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「私とこの人は似た者同士だ」と感じた時に、相手を仲間と認めるようになる

桜子が嘆いた「五代くんって、自分のことはどうでもいいからって突っ走っちゃうんですよね」

特撮ドラマ「仮面ライダークウガ」(第4話)


◆概要

【「私とこの人は似た者同士だ」と感じた時に、相手を仲間と認めるようになる】は、創作の技術の1つである。


共通点や類似性というのは、人と人とを結びつける接着剤になり得るものだ。例えば、「この人は私と似ている。だから信頼できる」とポジティブな理由でタッグを組むこともあるだろう。逆に、「この人は私と同じくらいグズだ……放っておけないよ!」と後ろ向きな理由からくっつくカップルもいる。


◆事例研究

◇事例:特撮ドラマ「仮面ライダークウガ」(第1-4話)

▶1

主人公・五代は、第1話で特別な力を得た。そして第2話、彼は人びとのためにその力を使おうと決意し、怪物との戦いに積極的に関与するようになる

ところが一条(怪物事件を担当する刑事)は、五代を事件に関与させようとはしない。むしろ遠ざけようとした。

なぜならば……

・理由1:一条は刑事、市民を守る立場にある。ゆえに<五代 = 一般市民>の身の安全を心配しているのだ

・理由2:一条は、刑事という職業に誇りを持っている。だからこそ、軽率に首を突っ込んでくる五代に怒りを感じている

・理由3:一条は、五代が信頼に値する人物なのかまだ判断しかねている。したがって、安易に手を組もうとは思わない


▶2

ところが、一条は第4話で考えを改める。「自分と五代は似た者同士だ」と気づいたのがきっかけだ。


まず、一条は怪物との戦いで重傷を負った。ひどい痛みがある。しかし休みを取ることなく、彼は捜査を続ける。そんな一条を見て、彼の後輩が言った「一条さんの悪いクセですよ!自分のことをまったく考えないで突っ走っちゃうんですから!」

それから数時間後、一条は桜子(五代の友人)の嘆きを耳にした。曰く「五代くんって、自分のことはどうでもいいからって突っ走っちゃうんですよね」。ここで一条はハッとする。「自分よりも他人を優先する/困っている人がいると静観できず、突っ走ってしまう/頑固者であり、自分の信念を決して曲げない」……自分と五代はそっくりじゃないか!


ということは、

・「五代は軽率に首を突っ込んでいるのではない」と気づいた。本気で皆のために戦いたいと思っているのだ →信頼

・「どれほど説得しようとも、五代は敵と戦おうとするだろう」と察した。五代は絶対に信念を曲げない。彼を止めるのは不可能だ →諦め


かくして、一条は五代を仲間と認めたのだった。


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