ポジティブすぎる・前向きすぎる　～マンガ「スナックバス江」の場合

明美「（森田に向かって）山田とアンタなら、アンタの方が絶対モテないわよ……」
↓
森田「ほ～……」
森田「そういう風に軽口を叩けるって事は……ワイと明美ちゃんの関係がちゃんと出来上がってるからやん？」
森田「『山ちゃんの方がモテる』の方が角が立たないのに、態々『ワイの方がモテない』という言い方に信頼を感じるやん……？」
森田「つまりワイの方がモテに近いんやないかい！？」
↓
明美「無敵かコイツ……！？」

マンガ「スナックバス江」（第3巻）

◆概要

【ポジティブすぎる・前向きすぎる】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。

◆事例研究

◇事例：マンガ「スナックバス江」（第3巻）

▶1

本作の主人公は明美（若い女性）。

彼女は、スナック「バス江」のチーママである。

ある日、

・Step1：常連客の森田、山田（いずれも男性）、そして明美の3人で話していた時のことだ。

・Step2：森田はモテない。ちっともモテない。若い頃からまったくモテず、中年になったいまも童貞のままである。そんな森田が――山田を同類扱いし始めた。

・Step3：山田は困惑して「確かに僕はモテませんけど、童貞ではありませんよ……」「恋愛経験もありますし……」と抗弁する。

・Step4：しかし森田はよほど仲間がほしいのか、聞く耳を持たない。

やがてもう黙っていられぬとばかりに、

・Step5：明美が森田に向かって言った「山田とアンタなら、アンタの方が絶対モテないわよ……」。

・Step6：森田は「ほ～……」。

・Step7：さすがの森田もこれにはショックを受けたかと思いきや――「そういう風に軽口を叩けるって事は……ワイと明美ちゃんの関係がちゃんと出来上がってるからやん？」「『山ちゃんの方がモテる』の方が角が立たないのに、態々『ワイの方がモテない』という言い方に信頼を感じるやん……？」。

・Step8：そして満面の笑みを浮かべて、「つまりワイの方がモテに近いんやないかい！？」。

・Step9：明美が叫ぶ「無敵かコイツ……！？」。

▶2

「アンタの方がモテない」と明美に断言された森田。

普通なら大ショックを受けるところだが――しかし森田はああだこうだと都合のいいように解釈し、自分はモテるのではないかという結論にたどり着いてしまった。

「思考回路がポジティブすぎる（笑）」「どれだけ前向きなんだよ！（笑）」「モテなさすぎて頭がおかしくなったのかな？（笑）」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。

◆他のアイデアも見る👀