【21年秋アニメ研究】「プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜」の分析【1:鑑賞者の体験の分析】
※本記事では、2021年秋アニメ「プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜」の第1話を分析します。
本記事全体のまとめ
※本記事全体をレポート形式にまとめました。本記事後半の文章と同内容ですが、レポート形式の方が見やすいと思います。お勧めです!
鑑賞者の体験の分析
本話を鑑賞した複数のアニメファンの感想を整理・類型化した。本話が鑑賞者に対してどのような<体験>を提供したのかを把握するのが目的である。
▶コンセプト(馴染みのない世界の物語)
・<女子アイスホッケー>というマイナースポーツを題材とした作品。馴染みのない世界の物語なので興味深い。
▶コンセプト(要素過多)
・<学園もの>、<部活もの(刺繍部)>、<アイスホッケー>、<アイドル(ビクトリーダンス)>、<旅館>、<温泉>、<TVの取材>、<日光市(地域活性?)>などなど、第1話から要素を詰め込みすぎだと感じた。
・要素が多すぎてどこにも集中できない。その結果、1番インパクトの強いポイント、すなわちビクトリーダンスばかりが記憶に残った。
・次話以降については、全部の要素が上手く溶け合えば面白くなりそうだが、どれも中途半端になってしまうのではないかという不安を感じる。
▶コンセプト(試合後のダンス)
・「ビクトリーダンス」は、<スポ根全開の試合後になぜか選手たちがアイドル風のダンスを踊る>という点で、「ウマ娘 プリティーダービー」のウイニングライブを想起してしまう。どうしても二番煎じという印象がつきまとう。
・しかも、ビクトリーダンスのシーンが物語の初っ端に置かれているため、最初から「あっ、二番煎じなのね……」とテンションが下がってしまった。
・例えばせっかく氷上なのだから、フィギュアスケートにしてもよかったのではないだろうか。そうすれば、「ウマ娘」っぽさは薄まったと思う。
▶コンセプト(スポ根と萌えのバランス)
・「ウマ娘」の成功要因は、<スポ根と萌えのバランスのよさ>だと思う。
・それに対して本作は、後者が強すぎる印象。というか、スポ根要素がほぼ見当たらない。ゆえに最終話を見終わった時に「アイスホッケーは必要だったのか?」「シンプルにアイドルものでよかったのでは?」と感じてしまいそうでちょっと不安。
・冒頭のワールドカップの試合シーンは迫力十分だったので、次話以降はもっとこちらの要素が強くなるといいなと思った。
▶展開
・<愛佳は刺繍をする前になぜかイメトレをする>、<愛佳と彩佳は一見すると凸凹姉妹だが、ところどころで息がピッタリ揃う>、<愛佳はアイスホッケーのパックを見て「甚五郎煎餅と同じくらいの大きさか」、スティックを見て「お風呂の湯掻き棒っぽい」と感じる>といった演出から、「こうした主人公らのクセや習慣がアイスホッケーに活かされ、かくして大活躍するという展開をたどるのだろうか?」と感じた。
・この手の展開はお約束であり目新しさはないが、しかし巧くやれば確実に面白くなるはずなので楽しみだ。
▶主人公の行動原理
・主人公らがアイスホッケーの無料体験教室に参加した理由、そして来週も参加しようと決めた理由がよくわからなかった。
・特に、主人公らが刺繍部の部員ということで、【刺繍部 → つまりインドア派だろう → そんな彼女らがなぜいきなりアイスホッケー?】と戸惑いが大きくなった。
・主人公の行動原理を理解できなかった結果、ストーリーに集中できず、置いてきぼりにされてしまった印象。
・昔からの憧れ(「ウマ娘」)でも、廃校の危機を回避したい(「ラブライブ!」)でも、ダイエットしたい(「ダンベル何キロ持てる?」)でも何でもいいので、鑑賞者が理解しやすい理由を示してほしかった。
▶キャラのデザイン
・鑑賞前、「フルフェイスマスクを付けるとキャラの顔が見えづらくなる。キャラの見分けがつかないし、感情も読み取れなくなるはずだ。どう処理するのだろう?」「『ガールズ&パンツァー』のように、いい意味でリアリティを無視するのだろうか?例えば防具を付けずにプレイするなど」と気になっていた。
・いざ鑑賞してみると、ストレートに、フルフェイスマスクを付けて試合が始まったのでちょっと驚いた。案の定キャラを見分けるのがしんどかった。
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