生きるのに不向きな不器用キャラ
◆概要
【生きるのに不向きな不器用キャラ】は、キャラクター類型の1つである。
それは「クズ野郎 + 情けなさ」と整理できるだろう。
「クズ野郎」は往々にしてヘイトを集めてしまうものだ。だがそこに「情けなさ」を足すと、読者・鑑賞者が同情心を抱いたり、「自分と同じだ」と共感したりして好意を持ってくれるようになる。
したがって、皆から好かれるキャラを作りたい時にはクズ野郎に「情けなさ」を追加してみよう。
◆事例研究
◇事例:ドラマ「イカゲーム」
主人公ギフンはクズ野郎である。
何しろ、彼はいい年してまともな仕事に就いていない。しかも、多額の借金を抱えている。さらに、老母のわずかな貯金を勝手に引き出してギャンブルに行ったりするのだ。嗚呼、クソ!
しかし、彼は単なるクズではない。
例えば第1話、ギフンは競馬で大穴を当てた。彼は歓喜。払戻窓口(馬券を現金に引き換える窓口)の女性スタッフに、「これでコーヒーでも飲んでよ!」と札を1枚差し出した。浮足立っているのだ。女性スタッフは困惑しながらそれを受け取る。
だがその直後、ギフンはスリに遭い、金をすべて失った。かくして窓口に戻り、気まずそうに切り出した「あの……すみません。さっきのお金を……返してもらえませんか……」。嗚呼、情けない!
その後も、【愛娘の誕生日プレゼントを用意する金がない → ゲームセンターでクレーンゲームに挑戦 → しかし上手くいかずに取り乱す → 傍で遊んでいた子どもが見かねて助けてくれる → 景品をゲット → 意気揚々と娘にそれをプレゼントする】なんて具合だ。
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