清水：北海道ならではのネタをきちんと扱っているという意味では――そうだな、「ゴールデンカムイ」レベルと言っていいんじゃないかな。
村上：いや、ジャンルが違いすぎるだろ（笑）。
清水：（笑）。
村上：そこは「Kanon」を挙げようよ（笑）。第1話のストーブの描写とか素晴らしかったじゃんか！
⛄主人公の苗字は「四季」、ヒロインは「冬木」「秋野」「夏川」――なぜ「春」がいないのか？
村上：俺が気になったのは主要キャラの苗字だな。
清水：ほぉ。
村上：主人公は「四季」、最初のヒロインは「冬木」、次に登場したヒロインは「秋野」だったよね。
清水：あー、なるほど。季節になっているのか。
村上：そうそう。公式サイトを見ると「夏川」というヒロインも今後登場するらしい。
清水：へぇ。
村上：つまり、「冬→秋→夏」という順番にヒロインが登場してくるわけだ。
清水：なるほど。
村上：となると、4人目のヒロインの苗字には当然「春」が付くのだろうと思うじゃん。ところが公式サイトにはそんなキャラは載っていないのよ。
清水：ほぉ。
村上：で、これは一体何なんだろうと思って。
清水：うん。
村上：まず考えられるのは、今回のアニメ化範囲外ではあるものの、今後4人目のヒロインとして「春ナントカ」さんが登場する可能性。
清水：そうね。
村上：次に考えられるのは、冬木さんの妹が「桃子」って名前なんだよ。
清水：うんうん。
村上：彼女が「春」に対応するキャラであり、つまりは冬木妹も四季くんと恋に落ちるという説。
清水：いやぁ、それはどうかなぁ（笑）。
村上：ダメか（笑）。では3つ目。「春ナントカ」さんは今後も登場しない、そして登場しないことに意味があるという説。
清水：ほぉ。
村上：ほら、「春」ってのは「何かの始まり」とか「新たなるスタート」とか、そういったイメージを持つ季節じゃない。それがないってことだから……。
清水：うん。
村上：「この街にいる限り四季くんは永遠に前に進めない／成長できない」ということを暗示しているのではあるまいか。
清水：えー……（笑）。
村上：「四季くんよ、お前にとって北見はすごしやすい場所だろう。まるで楽園だろう。しかし、それではダメなのだ。人間的な成長を遂げるには厳しい環境に身を置かねばならぬ。そう、お前は東京に戻るのだ！！」というわけよ（笑）。
清水：いやぁ、どうだろう……（笑）。
村上：これもダメ（笑）？
清水：ダメというか……（笑）。
村上：じゃあ4つ目の案ね（笑）。おそらく、四季くんは冬木さんとくっつくことになるよね。2人はいずれ結婚する。そして生まれた娘に「春子」とかそんな名前を付ける。
清水：なるほど。
村上：で、「雪が解けないこの街で、春子、お前こそが俺たちの春だよ」みたいな、なんかよくわからんけどいい感じのエンディングを迎える（笑）。
清水：んー……（笑）。
村上：違う（笑）？
清水：まぁ普通に、4人目のヒロインとして「春ナントカ」さんが出てくるんじゃないかな？
村上：うーん、そうなんだけどさぁ（笑）……ほら、舞台があれだけ雪の多い街でしょ？だからこそ「春」は重要なワードで、単に4人目のヒロインの名前とは思えないんだよなぁ。
清水：となると……じつは誰かの昔の苗字が「春ナントカ」だったとか？
村上：あっ、鋭い！それかも！そうか……じつは四季くんの両親が離婚していて、昔は「春ナントカ」という苗字だったのかも。
清水：そういえば、四季くんのお母さんはまったく出てきてないもんね。
村上：もしくは、冬木さんの両親が離婚して彼女が「春ナントカ」さんになるとか？「厳しい冬を乗り越えて、いま新たな人生が始まる」みたいな。
⛄あの素晴らしい気持ち悪さを、もう1度！！
