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キャラAの背後に「オンボロの商店街」、キャラBの背後に「上り坂や上り階段」を描くことで、「Aの未来は暗い/Bの未来は明るい」と暗示する ~映画「パラサイト 半地下の家族」の場合

ギウの父「お前の友達は迫力があるな!」
ギウの母「やっぱり大学生は勢いが違う」

映画「パラサイト 半地下の家族」


◆概要

【キャラAの背後に「オンボロの商店街」、キャラBの背後に「上り坂や上り階段」を描くことで、「Aの未来は暗い/Bの未来は明るい」と暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「パラサイト 半地下の家族」

▶1

本作の主人公は、ギウ(20代の青年)。

彼は経済的に困窮している

両親や妹とともに暮らしているのだが、一家そろって貧しい暮らし。満足に勉強することもできず、ギウは大学浪人を繰り返している。いまはフリーターだ。


ある日、

・Step1:ギウのもとにミニョクが訪ねてきた

・Step2:ギウとミニョクは友人同士である。だが、ミニョクの家は経済的に余裕がある。また、ミニョクは名門大学に通っており、しかも海外留学が決まっている。そう、2人の間には大きな経済格差が横たわっているのだ。

・Step3:その後、酒を飲みに出かけたギウとミニョク。2人は酒屋の前に置かれた椅子に腰かけ、向かい合ってあれこれ話をした


▶2

ご注目いただきたいのは上記のStep3、向かい合って話をする2人の背後にあるものだ。

まずはギウ。彼の背後にはオンボロの商店街が広がっている。庶民的というか大衆的というか、経済的に余裕がない人御用達の商店が並んでいるのが見える。

一方のミニョク。彼の背後にあるのは坂道だ。道がぐーっと上がっていくのが見える。さらにその先には上り階段がある。


つまりは「オンボロの商店街」と「グングン上っていく坂道や階段」……。これは2人の「未来」の象徴であり、そしてまたギウが感じている「絶望感」の象徴だといえるだろう。


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