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相手の言葉を下敷きにして、軽口を叩いたり笑いを誘ったりする ~アニメ「怪異と乙女と神隠し」の場合

下半身丸出しの菫子「(恥ずかしそうに)きみに良識があるのなら、何か隠すものを貸してくれないか?」

蓮「良識か。あったかな……」

アニメ「怪異と乙女と神隠し」(第1話)




◆概要

【相手の言葉を下敷きにして、軽口を叩いたり笑いを誘ったりする】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「怪異と乙女と神隠し」(第1話)

▶1

本作の主人公は、菫子(女性20代)。


いろいろあってある日、

・Step1危険な呪いにかかってしまった菫子。

・Step2:呪いのせいで彼女は幼児化、10歳くらいの少女になった。それだけではない。記憶の一部が消失したり目や耳から体液が漏れ出してきたり……菫子は死にかける

・Step3:だが幸いにも、蓮(友人、年齢不詳の男性)が怪異に精通していたため、菫子は呪いを克服することができた


かくして、

・Step4:菫子は元の姿に戻った

・Step5:ところが問題発生!というのも、菫子は幼児化していた時には、大人用のTシャツをワンピースふうに着こなしていた。しかしいま彼女は大人サイズに戻った。というわけで、そう、下半身丸出し(!)になってしまったのだ

・Step6:菫子は恥ずかしそうに、蓮に言った「きみに良識があるのなら、何か隠すものを貸してくれないか?」

・Step7:すると蓮は「良識か。あったかな……」なぞとつぶやきながら自らのカバンを探り、間もなくタオルを引っ張り出した。


▶2

ご注目いただきたいのは、「良識か。あったかな……」という蓮のセリフである。

このセリフは必要不可欠なものではない。これをカットして、いきなりタオルを差し出したっていいわけだが――しかしそれでは面白みを欠く。

そこで【相手の言葉を下敷きにして、軽口を叩いたり笑いを誘ったりする】という技法の出番だ。「良識か。あったかな……」という軽口を挟んだことで、ウィットに富んだシーンになったといえるだろう。


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