現代詩の世界2022 坂本達雄
あまりに突然な世界。
冬の中の新しい詩たち。
暑い夏のすずやかな世界を。
暑くても、頭の中はクーラーです。
ますます六月の大気である。
本質と呼ばれるものが この部屋から、出て行く時 雁がねの灰色の翼は抑揚する 這い出るこの飢…
文字界のフラミンゴが本質を掘り下げるのは 構成されない言葉の隙間から トランス状態で七輪に…
幅広くうすめられ 当然のように真夏の胴体に帰す ウエリントンのかむさりて 金串につらぬかれ…
記憶するのは誰ですか 思い出すのは誰ですか あなた自身を思い出してください 過去のあなたで…
アンダルシアの脱ぎ棄てられた靴 ボイジャーの夢は捨てられている 霧が深くてわがままである …
尾びれを振ってすすんでいくもの 記憶と無意識の果てに 完全な河が生まれている ビザンチンの…
湯舟につかった太郎さんの写真を見る 湯舟は規定の構造体である あんまり好きではないのである…
それは静けさであるのか ガンジスのあたりでは小雨である 丸くなったストゥーバは 極限からの…
ひっきりなしに爆撃される トマトの菜園、君の部屋 飛び散る家具や、シロツメグサ 緑黄色野菜…
ベアトリーチェ、固唾をのみ見つめる中 針鼠の子はガザの内部へと 侵入するのであった はすか…
ウルウルと、陽だまりの〈角〉が ヒルスベニア産の格子構造を持つ 身を天空の〈サンザシ〉に置…
モーリヤックの、めざましい僻地の開発する 住まいと言うものは 青い屋根の秋空の透明の 神経…
肥沃な土地をおびただしい水が灌漑していく それはマリアージュ、君だけの秘密にしておいて ず…
突撃する子葉体 これらの性格は無駄なしぐさだと了解される エスペラント語の本質的理解を欠い…
それは飛行する物体として多くの人が見たものである しかしそれを正しく認識することはできな…
それらはそもそも不可思議の唇で包囲されている 引くべき時には引けずトンカラの法則で 虫眼鏡…