村上：そういえば、本作第1話はいい意味で気持ち悪いよね（笑）。
清水：ん（笑）？
村上：例えば、四季くんが冬木さんと初めて出会ったバス停のシーン。あの時、四季くんは冬木さんを見て「鼻が赤くてかわいい」と言うんだよ。「ほっぺたが赤くてかわいい」ならわかるよ。それが鼻。ちょっと不思議な感性だなと思った。
清水：確かに。
村上：さらに、冬木さんがくしゃみをして鼻水が出たのを見て「たまらない」って言う。これ、なかなか狂ってるよねぇ。
清水：そうねぇ。
村上：共感できる？
清水：いや（笑）。
村上：その後舞台は教室に移り、四季くんは冬木さんからブランケットを借りる。すると彼は、「冬木さんのニオイがする」「冬木さんに包まれているようだ」云々といった妄想に憑りつかれる。
清水：はい（笑）。
村上：さらに、四季くんがブランケットを返すと、今度は冬木さんがそのニオイを嗅いで「私たち2人のニオイが混ざってるね」とか何とかこれまた気持ち悪いことを言い出す。……最高だよね（笑）！
清水：あっ、褒めてるのね（笑）。
村上：うん（笑）。俺は「アマガミ」を思い出したね。
清水：あー！
村上：膝の裏にキスをするとかあったじゃない（笑）。
清水：あったねぇ（笑）。
村上：あの気持ち悪さに通じるものがあると思う。
清水：なるほど。
村上：というわけで俺はワクワクしたんだけれど、第2話以降はかなり大人しくなってしまった印象。もっと気持ち悪い方向に振り切ってほしいんだがなぁ（笑）。
⛄なぜ主人公はタコ焼きのような帽子をいつもかぶっているのか？
村上：あとね、今日はぜひ四季くんの帽子についても語りたいんだ（笑）！
清水：帽子？
村上：そう。あの茶色いニット帽。四季くんは第1話の冒頭からずっとあれをかぶっている。冬木さんと雪まつりに行った時も、皆でスキー教室に出かけた時もかぶっていた。
清水：単にあれしか持っていないんじゃない？
村上：まぁそうか（笑）。
清水：四季くんはおしゃれなキャラではないからね。
村上：うん。
清水：それから制作者視点で言えば、いつも同じ帽子をかぶらせることで作画などの負担を軽減できるのかもしれない。
村上：いやまぁそうなのかもしれないけどさぁ……しかし、しかしだよ（笑）！それにしても、なんであのデザインなんだ？だってあれ、タコ焼きかキノコにしか見えないじゃない（笑）。
清水：（笑）。
村上：あのデザインには何か意味があるのではないかと考えてみたんだ。
清水：うん。
村上：で、思ったんだけど、あれはタコ焼きやキノコではなくて、きっとドングリをモチーフにしているんだよ。
清水：ほぉ（笑）。
村上：ドングリってのは種子だ。リスなどの餌になることで森中に広がっていく。
清水：うん。
村上：それを踏まえて考えると――あの帽子は「四季くんがヒロインたちの餌になることで北海道中に自らの種を蒔いていく」という展開を示唆しているのではないだろうか（笑）！
清水：……狂気の発想（笑）。
⛄その他のトピック
座談会では、以下のようなトピックも話題に上がりました。ご興味ある方は動画にてご覧ください！
👉冬木さんは、いくらなんでも性的な警戒心が薄すぎるのではあるまいか？なぜあれほどに警戒心がないのか？
👉北海道北見生まれ北見育ちと思われる冬木さんが、かまくらを見てはしゃぎまくったのはなぜか？
👉スキー教室にて秋野さんが転倒するシーンには、どのような意味が込められているのか？
👉次に登場するヒロイン・夏川さんは、どのような属性を持っているのか？
👉結局のところ、本作はどのようなエンディングを迎えるのか？
◆座談会を動画で見る👀
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