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怒りや不満などのネガティブな感情を抱いた時に直接それをぶつけるのではなく、「素晴らしいね」「勉強になるよ」などと反対のことを言う ~映画「プラダを着た悪魔」の場合

エミリー「(アンドレアのファッションがあまりにもダサいことに呆れて)素晴らしいわね!」

映画「プラダを着た悪魔」




◆概要

【怒りや不満などのネガティブな感情を抱いた時に直接それをぶつけるのではなく、「素晴らしいね」「勉強になるよ」などと反対のことを言う】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「プラダを着た悪魔」

▶1

本作の主人公は、アンドレア(20代の女性)。

彼女は大学を卒業し、いまは就職活動中である。


アンドレアはジャーナリスト志望だ。

・Step1:知的で文化的な雑誌で働きたいと考えている。

・Step2:だが、まずは出版業界で経験を積むことが重要だ!

・Step3:というわけで、ある日のこと。彼女は一流ファッション誌「ランウェイ」編集部の面接を受けに来た。――じつはファッションなんてちっとも興味がないのだが。


アンドレアを迎えてくれたのは、

・Step4:エミリー(編集長のアシスタント)である。

・Step5:彼女はアンドレアをひと目見るや否や「素晴らしいわね!」と言った。そしてすぐにつぶやいた「……これって人事部の悪い冗談かしら」。

・Step6:上述の通り、「ランウェイ」は一流ファッション誌。そこで働く人は誰も彼もがモデル並みに洗練されている。それと比べてアンドレアのファッションときたら……嗚呼ダサい!そのあまりの垢抜けなさに、エミリーは呆れているのだった。


▶2

ご注目いただきたいのは、「素晴らしいわね!」というエミリーのセリフである。

本来なら「あなた正気!?」と呆れたり、「何なのその格好は!?」ときつい一言をぶつけたりするはずの場面だが――それでは面白くない。少しはひねりがほしい。

そこで【怒りや不満などのネガティブな感情を抱いた時に直接それをぶつけるのではなく、「素晴らしいね」「勉強になるよ」などと反対のことを言う】という技法の出番だ。「あなた正気!?」「何なのその格好は!?」を「素晴らしいわね!」という皮肉に置き換えたことで、ウィットに富んだセリフになったといえるだろう。


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