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「自分の意思に反すること・自分ではどうしようもないこと」を、さも自分の決定であるかのようにユーモラスに語る ~映画「ノッティングヒルの恋人」の場合
足に障害があり車椅子を常用しているベラ「(皆の前で発言する時に)立つのは止めるわね。だって……面倒だし」
◆概要
【「自分の意思に反すること・自分ではどうしようもないこと」を、さも自分の決定であるかのようにユーモラスに語る】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「ノッティングヒルの恋人」
▶1
本作の主要キャラの1人・ベラ(中年女性)。
彼女はいつも車椅子を使っている。かつて事故に遭い、それ以来歩けなくなったらしい。
ある夜のことだ。
・Step1:ベラと親しい友人たちがレストランに集合。食事会を開催した。
・Step2:皆でワイワイ盛り上がる。
・Step3:しばらくしてベラが皆に声をかけた「ねぇ、皆!ねぇ、シー!今日は発表があるのよ」。
・Step4:皆は口を閉じ、ベラに注目する。
・Step5:ベラは続けた「立つのは止めるわね。だって……面倒だし」。皆が笑う。
・Step6:その後、ベラは車椅子に座ったまま本題に入った。
▶2
ご注目いただきたいのは、「立つのは止めるわね。だって……面倒だし」というベラのセリフである。
もちろんこれは事実ではない。実際には「足が不自由で立てない」のだ。
だがベラは、まるで自分の意思で立たないかのようにボケてみせた。
要するに【「自分の意思に反すること・自分ではどうしようもないこと」を、さも自分の決定であるかのようにユーモラスに語る】という技法であり、この技法を使ったことで機知に富んだ楽しいシーンになったといえるだろう。
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