1つのエピソード内で2つの事件が発生 → 1つを「ヒーローのスーパーパワー」で、もう1つを「中の人の人間性や素養」で解決する
◆概要
【1つのエピソード内で2つの事件が発生 → 1つを「ヒーローのスーパーパワー」で、もう1つを「中の人の人間性や素養」で解決する】は「ヒーローものの設定・展開」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:特撮ドラマ「仮面ライダークウガ」(第7-8話)
▶1
本作の主人公は五代(男性、20代半ば)。
彼はスーパーヒーロー「仮面ライダークウガ」の中の人である。
▶2
本作第7話では、大別して2つの事件が起こる。
・事件1:実加(女子中学生、五代の知人)が人間不信に陥り、失踪する
・事件2:新たな怪物「バヂス」が出現。罪なき人びとを殺していく
いずれも第7話では決着せず、解決は第8話に持ち越されるのだが……もしもあなたが第8話の制作者だったなら、両事件をどのように解決するだろうか?
おそらくは【五代がクウガに変身 → そのスーパーパワーを使って、まずは実加を発見・保護する → 続いてバヂスを撃破する】という展開を想像した人が多いと思う。
しかしそうではないのだ。
実際には、
・Step1:五代は、実加が貝殻のブレスレットを付けていたことを覚えていた。また彼は地質学(?)の素養があるらしく、その貝殻を拾える海岸を知っていた。さらに彼は機微に聡いようで、「ブレスレットは亡き父からの贈り物だろう。実加は父を想って、あの貝殻を採取できる海岸に向かったのではあるまいか」と推理した。
・Step2:かくして五代は海岸へ。そして思い悩んでいた実加を発見・保護し、激励。
・Step3:その後、五代はクウガに変身してバヂスを撃破した。
▶3
つまり、【1つのエピソード内で2つの事件が発生 → 1つを「ヒーローのスーパーパワー」で、もう1つを「中の人の人間性や素養」で解決する】。
この展開が重要だ。
というのも……
・1:いくらスーパーヒーローものだからといって、スーパーヒーローの「スーパーパワー」にばかり脚光を当ててしまうと薄っぺらな物語になってしまうだろう。「スーパーパワー」と同等か、あるいはそれ以上に「中の人の人間性・素養」もしっかり描くのが重要だ。
・2:しかしその一方で、スーパーヒーローが「スーパーパワー」を使わずに事件を解決してしまっては、読者・鑑賞者は肩透かしを食らい、不満を覚えるかもしれない。
そこで、【1つのエピソード内で2つの事件が発生 → 1つを「ヒーローのスーパーパワー」で、もう1つを「中の人の人間性や素養」で解決する】というやり方だ。これならバッチリである。
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