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「可愛さ」と「変態度」でヒロインを整理する!|『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』に学ぶテクニック

名作アニメを研究して、創作に活かそう!

本記事では、「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?」を例に【アイデアの出し方】などをご紹介します。

※「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?」については、別記事でも研究しています。詳細は、記事末尾の「関連記事」欄をご参照ください。

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【テーマ①】「可愛さ」と「変態度」の掛け合わせ


本作に登場するヒロインは、総じて可愛いものの……変態です(タイトルからして「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?」ですからね)。

図にするとこんな感じ。


画像1


この図を見ていると、

▶ もしもこの先、【B:可愛いし、まともなヒロイン】が登場したら、既存ヒロインたちは勝ち目がないよなぁ。いや、待てよ。主人公は変態ヒロインたちの相手をする内に、「相手が変態でなければ我慢できぬ特異体質」になっているかもしれないな。

▶ 最終的に主人公のハートを射止めるのは、【C:可愛くないが、まともなヒロイン】かもなぁ。つまり、「人間は、外見よりも中身だよね」という教訓的なオチが付くのかも。

……なんて妄想が膨らみます。


このように図を使って整理すると、様々なアイデアが浮かんでくるのでオススメです!


【テーマ②】鑑賞者に深読みしてもらうテクニック


本作の主要キャラは、全員変態です。

上述の通り、ヒロインは総じて変態。加えて主人公の友人その恋人(正確には「友達以上恋人未満」ですが)も変態。

1話、2話、3話と物語が進むに連れて、彼らの変態性が露わになっていきます。

ところがそんな中、ただ1人だけまともに見えるキャラがいる。


主人公の妹です。

第1話の冒頭から主要キャラっぽい扱いを受けながら、彼女だけは「優しくて可愛い妹」として描かれ続けるのです。

……この違和感!


そう、とんでもない違和感なんですよ。

かくして私たち鑑賞者は、「妹だけまともということはあるまい」「きっと彼女も変態なのだろう」「なかなか本性が明かされないということは、よほどヤバい変態なのか!?」と深読みして、「一体いつ彼女の真の姿が露わになるのだろう?」「もしかして、この○○が伏線なのかも!」などとハラハラドキドキすることになる。


つまり本作には、「異常者の中に、1人だけまともなキャラを投入する → 鑑賞者に『このキャラだけまともとは思えぬ。まだ明かされていない秘密があるのだろう』と深読みしてもらう → 『一体どんな秘密だろう?』『いつ明かされるのだろう?』とハラハラドキドキしてもらう」というテクニックが使われているのです。


【テーマ③】特異なクレジット


本作のクレジットや、公式サイトのスタッフ一覧をよくよく見てみると、何やら見慣れぬ単語が紛れ込んでいることに気づくでしょう。

すなわち……「パンツデザイン:清水美穂」


わざわざ「パンツデザイン」とクレジットする!

これはこだわりがあるに違いありません。

パンツ愛好家はもちろん、私のようなパンツに対してあまり思い入れのない者でも「見逃せないぞ」と期待感が高まります。


そういえば……アニメ「エロマンガ先生」には「紗霧アニメーター」というクレジットがあり、ワクワクしたものです。

※紗霧:「エロマンガ先生」のヒロイン。


「パンツデザイン」にしろ「紗霧アニメーター」にしろ、敢えてクレジットに表記するというのは面白い手法ですね。

1:鑑賞者の注目が集まる

2:鑑賞者に作品の雰囲気やこだわりポイントが伝わる

3:話題作りになる

……といった効果が期待できるでしょう。


そしてアニメに限らず、マンガや小説にもこの手法は使えるかもしれません。

例えば、表紙に「異世界言語監修:●●」「キスシーンアドバイザー:●●」なんて記載があったら、ちょっとユニークですよね。


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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