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相手の言葉を下敷きにして、強く叱ったり批判したりする ~ドラマ「ウォーキング・デッド」の場合

ダリル「(ゾンビパニックの最中に行方不明になった兄メルルについて)兄貴は死なない!腐った死人どもにやられるわけがないんだ!」

リック「その腐った死人が1000人いたらどうだ?それでもやられないか?」

ダリル「よし、お前は何人いるか数でも数えてろ!俺は兄貴を探しに行く!」

ドラマ「ウォーキング・デッド」(シーズン1の第4話)




◆概要

【相手の言葉を下敷きにして、強く叱ったり批判したりする】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:ドラマ「ウォーキング・デッド」(シーズン1の第4話)

▶1

本作の舞台は、ゾンビパニックが発生し、人類の文明が崩壊しかけている世界

数少ない生存者は、ゾンビに怯えつつも安住の地を求めて旅したり、生存者同士で助け合ったり、時には殺し合ったりしている。


いろいろあってある日のことだ。

・Step1:大都会アトランタで、メルル(生存者の1人)の行方がわからなくなった

・Step2:仲間たちは悲観する。何しろ、メルルは大けがを負っているのだ。しかも街にはゾンビがあふれている。到底生きているとは思えない……。


そんな中、

・Step3ダリル(メルルの弟)だけは「兄貴は無事だ」「まだ生きているに違いない」と主張した。

・Step4:仲間たちは「いや、それは厳しいだろ……」。

・Step5:だがダリルは受け入れない。彼は叫んだ「兄貴は死なない!腐った死人どもにやられるわけがないんだ!」


ダリルの言葉に対して、

・Step6:リック(仲間の1人)が言った「その腐った死人が1000人いたらどうだ?それでもやられないか?」。――「1人や2人なら何とかなるかもしれない。だが街には何百何千のゾンビがいるのだ。それでもお前の兄貴はやられないって言うのか?」という意味だ。

・Step7:ダリルが応える「よし、お前は何人いるか数でも数えてろ!俺は兄貴を探しに行く!」


▶2

ご注目いただきたいのは、「よし、お前は何人いるか数でも数えてろ!俺は兄貴を探しに行く!」というダリルのセリフである。

要するに「勝手にほざいてろ!お前らが何と言おうと兄貴は無事なんだ!」と反論しているわけだが――ストレートにそう言ってしまっては面白くない。

そこで【相手の言葉を下敷きにして、強く叱ったり批判したりする】という技法の出番だ。

リックのセリフ「その腐った死人が1000人いたらどうだ?」に対して「よし、お前は何人いるか数でも数えてろ!」と侮蔑的に応じたことで、テンポのいい印象的なやりとりになったといえるだろう。


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