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嗚呼!天才児ゆえの苦悩!!|アニメ「魔女の旅々」に学ぶ

結局のところ、イレイナさんはどんなキャラなのか?


三葉 さて!昨日に引き続き、イレイナさんというキャラについて考えていこう。

※メモ:別記事でもアニメ「魔女の旅々」を分析しています。詳しくは、本記事後半の「関連記事」欄をご参照ください。


清水 ふむ。

三葉 今日のテーマは「結局のところ、イレイナさんはどんなキャラなのか?」。例えば、「ドラえもん」ののび太は【グータラで間抜けだけど、いざという時には熱い少年。人間的に信用できる少年】と整理できるじゃん。

清水 そうね。

三葉 こんな具合に、<イレイナさんというキャラの根本にある性質>を明らかにしたい。


▶ 登場人物紹介

・清水:マスター・オブ・アニメ。年100作以上のアニメを見続けて20余年。

・三葉:清水とは中学からの友人。元々マンガや小説が好きで、アニメは不得手だった。しかし、清水の影響で数年前からアニメにハマっている。


イレイナさんってこんなキャラ!


三葉 ということでね。

清水 ふむ。

三葉 第1話から第12話までをじっくり鑑賞して、こんな図を作ってみた。


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三葉 1つ1つ説明していくから、まぁ聞いてくれよ!


【Point①】努力もできる天才


三葉 まずさ、イレイナさんって【努力もできる天才】じゃん。何しろ、平和国ロベッタ史上最年少の15歳で魔女になったくらいだからね。

清水 うん。

三葉 ここがすべての始まりだ。

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【Point②】天才児は嫉妬・恐怖され、適切に評価してもらえない


三葉 では、そんな<明らかに普通ではない天才児>はどんな扱いを受けるのか?

清水 んー……きっと激しく【嫉妬】されるんじゃないかな。

三葉 だよね。それに、人間には<自分とかけ離れた相手に恐怖心を抱く>という傾向があるじゃん。だから、「あの子は普通じゃない」「ヤバい奴だ」って【恐怖】されたと思う。

清水 なるほど。

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三葉 要するに……イレイナさんは才能もあるし努力もしている。それなのに、周りが【適切に評価してくれない】。そんな寂しい幼少期を過ごしたものと思われる。

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【Point③】「認めてほしい」という強い欲望


三葉 その結果、何が起こるか?そう!レイナさんは強烈な欲望を抱くようになる。ずばり、【「認めてほしい」という欲望】だね。

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三葉 幼いイレイナさんは、「皆に褒めてほしい」とか「感謝されたい」とかいつも願っていたはずだ。


【Point④】高い自己評価


三葉 でもさ、その一方でイレイナさんは自分に強い自信を抱いていると思うんだ。

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清水 まぁ美人だし、魔女としての実力もずば抜けているわけだしね。

三葉 そうそう!さらに、人間には<周りが認めてくれないと、それを補うかのように自己評価が高まる>って傾向があるじゃん。

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清水 あー。

三葉 「どいつもこいつもなぜ私を認めない?なぜ私の実力を理解しない?私はこんなにできるのに!」ってさ。

清水 ふむふむ。

三葉 かくしてイレイナさんは【高い自己評価】……というか【高すぎる自己評価】を抱くようになる。


【Point⑤】「困っている人を見かけるとすぐに手を貸す」「何かあった時には、自分が我慢して事を収めようとする」という子ども


三葉 つまりイレイナさんは、【「認められたい」という強い欲望】【高すぎる自己評価】を抱いているわけだね。

清水 ふむ。

三葉 それゆえに……イレイナさんは、<困っている人を見かけるとすぐに手を貸す/何かあった時には、自分が我慢して事を収めようとする>、そんな子どもになった

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三葉 だってさ、人助けをすれば皆に褒めてもらえるかもしれないじゃん。それに「私は何でもできる」と思っているわけだよ。そりゃ、躊躇せず手を貸しちゃうよね。


母の心配


三葉 でさ、ヴィクトリカ(イレイナさんのお母さん)はそんな娘が不安だったんだよ。「いまあの子が旅に出たらどうなるか?きっと軽々に人助けをしようとするに違いない。そしてトラブルに巻き込まれ、取り返しのつかないことになるかも……」

清水 なるほど。

三葉 かくしてヴィクトリカは考えた「『自分は何でもできると思ってはいけない』と、イレイナに教えなければ!」。そこで彼女はフラン先生を呼び寄せて、イレイナに<自分の力の限界>を教えようとした。これが第1話だね。


清水 あー、フラン先生にズタボロにやられてイレイナさんが涙を流すシーンだね。


イレイナさんの成長


三葉 で、どうなったか?

清水 ふむ。

三葉 象徴的なのが、第3話のBパート。イレイナさんは哀れな奴隷少女と出会う。しかし……彼女を保護しないんだよね。

清水 ふむふむ。

三葉 これ、一見すると「えっ!イレイナさんは奴隷少女を救わないの!?冷たくない?」と批判したくなる場面なんだけど……。

清水 そうね。

三葉 しかし、それはお門違い。というのもさ、フラン先生と出会う前のイレイナさんだったら、きっと奴隷少女を保護しようとしたはずだ。そうすれば皆から評価されるだろうし、イレイナさんは「私には力がある。奴隷少女を救うことなんて容易い」と思っているからね。

清水 うん。

三葉 でも、奴隷少女を保護したとして……一体どうするのか?何しろ、そこは奴隷制度が認められた国。<保護>といえば聞こえはいいけれど、それは他人の財産を奪い取る行為だ。イレイナさんには、見ず知らずの他人のために犯罪者になる覚悟があるのか?

清水 ふーむ。

三葉 また、奴隷少女には自活する力はない。イレイナさんが衣食住を提供してやるのか?

清水 まぁ、無理だろうねぇ。だって、イレイナさんはただの旅人に過ぎないんだもん。

三葉 だよね!要するに、残酷なようだけど<救わないのが正解>というわけだ。ここに、イレイナさんの成長が見て取れるよね。


未熟さゆえの危機


三葉 とはいえ……困ったことにイレイナさんはまだまだ未熟なんだよね(笑)彼女は、時として【「認められたい」という強い欲望】と【高すぎる自己評価】に突き動かされてお節介を焼いてしまう

清水 元々が情け深い人だしねぇ。

三葉 そうね。

清水 ふむふむ。

三葉 最もわかりやすい例が第9話。イレイナさんはとある魔女に頼まれて力を貸す。ところがその結果、その魔女は死ぬほどひどい目に遭う。レイナさんも激しいショックを受ける……。

清水 そういえば、ミラロゼさんが登場する第4話もそうだよね。イレイナさんは「私は戦いませんよ」と散々言っていたにも関わらず、いざ戦いが始まるとミラロゼさんの様子を見に行く。結果的にイレイナさんが戦うことはなかったものの、この<放っておけない>というところに、イレイナさんの甘さ、未熟さが表れているよね。まぁ、そこがイレイナさんのいいところなんだけどさ(笑)


まとめ


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(担当:三葉)

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