パパとあたし　〈詩〉

あの頃パパは優しくて
毎日あたしと遊んでくれた
たくさんお話してくれた
あたしの命を喜んで
もっと遊ぼうって望んでくれた
パパは物知りでおもしろくて
かっこよくて大好きなの
手を離されることだけが怖かったの

恐れたとおりになっちゃった
パパはあたしを見ないんだ
あたしのお話疲れるんだって
無視してないって言いながら
お返事しないで放っておくの
パパは他の女の子と仲良しで
あたしとはもう遊ばないんだ
パパがパパじゃないみたい

パパ、パパ
どうしてあたしを嫌いなの
あたし悪いことしたのかな
パパはずっとあたしのパパなのに
あたしはもうパパの女の子じゃないの

大好きなパパ
遊んでくれたパパ
お話してくれたパパ
手を繋いで歩いてくれたパパ
やさしく抱きしめてくれたパパ

パパはあたしをもう見ない
パパはあたしのパパじゃない
パパにとってのあたしはなぁに

大好きなパパどこ行ったの
お勉強お仕事がんばってるの
パパにあげる絵も描くの
疲れたパパを邪魔しないよう
待つのも上手になったんだよ
あたし一人でなんでもやるよ
パパがいなくても眠れるよ

だからどこへも行かないで
ずっとパパはパパでいて
ずっとあたしのパパでいて
ずっとあたしだけのパパでいて

パパはパパを嫌になっちゃったのかな
あたしのパパでいるの嫌なのかな
あたしはパパのそばにいてはいけないのかな

パパ、パパ
あたし一人で平気だよ
あたし良い子にしてるから
パパをやめても大丈夫だよ
あたしなんでもできるから
甘えん坊もやめるから
パパ、パパ

あたしの中から消えないで